見出し画像

阪神大震災時の不動産について。

箇条書きに思い出して書きました。これがリアルです。

地震が起こると建物も倒壊しますけど、地盤の硬いところとか、液状化しない土地は安定していて、被害は全くないエリアも存在します。
そういう場所に、倒壊した人たちが一気に引っ越ししたりするので不動産価格は高騰します。
家賃もそうです。
体育館に住んでるより、プライベートが確保できればそちらの方がいいですからね。
お金のある人はすぐに動きました。
そして、被災地から離れて住もうとする人はかなり少ないです。住み慣れた場所はやっぱり離れたくないのだと思います。

建物が倒壊して圧死した人もすぐに助け出せなかったり、生物が腐ったりする匂いで異臭が漂ってました。
そして、そう言う土地は売りに出ました。が、毎年1月17日になるとそこに花を手向ける人が居て、トラブルになりました。

駐車場を住居に違法改造して、貸してた建物が倒壊して、人が死んで裁判になりました。
そして家主が全面的に負けました。この頃の不動産判例としてよく事例が出てきます。

建物が倒壊して滅失するので、銀行は通常、土地建物に抵当権を入れますが、借金だらけの人は悪知恵を働かせて、すぐに建物が滅失した土地上に第三者名義のプレハブ建物を設置して競売妨害をやりました。

行政が全壊、半壊、一部損壊という張り紙を建物に貼っていきます。全壊なのに、張り紙を剥がしてこの建物は大丈夫だと言って、そのマンションの部屋を貸そうとしていた家主がいました。めちゃくちゃだと思いました。

区画整理がなかなか進まなかった木造密集地は、この時とばかりに、強引に区画整理をしました。
今や、突貫工事で作ったどうしようもない建物が立ち並び、ゴーストタウンとなりました。
神戸市長田区新長田駅近くの再開発がそれです。

屋根屋が最初に儲けました。全国から変な人たちが集まって被災者からお金を巻き上げました。

焼き芋一本五千円で売りつけて、乳飲子に母乳をあげるためにと、泣く泣く買っている人を見たことがあります。あれは本当に酷いなと思った。

人は三日も風呂に入らないで、同じ服を着ていると、臭くなります。
すごく小綺麗な高級な服なのに、汚れた服で頭もネチャネチャの親子が部屋探しに来て接客しました。
あの時の匂いと、疲れた顔は忘れられない。
そして、仮住まいの家を見つけてあげた時のあの、安堵の顔も忘れられない。
その体験がこの仕事をしている根幹に流れてるのは間違いない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?