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【解説】OutsideDon'tlisten

仮想バンド「yomoh-1」のインストアルバムです。

収録した曲の殆どは歌詞も歌メロも付いていました。
それらを全て消し無音または楽器に置き換え、「ぼーっと見られるような無数の展示室たち」をコンセプトに
ジャンルに拘ることなく流し聞きできるように選曲・リメイクしました。

今作は故意にトラック毎に音量を不快にならない範囲でバラつかせています。
作品が小さければ近づき、大きければ遠ざかる。展示室の物体を鑑賞する際に行う視覚的な行動を、各曲個人の心地よい音量に調節して貰う事で仮想空間を体験していただけたらと思います。

以外は各トラックの紹介です。
(一部非道徳・反社会的な内容がありますが制作記録を明記しておきたい為そのまま書かせていただきます。苦手な方は注意して下さい。)

【track 1】箱庭357(miniature garden357)

多種多様な熱帯植物を観察しながらやんわり打ち込んでいたものです。
tape1〜3で使用した女性の声はこの曲に使う予定のものでした。
tape、357の意味が分かれば元々書いてた歌詞のテーマがどんなものだったのか想像がつくんじゃないかなと思います。
pencil(@pencilest)さんにリミックスしていただきました ※track13

【track 2,6,11】OutsideDon'tlisten(+mauve)

mauveという女性が喋るだけのトラックです。展示室の案内音声を再現する為実際に録音した空調の音などを入れています。
3種類ありますがレーベル様との交渉で特定のワードを無音にしました。

【track 3】彫像(sculpture)

青森県立美術館に行った際、奈良美智さんの作品群を見て作りました。
均等に建つ堅牢な壁の質感、真ん中に鎮座する像の持つ丸みの空気感を音で表現し、展示室を回るような緩急をつけました。今作コンセプトのきっかけです。

【track 4、8】 瞑想1:00

昨年知人達の協力のもと音で夢をコントロールできるかの実験もどきをしていました。今回その中で気に入っていた2つを抜粋しました。

【track 5】 投身(suicide jump)

遺体写真や自殺する映像を集め、呼吸音や声・環境音などをヒントに作りました。
あるメロディは遺体の傷をMIDIに描き写しそのままキーに沿って鳴らしたものです。
もっと遅い曲だったのですが、印象的だった男性の呼吸速度とBPMを合わせる為にドラムを打ち直しました。
DJPsone(@DJ_Psone)さんにリミックスしていただきました ※track14

【track 7】 空間( )

コードを鳴らしているシンセは事前に弾いていたギターをmidiに打ち直したものです。
僕は前後の音と音の空白(間隔)を縦、リバーブやディレイなどの広がりを横と考えています。
縦を意識し、野菜をみじん切りするように既存のデモを細かく砕いた曲です。

【track 9】 とこしへ(forever)

年始にTATTVA RECORDSでリリース予定だった「cut」という曲のインストアレンジです。テーマは自傷行為でした。
曲名は構想もない初期段階の時に考えてた仮タイトルです。その時点ではピアノのみの曲でした。

【track 10】 Y字路(fork road)

今作のリード曲であり、9と同上です。未タイトルでした。こんなに音を詰めた事はないんじゃないかってくらい音数が多いです。
サビの終わりから鳴り続けるシンセはトリップした時の耳鳴りを再現しています。
ソーマ(@Xoma18)さんにリミックスしていただきました。※track15

【track12 】引火(catch fire)

酸辣のインストトラックとして使用する予定でした。
京都の伏見稲荷大社を見た時、これだけ巨大な神社が燃えたらどんな光景なのかと考え山頂めがけ鳥居を伝い火が燃え移る様をイメージしました。
yomoh名義でセルフリミックスをし、TATTVA RECORDSの太陽くん(@banjotaiyo)のeditでMVを制作しました。※track16

最後に

僕は様々な場所や体験からヒントを得て曲を作っていますが、何かを推奨する意図もなければ特殊な思想も全くありません。このアルバムを聴くにあたり御理解下さればと思います。
このアルバムの曲達は上述した通りボーカルを抜いたマイナスワンの音楽です。
またいつかの機会にリアレンジし、ボーカルが付いた曲として生まれ変わらせる事が出来ればと考えています。
OMOIDE LABEL様をはじめ制作に携わって下さった皆様本当にありがとうございました。

今後ともTATTVA RECORDS及びyomohをよろしくお願いします。


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