帝王切開は決して楽じゃない〜18年後の私〜
私には2人の子どもがいて、産む前は当然普通分娩と思っていたのだが、1人目のあわてん坊が私の産道の開き具合を無視して独走したため帝王切開となってしまった。
まあ、なってしまったことは仕方ないし、2人目は安全に産むために必然的に帝王切開となった。この時は、自らの選択でとても清々しかったのを覚えている。
帝王切開も立派なお産である。
私はそんな気持ちで積極的に帝王切開に臨んだ。
ここまではよしとしよう。
さて、問題はいつからかの下痢である。
下痢をするたびに、脂汗がでてのたうちまわり、救急車を呼ぶか迷うレベル。自分の顔なので確かめたことはないがたぶん蒼白になって血圧もやや低下していると思われる。
なんでこんなことが起きるのか、ずっと不思議だったのだが、それに気づいたのが長男を産んで3年ほどしてから。
もしかして、腸が癒着しているのでは?と思った。そりゃ、癒着してるだろ、だって傷口くっついてるんだもの、近くにあるものも一緒にくっついててもおかしくはない。
そして、2人目を産んだ後も同様の現象は続いていた。下痢の時に必ず起こるわけではなく、たぶん、便の塊が栓をして上流の方が下痢の時に起こるようだ。
さて、私は今年の2月にこの歳になって初めての大腸内視鏡検査をした。
この歳って長男はもう18歳だからね、大体で計算してね、アラフィフぐらいってことで。
その時、腸の洗浄液を6人ぐらいのグループで飲み始めて、みんなトイレに行きはじめたのだが、私は前日の10錠の下剤でも朝、お通じが無く、ウォシュレットで刺激してみましょう、っていうあんまり期待できない方法の提案でお茶を濁されていた。案の定、1時間経っても反応はなかった。
そろそろ飲むのも苦しくなって来たところで、看護師さんに相談したところ、お腹に聴診器を当てて様子を看てくださった。腸が全然動いていないとのことでマッサージをしてもらったがそれでも無反応。
その看護師さんが私のお腹を見て
「帝王切開、何回やった?」
と聞いてくれた。
そうだ、帝王切開は病気じゃないから問診票に書いてなかったんだ。これは書かないといけない案件だった!でも気がついてもらえて、私も我慢しないでよかった。
医師に連絡をとってもらい、なんと「グリセリン浣腸」やられました。120mL。見事貫通。そこからは順調。検査も無事終えることができた。腸はとてもきれい。ポリープも憩室もなく。来年からは便潜血だけでいい、とのこと。大腸がんがあって狭窄してたらどうしよう、でも狭窄があってあんな脂汗かいてたら、今頃とっくに進行しているに違いないと思う。
そういうわけで、私の特に直腸あたりはすごく動きが悪いらしい事がここで証明された。もう絶対、下痢なんかしないようにしよう。
そう思っていても、その日は突然来る。
4月のある日やはり突然やってきた。
この日は、完全収束するのに1時間だったからいつもより短かったけれど(いつもはだいたい2時間)、その後、頭が痛くなって寝込んでしまった。こういう時期だから、発熱したり、重度の下痢になったりすると行動が制限され、病院の受診すらままならないのでとても不便だ。
数日間、体調に異変がないことを確認の上、かかりつけの内科(ありがたいことに消化器内科がご専門の先生)へ。
大腸内視鏡検査でのこと、下痢のときに起こる現象について話し、まず日頃の便秘を解消したい事を伝えた。わりとお腹の調子はいい方なのだが、内視鏡検査のきっかけとなったお尻の近くの出来物(結果として粉瘤だった)ができてからトイレに行くのがすっかり怖くなり、便秘が悪化してしまったのであった。
それから、救急車を呼びたくなるほどの腹痛が起こった場合の対処法。これが知りたかった。実は家に1個だけ坐薬があったのだが、勝手な判断で入れて腸が爆発しても困るので、その時は使わなかったが、その坐薬を入れてガスで通り道を作ってあげるといいらしい。もうこれがわかっただけで安心だ。
なんで今までこんな簡単なことに気がつかなかったんだろう。
私、薬剤師なんですけどね……
あー、よかった。
よかったじゃない、それで、話がすごく長くなりましたが、私は18年前に行った帝王切開の影響を今でも引きずっているというわけです。
なんらかの理由があって、帝王切開を選択せざるを得ない妊婦さんもたくさんいます。普通分娩が当たり前で帝王切開が楽なんてことはなく、むしろ、普通分娩で産めるなら、後々のことを考えたら普通分娩の方がきっと体には負担が少ない気がする。
でも、赤ちゃんを安全にこの世に迎えるためにはどうしても帝王切開を選択しなくちゃいけない時もあるんですよね。
帝王切開も立派なお産です。
誰になんと言われても自信を持って、望んでください。後々のこういうのはその時になって考えれば良いです。人からいろいろ言われることもあるでしょう。でも、何を言われても、1人の命を生み落とすって、そんな簡単なことではないのですから、自信を持って!
今日は怖い話を書いてしまいましたが、妊婦さんを脅かすつもりではありません。
ただ私が、こんな後になって、帝王切開が体に及ぼす影響について知る事になったので、これはどこかに書いておかねば!と思った次第です。
誰かの参考になったらうれしいです。