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こちらから行く

何十年も前に読んだ、平松伸二先生の「ドーベルマン刑事」を時折、思い出す。

仕事で身動きが取れず弱気になっている時に決まって思い出す。


「ドーベルマン刑事」シリーズの中のコミックス丸々一巻を構成する、確か「沖縄コネクション」という話となる。

沖縄の地で孤立無縁を強いられ、巨大な敵に追い込まれる主人公はいつもの精彩さに欠け、防戦一方となり、打つ手を全く見出せない状況にある。

応援も一切なく、坐して死を待つのみの状況。

追い込まれるところまで追い込まれた主人公の加納(確かこのような名前?)は、死地において逃げ回る自分を客観視し、いつものやり方(信念)を思い出す。


逃げるのではなく、攻める。


道を開きたければ、自分から行くしかないと、最期の最後に気が付くのだ。

米軍基地を襲い、武器弾薬をしこたま装備し、彼はたった一人で反撃の狼煙をあげる。

当時、荒唐無稽だと思えたストーリーは客観的に見れば現在もその通りであろう。


しかしながら、

何よりも、誰よりも、凹んで逃げ回っている自分の頬をビンタする。

躊躇したり、先延ばしにしていても、何も解決しないし、どこにもたどり着けない。

やりたくないし、逃げたいけれども、自分から行くしかない。

そうすれば、

何かの風穴が開き、うまくいけば、答えにたどり着くのかもしれない。

加納に自分自身を重ね、重い逃げ腰をおもむろに上げるのだ。


あぐらをかいて、待ってろよ。

こちらから行く。

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