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「ドームはまだ無理」の言葉に救われたドルオタの話

大橋くんが表紙を飾った日経エンタテインメント、インタビューがすごく良くて…まだ話したいことがあるからこっそり書きます。


話したいのは、物議を醸したドームのくだりです。
大橋くんが「まだ無理」だと公言したことで界隈がザワついたけど「無理」とか「無理じゃない」とかの前に、そもそも「やるかどうかを自分たちで判断出来ること」に私はかなりの衝撃を受けました。長くジャニオタされてる方々にはそんなの当たり前でしょ? って呆れられちゃうかもしれないけど。でも昔から女子アイドルを追ってた人間からすると、ありえないんですもん。

そもそも女子アイドルはデビューした時から、もうすでに卒業へのカウントダウンが始まっている……そう断言してもいいくらい、実際にアイドルとしての活動期間は男性アイドルに比べてすごく短いし、グループ自体の存続のための卒業や加入などとにかく新陳代謝が激しいです。(PerfumeやNegiccoなどの例外ももちろんあるけど)
誤解を恐れずに言えば、メンバーのためにグループがあるんじゃなくて、グループのためにメンバーがいるって感覚がどこかにずっとあります。

そして、大きい会場や由緒ある会場でのライブは卒業などの記念碑的セレモニーを行うためにブッキングされることも多く、そこにアイドル自身が観客を熱狂させる自信を持ってパフォーマンス出来るかどうか(=開催するか)は二の次どころか、意思が入る余地自体がないことがほとんどで、そこでやると"大人たち"が決めたからやる。そんな印象です。

そんなのアイドルだったら当たり前だと思ってたけど、大橋くんのインタビュー記事を読んでなにわ男子はそうじゃないんだって驚きました。ちゃんと自分たちのパフォーマンスを見つめた上でドームという次のステップへ進むかを決められる仕組みに驚いたし、エンターテイメントを提供する会社として真摯な向き合い方だと思います。むしろこっちが当たり前であって欲しいくらい。

私が今まで好きになった子達はもうみんなアイドルを辞めてしまっています。人気絶頂のタイミングで卒業した子、人知れずいなくなった子、週刊誌にすっぱ抜かれてなし崩し的に脱退した子、ほんとは卒業したくないんだってこっそり教えてくれた子。どの子も私にとっては間違いなくアイドルだったけど、彼女たちが自分のやりたいことをどれだけ出来ていたんだろう、そこにどれだけ彼女たちの意思があったのだろうって時々思い返しては切なくなる。
いつかいなくなることを前提に応援しないといけないシステムに疲れて、最後の推しの卒業を見守った後「もう二度と女の子のアイドルは推さない」と決めて界隈をそっと離れました。

そんなふうに『アイドルはいなくなるもの』だと思っていたわたしは「ドームはまだ無理」だと本人たち自身が判断したというその事実に救われました。そして、これからも自分たちのことはきちんと自分たちで判断出来る環境だってことに、今、とても安心しています。だって、なにわ男子の輝きは少なくともこの一瞬のものではないのだと信じられるからです。グループの在り方を長い目で見ているからこそ、今ドームを選ばなかった。ずっと見てきた人からしたら選ばなかったデメリットがあるのかもしれないけど、それでもわたしはこの判断を支持したいし、ドームでライブをするその日がより楽しみになりました。

物事に永遠なんてないし、「絶対アイドル辞めないで」とは言えないけど、少なくとも何らかの選択を彼らがした時にその判断を尊重していいんだと思える。

それがわたしはとてもうれしいのです。

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