天はエモの上にエモを作らず、エモの下にエモを作らず。
マーダーミステリーでは二度目のnote作成です。みなさんニドメマシテ、SWAN DIVEというマーダーミステリーレーベルのpsyka(さいか)といいます。業界的には2月にお店(駒込ガレージ)をオープンしたばかり&作品もオリジナル1作という状況の新参者です。お見知りおきを。これを出している頃は、多分2作目のテストプレイをしている頃です。
さて、どなたでも見ることのできるnoteにおいて、まずはマーダーミステリーって何?という方も多々いるとは思うのですが、さすがにタイトルにいれている事を考えると、わからない人は見ないような気がしますが、もしマーダーミステリーがなんぞや?という方はこちらの記事を見ていただければと思います。
はい、前回までのコピー&ペーストで文字数を稼いだところで今回のテーマは「エモい」です。
そもそもエモいとは
最近のマーダーミステリーゲームにおけるシナリオでは、その作品を評価する時に「エモい」と評することが散見されます。エモいとは「エモーショナル」や「エモーション」に端を発する造語です。正確な意味は存在せず感情に対して訴えかけるものがあることを指していると思われます。ようは受け取り方は言い出した方ごとに微妙に異なるものです。
エモい(Wikipediaより抜粋)
感情が揺さぶられたときや、気持ちをストレートに表現できないとき、「哀愁を帯びた様」、「趣がある」「グッとくる」などに用いられる。
エモい=泣ける?
マーダーミステリーでは、不思議と「泣ける話」が「エモい話」のような定義にしている方が散見されます。まあ、それもエモいの側面ではありますので間違ってはいないんですが、そうしちゃうと「エモくなければマーダーミステリーじゃない」とか「エモいはマーダーミステリーにはいらない」みたいな論調に展開し、そもそものエモはオイテケボリになるような気がしています。
個人的に感情に対して刺激を与えてくれる作品という、もっと広範な意味で使いたい気持ちがあります。まあ、それは自分の話ではありますが。なので、私が作品を評価する時に「エモい」と言っていても、それは泣ける話ではないということです。
私の感覚では「エモい」は「ヤバい」に似ています。ヤバいもヤバいくらい広範な意味を有しています。褒めるヤバいから、危ないヤバいまで、ちょっと意味の振り幅が広すぎてヤバいですよね。エモいもそういう意味合いを持っていて、単純な他の形容詞と直結するような捉え方はちょっとつまらないというか、意味が違うじゃん?と思うわけです。そもそも泣ける話なら、「この作品は泣けます!」でいいわけで、わざわざ「エモい」と提示する必要がないわけです。
エモいシナリオは紐解くと2つのパターンが
昨今の日本のマーダーミステリー界隈にはエモいと言われるシナリオが多数存在しますが、知り得る情報の範囲で見ていくと、どうやら2種類のエモいが存在しているようです。具体的な作品名は伏せさせていただきますが、
1)シナリオそのものがエモい
2)特定のキャラクターがエモい
です。1はシナリオそのものがエンディングもしくはその過程においてエモい表現や作り込みがされています。これは物語全体のエモさであり、プレイヤー全員が共有するものです。そのストーリーラインからエモを感じるかどうかは人それぞれではありますが。
2は感想から読み取れるのですが、特定のキャラクターにエモいストーリーラインが存在し、これをもって「◎◎はエモいシナリオ」的感想がでまわっています。実際のところ、これはこのキャラクターをやった人、もしくはプレイライン上でこのキャラクターがフューチャーされている。もしくは感想戦などでピックアップされていることで発生しています。なので、このエモがピックされていない回に参加したプレイヤーからすると「?」となるわけです(もしくは、あーいうシナリオがエモいんだという謎の勘違いを産みます)
個人的に、過去にやった作品にはかなり多くの「エモい」キャラクターが存在します。ハンドアウト(キャラクターシート)を読むことで、その人物のバックグラウンドを想像した上で、起きている事件に立ち向かうことでエモーショナルなシーンや、エンディングになりうるものは多々ありますが、これはどこまでキャラの心情に入り込むかによって大分違うんだろうなあとも感じています。少なくとも謎解き、トリック解きに軸足を起き、点数至上主義のプレイヤーさんだと、ハンドアウトに作者がこめたエモーショナルを読み取ってくれないという事は往々にしてあるんじゃないかなと感じるわけです。
逆に、作者でさえ気づいていないエモをプレイヤーさんが生み出してくれることだってあるからマーダーミステリーは面白いんですけどね。
エモとマーダーミステリーの関係
もう、個人的見解なので共有も共感もしなくていいんですが、ワタシ的には「エモいかどうかはマーダーミステリーという定義とは無関係」だと思います。エモくなければマーダーミステリーじゃないもおかしいですし、エモがあったらマーダーミステリーじゃないも何いってるか良くわかりません。感情のない殺人事件のある世界とか、もう推理クイズでも作って、どっか端っこの方で遊んでてください(暴言
マーダーミステリーで殺人事件が起きるということは、そこに犯人の明確なエモーションが存在しています。それは時に復讐だったり、衝動だったり、犯行の直接的な動機は様々です。多くのプレイヤーは犯人役になると、どうやって逃げる(=勝利)ことを考えますが、時にハンドアウトを通じて見えてくる犯人の人物像は本当に逃げることが正なのか、という犯人もいると思います。私は、こういう犯人の性善な部分と犯行を隠したいという心情との心の葛藤すら「エモい」と感じるので、エモはマーダーミステリーに必須とか不要とかじゃなく、まったく別の次元で語られるべきなのではと感じている次第です。
で、何がいいたいかというと
エモはいい!だがエモは定義とか無粋なんでやめないか!
そして、泣ける話かきたい。誰か泣ける話の書き方おしえてくれ。
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