スピリチュアル再入門 第13章 原子力、動物愛護 2

動物愛護の問題

「悲しいかな、霊的発達の未熟さゆえに多くの人々は、人間に生命を与えている霊と地球を共有している他のすべての動物に生命を与えている霊とが、同じであることを理解していないのです。彼らは、動物を人間と同じ地上での身体をもつ霊と見なしていないのです。

 高いものは、低いと思うものを助けるのが道理です。人間が動物よりも秀でていると思うのであれば、人間には動物に対する責任があります。この事実を理解していないのです。

 間違った信念のもとに人間は、無邪気な動物を無用で残酷な行為と恐怖で苦しめています。冷酷な動物実験を通して人類の健康増進がはかれるという信念は誤っています。真実ではありません。

 霊的真理を普及させて、これらの邪悪でしばしば悪魔的ですらある実験を完全に止めさせることは、長く時間のかかる問題です。自分たちが行っていることが間違いであると分かるような良心が発達した段階へと、人々が到達する必要があります」
『シルバーバーチの霊訓10』パム・リーバ編 近藤千雄訳(P198、199)『Light from Silver Birch』Compiled by Pam Riva(P181)


Q なぜ動物は人間の手によって苦しめられねばならないのでしょうか。人間の霊的成長の試金石となるために地上に置かれているのでしょうか。もっと高い進化の段階に達している別の天体へ置かれていれば、そこの住民に可愛がられて霊的進化も促進できるはずですが・・・・・・

A なぜ人間は、地上で同じ人間の手で苦しめられねばならないのかと、それと同じ質問が人間についても言えませんか。なぜ苦しむことのない、どこか別のところへ置いてもらえないのでしょうか。

 あなた方が理解しなければならないことは、地上の人生そのものは、内部の神聖なものを可能なかぎり発揮する機会を与えられた訓練所、予備校ということです。

 人間には、ある一定限度内で、自分の行為を決定する自由意志があります。その結果、地上あるいは霊界で成し遂げなければならない進歩を早めもすれば妨げもし、そして、永遠の進歩の道程で、霊は発達し少しずつ不完全な部分を棄てていくのです。

 自由意志があるからには、ある者は、それを間違ったこと、愚かなこと、報復的なことに使用してしまい、その結果として他者を苦しめることになります。
もしも大霊がすべての動物、すべての人間を完全なものとしていたならば、彼らは、地上にも霊界にもいなかったことでしょう。そして彼らは、進化の頂上(進化は永遠であり、成し遂げることが不可能ですが)を極めていたことでしょう。

 動物への虐待を阻止するためには、すべきことがたくさんあります。善の力と強欲、自分本位との間に、知識を持つ者と無知な者との間に、絶え間なく闘争が続いています。この地上で動物にも独自の役割があり、人間が持つ権利と同等の権利が動物にもあることを理解しない近視眼的な人々がいます。闘争は続きます。が、善は徐々に勝利を収めていきます。
『シルバーバーチの霊訓10』パム・リーバ編 近藤千雄訳(P199~201)『Light from Silver Birch』Compiled by Pam Riva(P181、182)


Q 動物保護運動がなかなか思うに任せません。むしろ悪化の一途をたどっているように思えます。

A  それは人間に、制限があるものの自由意志が与えられていることから生じた結果です。もしも、問題もなく闘争もなく犠牲が強いられることもなく困難もなかったら、人間は進歩できません。進歩は、楽なときではなく困難に直面したときに得られます。それぞれの魂が内在する力を引き出すために何らかの試練の時に遭遇するというのが、進化における不可欠の過程なのです。

 進歩の速い面もあれば遅い面もあります。地球を共有する他の存在すべてと調和することは、人間の責務です。しかし、何が起ころうとも、自然の摂理による埋め合わせがあります。

 動物が動物なりの進化の道をたどれるように配慮するのは人間の責務です。その責務を放棄すれば、その代償を払わねばなりません。動物に残酷な行為をしている者は、その行為すべてに霊的な代償を払わねばならないことになります。

 悲しいことに、罪のないものがいつも苦しみます。自然の摂理の働きを阻止することはできません。もしも、残忍な者が殺人を犯せば、その者はその償いをしなければならず、犠牲者にはその埋合わせがあります。埋合わせの法則は、いつも働きます。大霊は、埋合わせと応報の法則を通して、神聖な公正がすべてのものに行き渡るようにしています。
『シルバーバーチの霊訓10』パム・リーバ編 近藤千雄訳(P203、204)『Light from Silver Birch』Compiled by Pam Riva(P184、185)


Q 自然界では、強いものが生き残っているように思えるのですが、そうなるとその原則は人間界や霊的なことにはどう適用されるのでしょうか。

A  共生という言葉を聞いたことがありませんか。これが自然界の原則ではないでしょうか。互いに協力し合うことによって自然界がその目的を果たしていく、というのが基本原理ではないでしょうか。樹木が大気中の毒を吸収してそれを浄化する。それが人間をより健康な状態にする。これは強さですか? それとも調和や協調がはたらいているのではありませんか?


Q 私は特に動物のことを念頭において質問したのですが…

A  どの動物が有史以前から生き残っているのでしょうか。象は獰猛でしたか。違います。草食動物であり、他の動物を犠牲にしませんでした。その他すべてが生き残ったわけではありません。どれが一番強いのでしょうか。

庭があるとします。自然と共に作業すれば結果を得ます。自然を誤用すれば結果を得ません。人間だけでなく動物に対しても愛を示さないといけません。他の人間を搾取してはいけません。動物を搾取してはいけません。自然を搾取してはいけません。
そうすれば、人間だけでなく、宇宙で最も偉大な力によって考案された進化の法則の究極の目的である平和と秩序と調和を手にするために存在しているものすべてを助けることになるのです。
『シルバーバーチの霊訓10』パム・リーバ編 近藤千雄訳(P205)『Light from Silver Birch』Compiled by Pam Riva(P80~82)


スピリット入門と題して、霊的真理を伝えうる文章を各書物から抜粋して紹介した。霊的真理は、時代によって変わるものではないといわれている。さまざまな情報が寄せられる今、これらの文章が、真偽の判断の参考資料となれば幸いである。

私たちは、生まれる前から、そしてこの世を去った後も、霊的な存在である。
その存在を、蒔いた種は自らの手で刈り取るという黄金律が貫く。

そして、行動指針は、いつのときもどこにおいても、他者のためになることをせよ、自らの霊性を高めよ、である。

大いなる霊と調和していますように。
大いなる霊と調和していきますように!

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