理想

 理想を語る時、二種類に大別される。

 ひとつは、相手を魅了する理想語り。もうひとつは、自身が魅了された理想がたり。

 

前者は「私もこの人に着いて行きたい」と思わせることが出来る。後者は「俺に着いてこい」と思っている。

内容の差は単純に、具体的かどうか。


「私はAという理想を抱いている。実際にBという行動をしてCという結果が出た。このまま進んで行けば辿り着けるはずだ」という論調と、

「私はAという理想を抱いている。私はAという理想を抱いている。私はAという理想を抱いている」という論調。


どちらに中身があって、どちらに着いて行きたいか。どちらが説得力を持つか。どちらが芯の強い理想なのか。一目瞭然だ。

 しかし、後者の理想は、日本の社会の体質に非常によく馴染んでしまっている。

 だから常々、「アロエに向かって語ってろ」と考えながら、聞き流して相槌を打つ。

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