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探究 - PUBLIC DESIGN LAB.

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公共とサービスデザインに関する調査、研究、論考を紹介します。
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2020年10月の記事一覧

あたらしい公共をつくる、あたらしいつながりをつくる

2014年のある日、少し気分を変えたくなり、当時住んでいた高田馬場のマンション近くの公園へ行った。小さな滑り台やブランコ、公衆トイレ、ちょっとした広場、コンクリート製の一人がけのスツールがいくつか、あと桜の樹が一本あるだけで、ボール遊びや花火を禁止する立て看板が立っている。ふと「ここでぼくはどう過ごせばよいのだろう」と感じた。子どものためのもの? でもぼくも一人の納税者だ。ぼくのための居場所はどこにある? 見回すと何人かの男がコンクリート製の一人がけのスツールに座り静かに前を

ぼくらがPUBLIC DESIGN LAB.に取り組む理由

2014年に、公共におけるサービスデザインの可能性を探究する【PUBLIC DESIGN LAB.(PUB. LAB.)】というチームを、同僚である小山田那由他さんと一緒に立ち上げ、以来、いくつもの調査研究やプロジェクトを実践してきた。当時と比べると、サービスデザインに対する世間の注目度はかなり高まってきている。現在、サービスデザインは、行政のDX推進において、公共サービスの体験を利用者視点で改善し、それに伴う業務改革(BPR)を実現するためのアプローチとして、その重要性が認