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「日本PTA史」著者: PTA史研究会 編


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「日本PTA史」

第一章 原理を読みすすめたところで、コーヒー吹きそうになった。

日本の学校で、同一の子どもを通わせているからといって、一体誰がどのようにして、PTA結成を呼び掛け得るというのか。既に多くの学校に、後援会または類似の組織は存立するが、これをさしおいて、新組織の結成を発言できる者が現れ得るというのであろうか。下から盛り上る力でというけれども、日本の国土に下から盛り上る力など、永久に存在しない。

完!と言いたくなりますが、

第一章のさわりです。

面白いです。何も変わらず、むしろ現代における問題が増えている。

古い組織をそのまま温存して、これを民主的な集団に変えていくためには、集団のメンバー一人残らずが徹底的に民主人となっていなくてはならない。一体どこで、そのような民主人としての洗脳が行い得るというのであろうか。「父親も母親も一緒になって」というけれども、一緒になるとはどちらかが人間であることを廃業して、他の者の「影」のような存在になることでしかなかった日本の社会を正しく把握している言葉であろうか。民主主義というものは、それが素晴らしいものであるという講演を百万べん聞いても、それで達成できるものではない。


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日本のPTAのニセモノ性


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占領軍資料にみる日本へのPTAの導入過程


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全国組織結成をめぐって

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新しいPTAは古い後援会とほとんど変わっていない。変わったのは名前だけである。建設的な事業を実施しているPTAは比較的少ない。議事進行法によって会合を指導しているPTAはさらに少ない。ボスに支配されているPTAもある。多くは、まだ純粋に自主的な団体ではない。PTAは、教員団体・行政・政治的なグループの道具になるべきではない。行政が、どんなレベルにしろPTAの連合体を後援することは避けなければならない。補助金も行政による統制もしてはならない。最近、PTA連合会設立の議論がある。PTAの目標に到達せず、民主的な手続きにも従っていないような満足のいかない地域のPTAグループが連合しても、満足のいかない連合体にしかならないだろう。現在、PTAの目標を提起し、活動のチェックをさせている。地域のPTAが育成され、この目標に到達するまで、連合体は結成されるべきではない。結局は、何らかの形の連合体が日本に設立されるであろう。しかし、多大な研究と議論が必要である。連合体は下からつくられるべきである。





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PTAの歴史 


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学校教育に目を向かせないためのPTA研修会「家庭教育」

金を出さないPTAは口も出すなという風潮が生まれ学校教育の中身に目を向かせないで「家庭教育」がPTA研修会の主要課題になっていったのもこのころであった。



混迷するPTA

子どもの幸福を図ることを目的とし、教育の民主化という理念を掲げて結成されたPTAの長い間の混迷の理由は、発足時にすでに存在していた。

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小尾通達以後

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学校別 PTA支出一覧表


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PTA役員から政界への進出状況


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教職員の運動とPTA


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当時、兵庫県教職員組合教宣部長真殿富男氏は月刊誌『社会教育』1969年10月号でその意図するものを「” 子どもたちに明るい未来を”-PTAを解散、改組し、新しい『父母と教師の会』へ」として述べている。その要点として、
(1)発足と同時にあった欠陥は天下り式にPTAが誕生した点にあったこと。
(2)PTAをゆがめる連合体が、文部省、県教委と結び付き、単位PTAはその施策の下請けをさせられていること。
(3)克服できない後援会的性格
(4)一部の「ボス」や有力者がPTAと学校にけじめをつけず、PTAが学校教育の腐敗、堕落の温床となっていること。
(5)地域における子どもを取り巻く諸状況にほとんどのPTAが立ち上がらないこと。
(6)教育運動が組織されないこと。


PTA事始め強制的にPTAを作れというものではなかった

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役員の資格


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日本PTA全国協議会会則案

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団体関係資料

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マスコミ関係

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通称 小尾通達 関係


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江原小学校の校舎改築問題

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PTA年表

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自民党「日本PTA協会(仮称)案」

日本PTA協会第一回総会

財団法人全国PTA協会設立

東京都中学校PTA協議会「全国PTA協会はPTAと異質」と声明、脱退

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文部省主催第一回「家庭教育研修集会」

姫路市小中学校連合育友会、経理実態調査を実施

姫路市長「四ヶ年計画でPTA負担を解消する」と公約

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兵庫県教組、PTAの解散を決議

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江原小PTA反対推進委員会設置

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文部省、PTA活動促進のため、地域活動費補助事業の中にPTAと自治体が協力して行う事業に補助金支出開始

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子どもの自殺相次ぐ

中学校校内暴力増加

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PTA史研究会のあゆみ あとがき

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若い人々の奮起を願いつつあとがきにしたいということですが、

現実は、違法、強制、非加入者差別、日Pは公益財団法人になり補助金の統制をうけ、政治利用、文科省の下請け状態と、さらに悪化し社会問題となっている。



「日本PTA史」書籍情報・目次


タイトル: 日本PTA史
著者: PTA史研究会 編
著者標目: PTA史研究会
シリーズ名: 学術叢書
出版地(国名コード): JP
出版地: 東京
出版社: 日本図書センター
出版年月日等: 2004.10
大きさ、容量等: 866p ; 22cm
注記: 文献あり
価格: 9400円
JP番号: 20702109
部分タイトル 原理 PTA導入期の問題性 / 三井為友 著
部分タイトル 占領下におけるPTAの地域への定着過程 / 杉村房彦 著
部分タイトル 占領軍資料にみる日本へのPTAの導入過程 / 井上恵美子 著
部分タイトル PTAが教育行政に及ぼした影響 / 横山宏 著
部分タイトル 学校教育の発展とPTA / 後藤重三郎 著
部分タイトル PTAをどう受けとめたか / 藤田博 著
部分タイトル 歴史 初期PTA / 岡田忠男 著
部分タイトル PTAに対する指導・干渉 / 藤田秀雄 著
部分タイトル 七〇年代の教育権の主張 / 荒井文昭, 西村文夫 著
部分タイトル PTAの混迷の中で / 荒井文昭 著
部分タイトル 各論 (事例) 地域教育計画づくり / 上杉孝實 著
部分タイトル 学校後援費全廃へのあゆみ / 西村文夫 著
部分タイトル 会費からPTAをみる / 山口富造 著
部分タイトル 学校施設開放から学校開放へ / 木全力夫 著
部分タイトル 校庭開放から学校開放へ / 上田幸夫 著
部分タイトル 共同の力の形成を目指す青少年団体 / 上田幸夫 著
部分タイトル 教育運動とのかかわり / 小林繁 ほか著
部分タイトル PTAの現状 日本PTA全国協議会 / 山本耿 著
部分タイトル 学校週五日制に関する日本PTA全国協議会の提言 / 山本耿 著
部分タイトル 七〇年代以後のPTA設立運動 / 後藤重三郎 著
部分タイトル 「地域教育会議」にみるPTA / 荒井文昭 著
出版年(W3CDTF): 2004
件名(キーワード): P. T. A.--歴史--1945-
NDLC: FC16
NDC(9版): 374.6 : 学校経営・管理.学校保健
対象利用者: 一般
資料の種別: 図書
目次: 日本PTA史
目次: 目次
目次: 「日本PTA史」序文 横山宏 9
目次: 第一章 原理
目次: 第一章 第一節 PTA導入期の問題性 三井為友 15
目次: 第一章 第二節 占領下におけるPTAの地域への定着過程 杉村房彦 35
目次: 第一章 第三節 占領軍資料にみる日本へのPTAの導入過程 井上恵美子 59
目次: 第一章 第四節 PTAが教育行政に及ぼした影響 横山宏 95
目次: 第一章 第五節 学校教育の発展とPTA-母親の教育参加 後藤重三郎 113
目次: 第一章 第六節 PTAをどう受けとめたか-行政・教師・父母の対応 藤田博 131
目次: 第二章 歴史
目次: 第二章 第一節 初期PTA 岡田忠男 149
目次: 第二章 第二節 PTAに対する指導・干渉 藤田秀雄 163
目次: 第二章 第三節 七〇年代の教育権の主張 荒井文昭,西村文夫 173
目次: 第二章 第四節 PTAの混迷の中で 荒井文昭 192
目次: 第三章 各論(事例)
目次: 第三章 第一節 地域教育計画づくり-京都府北桑田の事例 上杉孝実 203
目次: 第三章 第二節 学校後援費全廃へのあゆみ 西村文夫 212
目次: 第三章 第三節 会費からPTAをみる 山口富造 219
目次: 第三章 第四節 学校施設開放から学校開放へ 木全力夫 225
目次: 第三章 第五節 校庭開放から学校開放へ 上田幸夫 235
目次: 第三章 第六節 共同の力の形成を目指す青少年団体 上田幸夫 245
目次: 第三章 第七節 教育運動とのかかわり
目次: 第三章 第七節 高校増設と希望者全入運動 小林繁 259
目次: 第三章 第七節 教職員の運動とPTA 藤田博 267
目次: 第三章 第七節 障害者の教育運動とPTA 藤田博 273
目次: 第三章 第七節 単位PTAと連合PTAの民主化 西村文夫 284
目次: 第三章 第七節 地域の民主化とPTA 荒井文昭 296
目次: 第三章 第七節 母親大会・子どもを守る会の中で 藤田博 303
目次: 第四章 PTAの現状
目次: 第四章 第一節 日本PTA全国協議会 山本耿 309
目次: 第四章 第二節 学校週五日制に関する日本PTA全国協議会の提言 山本耿 324
目次: 第四章 第三節 七〇年代以後のPTA設立運動 後藤重三郎 336
目次: 第四章 第四節 「地域教育会議」にみるPTA 荒井文昭 346
目次: 第五章 資料編
目次: 第五章 一 行政関係資料 358
目次: 第五章 一 (1) 文部省
目次: 第五章 一 (1) -通達・通知-
目次: 第五章 一 (1) (資料1) 学校後援会父兄会又はこれに類似する団体に関する件 358
目次: 第五章 一 (1) (資料2) 父母と先生の会-教育民主化の手引- 359
目次: 第五章 一 (1) (資料3) 地方における社会教育団体の組織について 373
目次: 第五章 一 (1) (資料4) 一九四八年の第一次参考規約および訂正意見 375
目次: 第五章 一 (1) (資料5) 社会教育関係団体と教育委員会との関係について 387
目次: 第五章 一 (1) (資料6) 小学校「父母と先生の会」(PTA)参考規約および分科審議会委員会名簿 390
目次: 第五章 一 (1) (資料7) 講習会・研修会等 400
目次: 第五章 一 (1) (資料8) 教育費に対する住民の税外負担の解消について 407
目次: 第五章 一 (1) (資料9) 社会教育審議会報告「父母と先生の会のあり方について」の送付について 409
目次: 第五章 一 (1) (資料10) 優良PTAの表彰 413
目次: 第五章 一 (1) -参考資料-
目次: 第五章 一 (1) (資料1) 社会教育通信 第三号 418
目次: 第五章 一 (1) (資料2) 「『父母と先生の会』委員会について」および省議 420
目次: 第五章 一 (1) (資料3) 昭利二十三年四月十五日現在のPTA実態調査報告 427
目次: 第五章 一 (1) (資料4) 日本におけるPTA運動の歩み(文部省社会教育局) 433
目次: 第五章 一 (1) (資料5) PTAについて社会教育の現状-社会教育研究大会参考資料(昭和二十六年六月文部省社会教育局) 447
目次: 第五章 一 (1) (資料6) 昭和二十七年度 社会教育の現状(文部省社会教育局) 456
目次: 第五章 一 (1) (資料7) 昭和二十八年度 社会教育の現状(文部省社会教育局) 469
目次: 第五章 一 (1) (資料8) 社会教育の展望 一九五四年の現状(支部省社会教育局) 482
目次: 第五章 一 (1) (資料9) 社会教育研究資料-PTAの概況-(昭和三十一年六月 文部省社会教育局) 501
目次: 第五章 一 (1) (資料10) P.T.A.参考資料 一九五七年(支部省社会教育局) 565
目次: 第五章 一 (1) (資料11) PTA事始め 寺中作雄 585
目次: 第五章 一 (2) 占領軍関係(国立国会図書館憲政資料室所蔵のもの)
目次: 第五章 一 (2) (資料1) 父兄会 Parent-Teacher's Associatiom 592
目次: 第五章 一 (2) (資料2) 育友会発足のしかた 596
目次: 第五章 一 (2) (資料3) なぜ育友会は戦後の日本に必要か 600
目次: 第五章 一 (2) (資料4) 両親と教師の会 仮称育友会規約及附則 603
目次: 第五章 一 (2) (資料5) 育友会のプログラムのたて方 609
目次: 第五章 一 (2) (資料6) CHARACTERISTIC OF THE OLD AND NEW ORGANIZATION 621
目次: 第五章 二 団体関係資料 623
目次: 第五章 二 (資料1) 日本PTA協議会 623
目次: 第五章 二 (資料2) 教育父母会議 709
目次: 第五章 二 (資料3) 日本教職員組合 717
目次: 第五章 二 (資料4) マスコミ関係 721
目次: 第五章 二 (資料5) その他 733
目次: 第五章 三 年表 784
目次: 第五章 四 関係論文・図書 812
目次: PTA史研究会のあゆみ 864
目次: あとがき 865
言語(ISO639-2形式): jpn : 日本語





今も続くPTA問題。政治利用され問題はさらに悪化しています。



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