ギランバレー症候群【国家試験対策】
イントロダクション
ギランバレー症候群(GBS)は、突然発症する末梢神経の障害であり、自己免疫疾患と関連しています。急速な進行と様々な症状が特徴的なこの症候群は、適切な理解と対応が必要です。
病因とタイプ
GBSは通常、感染症(上気道感染、下痢症)に続いて発症します。この症候群には二つの主要なタイプがあります:脱髄型と軸索型です。日本では軸索型の発症率が欧米に比べて高く、これは脱髄型よりも予後が悪い傾向にあります。
症状の概要
末梢神経症状:GBSの典型的な症状は、四肢の末端から始まり、両側性に広がります。深部腱反射の低下・消失
感覚障害と運動障害:感覚障害は運動障害に比べて軽度ですが、手袋靴下型のしびれや痛みなどの感覚以上を呈する
自律神経障害:頻脈、不整脈、高血圧、起立性低血圧。
呼吸筋麻痺:重篤な場合、呼吸困難を引き起こす可能性があります。
球麻痺と顔面神経麻痺:嚥下困難や表情の変化を引き起こす可能性があります。
病気の進行と経過
GBSは通常、先行感染の後に発症し、1~3週間で末梢神経障害が顕著になります。症状は約4週間でピークに達し、その後は自然回復が始まります。多発性硬化症は緩解と増悪を繰り返す多相性の経過だが、ギランバレーは進行性の単相性の経過をたどる。
診断
GBSの診断において重要なのは髄液所見です。ここで見られる「蛋白細胞解離」は、タンパク質が増加しているにもかかわらず、細胞数は増加しないという特徴があります。発症2-3週間後にみられる。
治療方法
GBSの主な治療方法は免疫グロブリンの大量投与です。重要な点として、ステロイドパルス療法はGBSの治療には用いられません。
理学療法においては高負荷反復運動は過用につながるため、低負荷反復運動にとどめる
結論と注意点
GBSは時に重篤な症状を引き起こす可能性がありますが、適切な治療とケアにより多くの患者は回復します。特に理学療法国家試験では、GBSと多発性硬化症とを合わせて脱髄疾患として扱い、毎年1問は必出となっているので押さえておきましょう。
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