恩師の言葉より

 芸術とは、感情や心情、思想などの表現の多様性、其のものであると考える。概ね、芸術の生まれる動機は自己表現だろう。

 其れ故、芸術には「人間」と、「意志」と「現実」が必ず内包されている。

 とりわけ、文学では其れが顕著に見て取れると感じる。

 高校時代の恩師から賜り、今でも心に生き続ける言葉として、「文学は、人間の存在証明だ」というものがある。

 人間が、意志を持ち、現実を生きた証明として、文を綴っていく。其れが文学だ。だから、文章に触れることは、其の作者との対話をすることに等しい。

 文章を書く時、常に恩師の言葉が想起され、こう思う。

 「今、たしかに、生きている。今まで、たしかに、生きてきた」

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