MMPIと他の性格検査の比較

たまたまMMPI-3のパンフレットを手に入れた

なぜNoteを始めたか。それはMMPI-3を日本に広めたいという思いがあるからです。どうしてMMPI-3を知ったかというと日本版のパンフレットをたまたま手に入れたからです。パンフレットには通常いいことばかり書いてありますから、一応マニュアルを買って中身を確認しました。そうするとちょうど今まで日本になかった痒い所に手が届くちょうどいい心理検査だったので、ぜひ広めたいと思った次第です。
でどうせだったら自分の中で体系だって考えていることをまとめて記録しておきたいということで、Noteを始めました。

心理検査を振り返る:投影法の場合

いろいろ論じるためにはやはり既存の性格検査との比較が必要になります。
全体的に欧米と比べて日本では心理検査の普及が不十分だと考えています。というよりも普及しているジャンルが違うと感じています。日本で人気というか広く学ばれている心理検査はロールシャッハやバウムです。これらは現在海外で誰でも使う検査というわけではありませんが、日本ではこれらを全く学ばない心理学系の学部はないでしょう。ロールシャッハやバウムといった投影法心理検査の最大の特徴は、すごく心理検査をやったっぽいということだと思います。アトラクティブで人気があるので学生の興味を引くのは間違いないです。
これらの心理検査が優れていないわけでは全くありません。ロールシャッハもバウムもきちんと学びきちんと解釈すればすばらしい検査だと思います。ただ心理検査にこなれていないままに実施すると解釈が的外れなものになる可能性があります。実施までにきちんとした講習を受けて学び習熟する時間が必要になります(もちろんMMPI-3でもいきなり独学でやるのはNGとは思うが)。そして海外ではそこまで広く使われていないです(特にロールシャッハ図版の著作権が、、、という話もあるがこれはまた別のお話)。

心理検査を振り返る:質問紙法の場合

まず声を大にして言いたいのはMMPIとそれ以外の質問紙法検査、すなわちYG、TEG、NEO-PI-R、MPIは同じ質問紙法検査のくくりの中でも全く違うものであるということです。
まずYGとTEGは「矢田部ギルフォード」「東大式エゴグラム」という名前からわかるとおり、日本でしか使われていません。日本でしか使われていないからダメな検査ということでは全くないですが、少なくとも国際比較はできません。
そして最大の違いは、YG、TEG、NEO-PI-R、MPI全てそうですが、これらは性格理論に基づいて決められたいくつかの型に人を分類していく心理検査だということです。一方MMPIは性格理論に基づいて作成された検査では元々ありません。詳細は別途述べますが、MMPI-3は完全に精神医学的な観点から作り上げられており、ビッグファイブ理論とも交流分析理論ともアイゼンクの性格理論とも誰の性格理論とも関係ありません。精神医学がこれまで培ってきた枠組みをそのまま質問紙法にしたような検査です。

今回のまとめ

  • MMPIは他の性格検査と異なる独自の特徴を持っている。

  • 投影法は日本ではよく使われるが、海外では使用頻度が下がっている。

  • MMPI以外の質問紙法はそれぞれの性格理論に基づいている。

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