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運動指導者を目指す人のための「使える機能解剖学」〜肩甲帯編

こんにちは!パーソナルトレーナーをしております町田晋一です。

運動指導者を目指す方に向けて前回からスタートした「使える機能解剖学」。

ここでは機能解剖学の知識を、運動指導の現場で使えるものにしていくことを目指していきます。

2回めの今回は「肩甲帯」についてお伝えします。

1.肩甲帯を構成する「2つの骨」と「3つの関節」

肩甲帯は肩甲骨と鎖骨によって構成されており、「胸鎖関節」と「肩鎖関節」、そして「肩甲胸郭関節」の3つの関節が存在します。

この3つの関節の中で肩甲胸郭関節は、普通の関節とは異なり靭帯を持たない関節で、筋肉によって支えられているのが特徴です。また、その動きは胸鎖関節と肩鎖関節に依存していると言われています。例えば肩甲胸郭関節の挙上動作は、胸鎖関節が挙上し肩鎖関節が下方回旋することで生じます。

2.肩甲帯の動き

肩甲胸郭関節の動きは肩甲骨の動きと言え、更にそれは肩甲帯の動きと言い換えることができます。

ここで肩甲帯の6つの動きとそれに関与する筋肉についてまとめておきます。

・挙上 (僧帽筋上部線維、肩甲挙筋、菱形筋) - 下制(僧帽筋下部線維、小胸筋)

・内転(僧帽筋中部線維、菱形筋) - 外転(前鋸筋、小胸筋)

・上方回旋(僧帽筋上部線維、僧帽筋下部線維、前鋸筋) -下方回旋(肩甲挙筋、菱形筋、小胸筋)

※「挙上」と「上方回旋」の違いは、前者は肩甲骨そのものが上方へ動くのに対して、後者は肩甲骨下角が外側上方へ向かって動くことを言います。

肩甲帯の動きは肩関節のそれと連動することで、腕の自由な動きが可能になります。

腕を真上に上げた肩180度外転位では、肩関節(肩甲上腕関節)が120度外転し、残りの60度は肩甲胸郭関節の上方回旋によるものと言われています。このように肩外転動作は、肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節が2:1の割合で動くことを「肩甲上腕リズム」と言います。

3.なぜ肩甲帯のトレーニングが必要なのか?

運動指導者は、肩甲帯へのトレーニングを指導することも必要です。

ところでなぜ肩甲帯のトレーニングが必要となるのでしょうか。

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