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2024Pre特級 公式伴奏者インタビュー

8月6日に行われたPre特級三次予選で、ピアノ協奏曲のオーケストラパートを演奏してくださった公式伴奏者の片山柊先生、加藤大樹先生、北村明日人先生。歴代の特級入賞者である先生方が、素晴らしい演奏で出場者たちと協演してくださいました。
終演後先生方にインタビューをさせていただき、全国大会への出場を決めた8人についての印象、そして全国大会での聴きどころについてお話していただきました。
今回は、全国大会出場者について、先生方のインタビューの中から内容を抜粋してお届けしたいと思います。


片山柊先生インタビュー

土田裕利さんについて

協奏曲の演奏について
「楽譜に書いてあることはもちろん実現されていて、その中にオーソドックスな解釈からは少し離れた『土田さんらしさ』が個性として光っていたことが印象に残っています。」

【土田裕利さん 全国大会演奏曲目】
ヘンデル/組曲 HWV434 より「プレリュード」「ソナタ」
ベートーヴェン/ピアノソナタ第30番 ホ長調 Op.109
スクリャービン/ピアノソナタ第10番 Op.70

全国大会について
「ベートーヴェン、スクリャービンという二人の作曲家の、形式から外れたような独創性のあるソナタに、土田さんの表現力が存分に発揮されると思います。」

稲沢朋華さんについて

協奏曲の演奏について
「ご自身のビジョンがしっかりとある方で、こういう風に演奏したいという思いを言葉からも演奏からも感じたので、私もそこに応えるアンサンブルを目指しました。」

【稲沢朋華さん 全国大会演奏曲目】
J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集第2巻 第20番 イ短調 BWV889
シューベルト/ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D.960

全国大会について
「シューベルトのソナタ21番という選曲がすごく勇気のあるものだと思いますが、趣のある作品をたっぷりと聴かせてくれるんじゃないかと期待しています。」

加藤大樹先生インタビュー

高見真智人さんについて


協奏曲の演奏について
「自分の意見をしっかりと持っている方で、色々と会話をしながらリハーサルを進めましたし、短い時間の中で回を重ねるごとにいい演奏になっていったなという印象があります。」

【高見真智人さん 全国大会演奏曲目】
J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集第2巻 第1番 ハ長調 BWV870
リスト/死の舞踏(「怒りの日」によるパラフレーズ) S.525
三善晃/ピアノソナタ

全国大会について
「死の舞踏という難曲、そして三善晃さんのピアノソナタという素晴らしい名曲を演奏されるということで、作品それ自体も楽しんでいただけるとよいのではないかと思います。」

長谷川祐音さんについて

協奏曲の演奏について
「長谷川さんはお若いながらにとても音楽的に成熟した部分があって、リハーサルも安心して演奏することができ、私自身も楽しかったです。」

【長谷川祐音さん 全国大会演奏曲目】
ハイドン/幻想曲(カプリッチョ)ハ長調 Hob.XVII:4
シューマン/交響的練習曲 Op.13(遺作付)

全国大会について
「ハイドンのファンタジーはなかなか渋い選曲だと感じましたがとてもハイドンらしい作品です。大曲かつ難曲であるシューマンの交響的練習曲も合わせて、それぞれの作品の魅力を存分に表現されると思います。」

柴田陽人さんについて

協奏曲の演奏について
「性格は優しそうな雰囲気でしたが演奏はとてもエネルギッシュで、ラフマニノフの3番という大曲を見事に弾き切りました。隣で弾いていてとても楽しかったです。」

【柴田陽人さん 全国大会演奏曲目】
W.A.モーツァルト/サリエーリの歌劇「ヴェネツィアの定期市」のアリア「わがいとしのアドーネ」による6つの変奏曲 ト長調 K.180
リスト/「ドン・ジョバンニ」の回想 S.418
チャイコフスキー/18の小品 Op.72 より「瞑想曲」ニ長調 Op.72-5
バルトーク/戸外にて Sz.81

全国大会について
「モーツァルトの変奏曲と、モーツァルトをテーマにしたリストの作品、そこから一転してチャイコフスキーの美しい小品を挟みバルトークへつながるというドラマティックで魅力的なステージになると思います。」

北村明日人先生インタビュー

島田瑚子さんについて

協奏曲の演奏について
「合わせの段階からアンサンブルが上手でよく聴けているなと感じましたし、経験を演奏に生かす努力も見えました。すごく重厚感のあるコンチェルトになったと思います。」

【島田瑚子さん 全国大会演奏曲目】
J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻 第15番 ト長調 BWV860
ショパン/ノクターン第3番 ロ長調 Op.9-3
ショパン/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 Op.22
ラヴェル/ラ・ヴァルス

全国大会について
「今回は積み重ねが見えるしっかりと構成されたショパンを聴かせてくれたので、少し道を逸れて、不真面目さ・遊び心のある演奏が聴けるとすごく楽しいかなと思います。」

天野薫さんについて

協奏曲の演奏について
「受け答えがしっかりされていて、本当に小学生なの?というくらいでした。こちらの言うこともすごく吸収してくれましたし、本番も緊張の中で伴奏に良く耳を傾けてくれました。」

【天野薫さん 全国大会演奏曲目】
J.S.バッハ/パルティータ第4番 ニ長調 BWV828
W.A.モーツァルト/ピアノソナタ第10番 ハ長調 K.330
カプースチン/8つの演奏会用エチュード より 「思い出」Op.40-4、「フィナーレ」Op.40-8

全国大会について
「音が軽やかで柔らかいピアニストだと思ったので、バッハやモーツァルトはそれが生きると思いますし、カプースチンはどんな風に演奏するか全く想像ができなくてとても楽しみです。」

加藤皓介さんについて

協奏曲の演奏について
「初めから「こう弾きます!」というのがブレなくて、皇帝という選曲もそれに合っていました。自分が主役でいながら、それでいて真摯な演奏で心地よかったです。」

【加藤皓介さん 全国大会演奏曲目】
J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻 第21番 変ロ長調 BWV866
ショパン/ピアノソナタ第3番 ロ短調 Op.58
メシアン/「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より「喜びの聖霊のまなざし」

全国大会について
「今回はドイツものをドイツらしく弾いていたので、ショパンやメシアンを演奏する際にまた違う面が見られるんじゃないかなという風に思います。」


今回は8名のPre特級全国大会出場者について、公式伴奏者の片山柊先生、加藤大樹先生、北村明日人先生にお話を伺いました。的確で温かい素敵なインタビューをありがとうございました!

Pre特級全国大会は8/19(月)に第一生命ホールで行われます。 当日はライブ配信がございます。
今年からさらにパワーアップして「特級」への道をつなぐPre特級。マスタークラスやピアノ伴奏コンチェルトの三次などを経て、いよいよ8人の若きファイナリストが揃いました。キラリと光る才能をいち早く見つけてください。 若きピアニストたちの熱演にご注目ください。 

2024Pre特級全国大会進出者と出演スケジュール・配信予定 | コンペティション (piano.or.jp)


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