WAIS-IV ウェクスラー成人知能検査④

2つ目:知覚推理指標(PRI)

VCIは何か覚えられましたか。Verbal Comprehension Indexの略、言語理解指標です。では次に行きましょう。

2つ目の指標は知覚推理指標略してPRIです。
Iはお決まりのIndex、PRはPerceptual Reasoningの略です。

Perceptualは「知覚の」という形容詞、Reasoningは(reasonは理由ですが)推理・推論という意味です。

知覚推理指標(PRI)で何がわかるか

知覚というと様々な感覚が入りますが、ざっくり言うと知覚推理指標は視覚の能力をみる指標です。
より具体的に言えば、視覚的な情報を把握し推理したり、視覚的情報に合わせて身体を動かしたりする力に関する指標です。

これはちょうどVCIの対象である言語的な能力と対をなす、形を見たり場所を認識する非言語的な能力になります。

例えばPRIが低いと、
・文字を書き写すのが遅い
・漢字を覚えて書くことが苦手
・自分の現在地を把握することができない
といった特徴があります。

「漢字を覚えて書くことが苦手」は言語的能力ではないの?

PRIが低いと「漢字を覚えて書くことが苦手」とありますが、それは言語的能力なのでは?、という質問をよくされます。
最初に漢字を覚えるとき、目で見て形を覚えて書きます。
ですので、漢字を覚えて書くというのは実は非言語的能力なのです。

同様に文字を書き写すのが遅いというのも、必ず目で見て書き写すので非言語的能力だったりします。

思え返せば、VCIが低いときの特徴として、
・会話の時に相手の話がわからないときがある
・自分の伝えたいことをうまく言葉にできない
・指示の内容が理解できない
・一度覚えたことを数日経つと忘れてしまう
となってましたね。

視覚を使っているものが1つもないですね。
視覚を使っていたら、文字関係のことであってもVCIとは関係ないことを覚えておきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?