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知っておきたい!「膝関節疾患」評価まとめ

運動器疾患を担当するセラピストであれば、必ず臨床上で遭遇するであろう「膝関節疾患」。LOCO LAB.では過去に膝関節疾患について配信してきましたが、様々な病態や症状を捉えるために多くの評価方法があります。

これまでにLOCO LAB.ライターメンバーが配信した膝関節疾患関連の記事は、現在のところ全部で16記事あります。

様々な膝関節疾患ごとに評価・治療の違いは勿論ありますが、今までLOCO LAB.にて配信してきたそれぞれの記事で膝関節機能改善を図るために共通したポイントやキーワードが挙げられています。

膝関節機能(局所)としては

Ⅰ.「疼痛部位・圧痛所見」
Ⅱ.「FT・PF関節アライメント」

Ⅲ.「Screw Home Movement(SHM)膝蓋骨トラッキング」
Ⅳ.「膝関節の屈曲拘縮」

患部外の機能(全体)としては

「KAMの制御」
「Knee in toe out/Knee out toe in」
「上半身・下半身質量中心位置」

共通したキーワードについては下記の記事で詳しく解説していますのでご覧下さい!

膝関節疾患と一概に言っても疾患や病態は様々あり、それぞれの状態をしっかりと把握しその要因を紐解いていく必要があります。

その要因は膝関節自体の問題なのか?
それともその他の関節や動きの影響によるメカニカルストレスが問題なのか?
それらをしっかりと判別するためにも各種の評価を組み合わせて複合的、多角的にみていくことが重要となります。

そこで本記事では、膝関節疾患に対する評価のまとめとして膝関節に対する局所的評価他関節からみた膝関節の評価の2つに分けてそれぞれ解説していきたいと思います。

1.膝関節に対する局所的評価

○疼痛評価

痛みは痛覚神経や痛覚の受容体である自由神経終末が存在するところで生じます。
膝関節でそれらがあるところは以下の組織です。

どの疾患においても疼痛を引き起こしている組織をある程度判別した上で、そこにどのようなストレスが生じているのかを考え治療しなければなりません。

そして疼痛でみるポイントは3つ
①いつ痛いか
②どこが痛いか
③どうすると痛いか

①いつ痛いか

関節における疼痛で重要なことは炎症性か、非炎症性かです。そしてポイントはいつ痛いかです。

このようにいつ、どのくらいの時間痛いかを把握することにより病期を適切に判断し、治療介入することが可能になります。

②どこが痛いか

次のポイントはどこが痛いかです。
膝関節の場合、圧痛も重要な評価ポイントです。

疼痛部位による病態の判別は、治療をすすめる上でストレス要因や炎症部位を明確にしていく為に重要です。

③どうすると痛いか

上記で自発痛や圧痛の有無を確認し、ある程度疼痛の部位を把握したら、今度はそこにどんなストレスが生じた時に疼痛が生じるかをみます。
膝関節で主に生じるストレスは「伸張ストレス」もしくは「圧縮ストレス」です。

例えば膝内側部での疼痛が生じる部位であれば伸張ストレス・圧縮ストレスの違いにより大きく分けて4つに分かれます。

これらのストレスを徒手的に再現し、圧痛が生じている部位で再現痛が見られるとある程度正確な疼痛部位の推測がたてられます。また動作時や運動にて疼痛が生じる場合は、その動作を行ってもらい、どのようなメカニカルストレスが強まるかで痛みが生じているかを確認します。

○整形外科的テスト

疼痛や圧痛を確認後は、さらに整形外科的テストを用いてどの組織による痛みなのかをさらに精査していきます。

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