アルミとステンレス
先日編集部メンバーで展示会に行った際にメンバーから聞かれた質問にちゃんと回答できていなかったので、こちらで回答します。
「アルミとステンレスってどう違うんですか?」
どちらも錆びにくい金属素材ということで知られています。
ステンレスは鉄とクロムの合金
「ステンレス協会」のホームページに定義が記載されています。
身近な用途としては、スプーンやフォークといったカトラリーによく使われている素材です。錆びにくく、金属光沢も綺麗です。ステンレスの鍋、システムキッチンの流し(シンク)、レンジフードなどキッチン周りにはよく使われています。レストランなどの厨房の冷蔵庫の筐体もステンレス製が多いと思います。製造業ビール愛好会の方々にとっては、生ビールを配送する時に使っているビール樽もステンレス製ですので有名かもしれません。
建築材料としてもよくつかわれており、有名なところでは東京ビッグサイトの天井にはステンレスが使われています。医療現場でのメスやハサミなどの医療器具もステンレス製が多いようです。
アルミは非鉄金属
アルミニウム鉄ではありません(当たり前ですが)。原子番号13の元素です。アルミニウムを略してアルミと呼んでいます。
身近な用途としては、硬貨の1円玉、家庭のアルミサッシ、キッチンで使うアルミホイル、缶ビールのアルミ缶、そして最近の鉄道車両の車体はアルミ製です。東海道新幹線の車体はアルミ合金でできています。なんと硬貨1円玉は純度100%のアルミニウムが使われているそうです。
錆びにくいこともありますが、鉄に比べて軽いことが大きな特徴です。熱伝導性もよいので鍋にも向いています。その特徴を活かしてキャンプ道具やBBQ道具にはよく使われていますよね。
比重を比べると、アルミはステンレスに比べて1/3の軽さです。
「ジュラルミン」という金属もありますが、これはアルミの一種です。現金輸送するときに使うカバンなどに使われています(ジュラルミンと名乗っていても実際にはジュラルミンじゃなくアルミA5052だったりすることもあります)
ステンレスは素材そのままで金属光沢があり塗装などしなくてもそのまま使えますが、アルミは素材そのままだとマットな感じで光沢はありません。そこで、耐食性や耐摩耗性を増しつつ見た目もよくできる「アルマイト処理」という処理を行うこともあります。
また、一般にアルミは溶接しにくいと言われています。ここからはどなたか溶接の専門の方に解説いただきたいのですが、そんなアルミも溶接できる技術があったりします。
なお、ステンレス溶接による自社製品を開発されたハタノ製作所さんを取材していますのでこちらもご覧ください。
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