根比べ再び

今回は急遽頼まれて孫ちゃん(仮名)お預かり。

ご飯どうする?と親さんと電話で話し合い、親さんに聞くと我が家の(預からないと思っての買い物による)メニューで良さそうなので孫ちゃんの晩ご飯は我が家で出すことに。
最近、これといって理由は無いが私は料理をほぼしない。してもかなり簡素化して一人暮らしの気楽さを謳歌している。お小さい方がいたら遠慮する大人のスパイシーも、若い方や働き盛りの男性には物足りないだろうほぼ精進料理も、面倒なら焼き芋1本でも、本当に気儘で今回はたまたまだ。

夕方、よっこらベランダにボウルとキッチン鋏を携えてイヤホンで音楽など聴きながらニラを収穫しながら剪定の真似事をしつつチョキチョキ。ニラは成長が早いのでちょこちょこ使えて便利だ。
長く伸びたのを粗方収穫してから台所に戻り、合挽き肉と見比べながら玉ねぎを足していく。卵も入れて、パン粉もパンも無いことに気づいたが、まあそれはそれでとナツメグを振りかけ構わず捏ねていく。超久しぶりにハンバーグだ。

丁度ひっくり返したところで孫ちゃん到着。親さんと機嫌良くバイバイする孫ちゃん。特にご飯の匂いでという訳ではないと思う。

親さんを送り出して私が戸締まりする間に玄関で早々とジャンパーを脱ぐ孫ちゃんは、それでも匂いが気になるのか迷わず台所に向かうが、まだ焼けていないと思うのでいつも通りにオムツのチェックと着替えに戻す。今回はチェックして良かった。いつもの布オムツと孫ちゃんが気に入っているらしいオムツカバーに替えて、我が家でだけ使う衣類に着替えてもらった。今回は親さんも着た下手くそなりに私が縫ったカバーオールに、親さんが学生時代に着たフリースパジャマからリメイクしたガウン。食事して汚しても我が家で洗濯し、着てきた服を汚さないために始めた。

再びベランダに出てサニーレタスのベビーリーフを収穫する。食べ物に出るイヤイヤ期で親さんが用意したお弁当でさえほぼ食べないが、ベビーリーフだけは何も付けずにムシャムシャ真っ先に食べるからだ。大した量ではないが、少しでも野菜を食べるならばとなるべく摘みたてをと直前に摘むようにしている。

ハンバーグもベビーリーフも新しいうちに晩ごはん。最近の孫ちゃんはとにかく肉も色の濃い青菜の野菜も食べない。親さんは挽き肉は食べるよ、と言っていたけれど、親さんと私はおそらくレシピが違う。第一その挽き肉料理を食べるのを私は見ていない。不安は無いが自信も無い。

結果、ベビーリーフはほぼ完食。何故だか自分ばかり食べてると思ったのか一度だけ軸の可愛らしい指でつまんでいた所だけくれた。そこだけ私が食べたのでほぼ完食。笑

ハンバーグも思ったよりは食べた。ベビーリーフの合間に小さな一口サイズにして与えていた。ニラを小さくカットしたのも数㎜でも紛れて食べたら良いなと思ってのこと。

ご飯は玄米ご飯で、2歳の孫ちゃんには消化が優しくない(玄米は5歳未満と高齢者には消化が良くない)が、そもそも予定外のお預かりで仕方ないといえば無いが、幸い孫ちゃんは玄米ご飯が好き。これも思ったより食べた。

急なお預かり対応にしてはまずまずというかんじ。やった♪

前回ちょっとだけトラブった薬を催促する孫ちゃんに笑う。ご馳走さまをしたから良かろうとばかりに薬ポーチを指差して拙い発音で「おっすりですお」と、まるで私が薬を飲み忘れたような教え方をするように聞こえておかしい。笑
前回のようにはいかないことを話し、形だけでも了承させて薬を仲良く飲む。

ちなみに前回のトラブルは https://note.com/pug_32/n/n2753f042ea9a

孫ちゃんはここまできっちりご飯も「お薬」も平らげてから、はっきり「ママがいい!」と言った。前回も書いたか忘れたが、自分の意思で「帰りたいからママを呼べ」と言っている。

わからないフリばかりでとぼけても、意思の疎通が出来ていることを2歳は理解している。そういう意味では何度も知らないフリで通すのは誠実ではないし2歳なりのプライドなりお気持ちなり傷つけると思う。

しかし昼間のよりも少なく預けにくい夜間保育の代わりにもなってのお預かりなので、覚悟して「親さんはお仕事なのよ」と事実を述べた。

何度か「ママ!」「お仕事です」のやり取りをし、ママが駄目ならと思ったのか「パパ」とも言い出したが私が聞き入れないので、孫ちゃんは泣いてしまった。オムツ替えにはジャンパーを掴み、ますますはっきりと帰る意思を示す有り様。

このやり取りは初めてではない。前回より前、生後1ヶ月そこそこの時期も、今ぐらい話せたらこうだったと思う。

約2年前、預かり始めた時も、うんと泣かれた。長くて3時間も泣かれた。孫といえども我が子ではない。勝手が違う。泣かれれば泣き声に負けそうになる。小さくても意思は固い。ここで負けると今後に響く。

私と孫ちゃんの根比べが再び始まった。

昼間の保育園ではどうか知らないが、私が負ける訳ないでしょ。すまんな孫ちゃん、今回も勝たせてもらうね。

孫ちゃんは聞き入れられないことで泣き、泣いても勝てないのでお小さいなりに意地を張った。プライドを賭けて排泄を教えない。
トイレトレーニング中ならわざとお漏らしするようなものか。ちょっと違うか。でもプライドを賭けて排泄とは子供って凄いよね。

意地の張り合い(私は張っていないが孫ちゃんのためにこう表現しておく)をしながらも膝から降りない孫ちゃんの排泄は、布オムツなのですぐ判る。

大人ならやけ酒であろう飲み方のカルピスは500mlのボトルなら空かもしれないぐらいはグビグビ飲んでいる。

私とは口もききたくないのに私の膝をしっかり陣取り居場所を確保しつつ、おかわりを要求するのも今だから今だけだと思うと、オムツが濡れたことを認めないことぐらいでは怒る気など起こらない。

私は躾やトレーニングは引き受けていない。

幸い、促してオムツを替える時は暴れず休戦してくれた。大でもなく。大で暴れられたら布団は大惨事だ。

両親でない人と二人きりではある意味“後がない”からこその休戦だと思う。初めて私から粉ミルクを哺乳瓶で渋々でも飲んだあの日と何ら変わらない。

孫ちゃんにとって“親でない人=他人同然”なのだ。
私は孫ちゃんにとってその程度の存在だ。

保育園に行かない日は体力が有り余り、寝ないのも遊びたいのも前回で解った。せめて困らせたくて、けっして寝るとは言わないことも。

今回はオムツ替え以外は居間で過ごしてもいいや。と私も覚悟した。膝の上で眠るまででも付き合うと決めたら、泣くだけ泣いて気が済んだのか今度はご機嫌になり遊びに誘われる。

ひたすらアンパンマンを描かされる。頑張ってばいきんまんも描いてみた。
手遊びの歌を促される。孫ちゃんが歌い出したらどの歌か当てて私が歌い始めたら孫ちゃんは歌うのをやめて手遊びに集中するスタイルだ。
右手がチョキで、左手もチョキならカニさんと、孫ちゃんから目が離せない。私は試されている…ちなみに左手グーならカタツムリと歌わねばならない。

聞き分けない頑固なバーサンにランクダウンから遊びがわかるお友達にランクアップし直した辺りでお眠そうになり布団に落ち着くが、泣いたぐらいでは寝なかった。

孫ちゃんにとって布団は眠る道具ではなく眠気を吸い取るものなのか、ここのところ一度はテンションを上げる。

「ぉえや(お部屋=居間)」と言われたら何度でも戻ればいいや。今回もやはり2回は戻ったろうか。
ようやく寝たのはスマホの灯りのみで音楽を聴きながら、それでもカバーで灯りを隠して怒らせてから。やはり日付が変わっていた。

まあいいや。成長するから意思の疎通が上手くなり、それでも聞き届けられないことを知り機嫌が悪くなり、小さいなりに何らかの折り合いをつけて、こんな成長の仕方は今後も繰り返すだろう。
それに、私は預かりやすいように最初から条件をつけている。次も預かるなら教育は担当しないと。

寝るのが遅かったので、親さんには予め鍵を到着直前に開けておき、ハンバーグを味見している間に紙オムツに替えて着替えもさせると連絡してもおき、寝起きの機嫌は悪かったが親さんも手伝って順調に“手のひらくるーり”してニコニコ帰って行った。

今回も後から“ママパパは最近の口癖”と知らされる…早く言っといてよ、心折れそうだったんですけど私。。

次は明後日、土曜日の夜。

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