スピリチュアル再入門 第13章 原子力、動物愛護 1


力の強いものが、弱いものに手を差し伸べる。これが霊の黄金律である。
原子力、動物愛護についての、シルバーバーチの言説を紹介する。

Q 地上の人間が発明するものについて霊の世界の人たちはどう思っていますか。  例えば原爆は良いものですか、それとも悪いものですか?
(注:これは1952年に当時11歳の少年がした質問)
A これは、とても大きな質問ですね。私が思っていることを述べます。この問題は、無知よりも知識が大切であるという明白な例だと思います。
  戦争によって、地上の科学者たちは実験と研究を奨励され、その結果、原子エネルギーという秘密を発見しました。それを原爆投下という形で使いました。
精神的、霊的に準備ができた時期より、ずっとずっと早くに発見してしまいました。もうあと百年か二百年のちに発見していれば、地上人類もずっと進歩していて、発見した秘密の取り扱い方を理解していたことでしょう。今の人類は、理解していません。原子エネルギーは、益にも害にもなるものを秘めています。
この質問に対する適切な答えは、地上の人々が精神的、霊的にどれだけ準備ができているか、ということに関わってきます。分りますか?

Q 最後が良く分りません
A では説明の仕方を変えましょう。原子エネルギーの発見は、時期が早すぎたということです。地上の人々には、発見したものについての準備ができていなかったため、それを破壊目的に使用してしまったのです。もしも準備ができていたならば、有効な目的のために利用したでしょう。
そこで最初の質問に戻ります。もしも地上の科学者すべてが、知識――霊的なことについての知識――を持った人々であったならば、この問題についてまったく悩まなかったでしょう。答えが分かっているからです。なぜなら、霊的な準備ができていれば、その発見のもつ価値を理解し、その利用は人類に役立つことでしかないからです。
『シルバーバーチの霊訓6』S・フィリップス編 近藤千雄訳(P76~78)『Silver Birch Speaks Again』Edited by S.Phillips (P43、44)


Q 国家および人類全体が、原爆の恐怖に対処するにはどうすればよいでしょうか。

A  問題そのものの根元は、人間の生活が、霊的な摂理とその適用によってではなく、恐怖、貪欲、妬み、利己主義、権勢欲によって支配されていることにあります。残念ながら、お互いに助け合い、調和と平和の中に暮らすという願望は見られず、ひとつの国を他の国より強大にし、ひとつの階層を、他の階層の犠牲によって豊かにしようとする願望が見られます。いまなお支配している制度の礎は、唯物主義(materialism)の哲学です。唯物主義という言葉は、今日ではかなり影をひそめてきているかもしれませんが、実質的には同じです。

 人々は、富と地位と人種を最上位においています。これらを土台としてすべての制度を作ろうとしています。永遠の実在を無視しています。人生全体をその断片でしかない、見て聞いて触れて味わえる範囲、つまり肉体の感覚で得られる非常に小さな破片で判断しようとしています。

 しかし、生命は物質よりも偉大なものであり、人間は土や塵以上のものです。生命は、化学、医学、原子などの観点で理解することはできません。生命の謎は、科学の実験室で解かれるものではありません。魂をメスで見出したり、化学的手段で分析したりすることはできません。生命は、いかなる物的手段によって解明しようとしても捉らえることはできません。にも関わらず、物質世界全体の大多数の人々が、永遠の霊的な実在から完全に切り離された生活をしています。大多数の人々が、最も大切なもの、全生命の存在を可能にしているものを無視しようとしています。

 あなた方の世界全体は、霊によって存在しています。あなた、あなた自身は霊によって存在しているのです。実在は、物質の中にも物的身体の中にも発見できません。存在の種子は身体器官のどこにも位置していません。あなた方は、今の時点において霊的な存在です。私たちの世界へ来てから霊的な性質を獲得するのではありません。母体に宿った瞬間から霊的な存在であり、どのようなことがあっても、あなたを生かしている霊的な実在から離れることはできません。あなた方の世界全体は霊によって存在しています。霊なくして生命はありません。生命とは霊であり、霊とは生命だからです。

 その真理を人類に説き、死者が生き返ってもなお信じようとしない人は別として、聞く耳を持つ者に受け入れられるように、明証できる真理を伝えることが私たちの使命の核心的な部分です。

 人間に備わる霊的な性質に対する認識が、人々の生活すべてに行き渡らない限り、恐怖は存在します。今日は原爆のことが恐怖ですが、それは明日にはさらに恐ろしく途方もないものとなることでしょう。力と圧政による支配の試みが必ず失敗することを、長い歴史はとても明白に示しています。独裁政治は幾度か生れ、栄え、そして消滅しました。独裁者が永遠に王座に君臨することはありません。人間の内なる霊は、最高のものでありその神性を主張します。初めは、ふらついたとしても、その生得権を主張するようになります。

 魂の自由性を永遠に束縛することはできません。魂の自在性を永遠に拘束し続けることもできません。これらは、持続させねばならない霊の属性です。人間はパンのみで生きているのではありません。人は、肉体的存在以上のものです。人は精神と魂です。人は霊です。人は、その境界を誰も設定できない多様な宇宙の中の生命の様相すべてを形作る霊と全く同じ霊の不可欠な一部です。

 これらの真理が正しく理解されれば、すべての恐怖と心配は消滅するはずです。大霊の子等が、心には苦痛、精神には恐怖、背を曲げ、いつも明日はどうなるだろうと思い巡らしてその日その日を過ごすことがなくなるでしょう。人は霊であり、自由の陽光の中で生きなければならないため、人々は、霊的な生得権を主張するようになります。内部の霊的属性を存分に発揮すべきです。永遠なる存在である霊が閉じ込められ制約され続けることがあってはなりません。霊は束縛を突き破り、暗闇の中で生きることを強いている障害すべてを排除します。知識が支配し無知が逃走すれば、恐怖に駆られることもなくなるでしょう。

 あなたの質問に対する答えは、こうです。私たちは霊的な知識を広めなければなりません。すべての者が知識を手にすれば、きっとその中から、その知識がもたらす責務を背負う者が出てくることでしょう。更生、改心、霊的な価値の適用、これらが、悩める世界に平和をもたらす唯一の手段です」
『シルバーバーチの霊訓6』S・フィリップス編 近藤千雄訳(P80~84)『Silver Birch Speaks Again』Edited by S.Phillips (P45~47)


「霊的実在についての知識を普及することです。自分が霊的存在であり物的存在ではないこと、地上生活の目的が霊性の開発と発達にあることを、すべての人間が理解すれば、これほど厄介な野獣性と暴力の問題は生じなくなることでしょう。
 人類のすべてが霊性を認識し、人類という一つの家の一員として、お互いの間に霊という不変の絆があり、それが全員を大霊の家族にしているということを理解すれば、地上から戦争というものが消滅します」
『シルバーバーチの霊訓6』S・フィリップス編 近藤千雄訳(P146)『Silver Birch Speaks Again』Edited by S.Phillips (P83)


Q 人類は、いつか戦争のない平和な暮らしができるようになるのでしょうか。

A これは、答えるのがとても難しい問題です。まず理解すべきことは、大霊は人間に自由意志の要素を授けたということです。自由意志のない操り人形であったかもしれません。その自由意志が、人間に、私がいう無限の創造の過程を手伝う機会をもたらしました。

 人間には、住む世界をエデンの園、楽園、天国にも、あるいは暗くて不毛で残酷な世界にもできる機会が与えられています。それは、自由意志の使い方次第です。
あなた方の世界に、戦争、暴力、貪欲、金銭欲、自分本位があるのは、物質主義が優勢だからです。

 物質主義があるのは、多くの宗教の教えにも関わらず、非常に多くの人々が、肉体の死を超えた生活があることを理解していないからです。
 避けることができない死後の生活――埋め合わせと懲罰のある本当の現実―-があるという事実を多くの人々が受け入れていません。彼らは、地上生活が唯一の生活の場であると信じています。すると必然的に肉体がすべてならば、ここで享受できるものの限りを尽くそう、ということになるのです。これが戦争の原因です。これが人々を、憎しみ、征服、投獄、互いに殺し合う行為などへと導くのです。

 これは真相の一面です。私が賛辞している誤ることのない自然の摂理は、他方で、あなた方の世界に、人間がぶちまける大破壊を抑制するためにも働いています。
私たちは、どこでも可能なところで霊的実在についての理解をもたらす助力をするという壮大な任務に就いています。

 人間は霊的な宿命をもった霊的な存在であることを、霊媒たちが実証しています。その宿命を全うするか損なうかは、本人の行い一つひとつにかかっています。種蒔きと刈り取り、原因と結果の法則は、誤ることはありません。

 良い行いをすれば、改善されます。自分本位な行いをすればより悪くなります。摂理はごまかせません。死の床で行ったことを後悔して、その後悔で行為の結果が自動的に取り消されるというようなことはありません。

 この真実を理解する人が少しずつ増えるにつれて、戦争が減り、平和な地域が広がっていくでしょう。私が与えられる答えは、これだけです。これは一夜にして達成できることではありません。

 あなたの役目を果たしなさい。あなたの最善を尽くしなさい。縁あって近づく人の力になりなさい。親切、寛容、そして慈悲深くありなさい。どこでも機会さえあれば、他者のために自分を役立てなさい。そして、それがあなたを救うことになります。
『シルバーバーチの霊訓10』パム・リーバ編 近藤千雄訳(P185~187)『Light from Silver Birch』Compiled by Pam Riva(P170~172)


「私は原子力が悪だとは考えません。使い方が、それを悪にすることはあります。一方、使い方で莫大な恩恵をもたらすこともできます。その莫大な力を管理する人たち、あるいは管理を誤るかもしれない人たちにかかっています。
警告めいた予言のことですが、霊界にカッサンドラ(注:ギリシア神話の凶事の予言者)のような霊がいて、何か大変なことが地球に迫りつつあると悲嘆しているという図を想像してはなりません。

 情勢は単純ではありません。大霊は子等に一定限度内の自由意志を与えています。その自由意志による選択によって地上を光輝と美と豊かさに満ちたところにすることもできれば生き地獄とすることもできます。その選択をするのは、あなた方人間なのです。

 科学技術が発達して途方もない力を解放できることを明らかにした今、それをいかなる目的に使用するか、その責任はより大きくなります。正しい進化の方向を選ぶことになる唯一の道は、私が理解する限りでは、無限の神性を宿している子等がそれをできるだけ多く発揮して地上世界を美しく飾り、そして、その巨大な自然の恵みを皆で分かち合うために、自然を手助けすることです。

 それが、人類がすべき選択です。しかし、それを無視し貪欲で自分本位で強欲な富の神を崇拝し、そして隣人のことをまったく気にかけず、自分自身のことだけを考えるならば、必然的に自分の国だけでなく世界を闇黒、困難、悪、疫病という自由意志の誤用の結果で埋め尽くすことになります。

 しかし、そう言いながらも私は、人類がいかに驚異的な力を手にしようと、それによって起こす破壊や荒廃を一定限度で食い止める無限の力には到底太刀打ちできないことを強調しておきます。世界全体、あるいは宇宙そのものを破壊ことはできません」

やはりあくまでも神の持ち物というわけですね。

「そうです、あくまでも大霊の持ち物であり、大霊が支配しなければならないのです。神は無限です。神は神聖なる愛と叡智であり、神はすべての子等に、それを望むのなら、天国のような地上の王国で共存するための手段を用意しています。

 もしもあなたが操り人形かロボットだったら、あなたの人生は意味も目的もなかったでしょう。完成へ向けての段階的な進化も成長もなかったでしょう。永遠の無の忘却の淵となってしまったでしょう。それが目的ではありません。

 あなた方の誰よりも長く生きてきた私は、神聖なる完全さが創造した宇宙の機構を畏怖、驚嘆、敬意、感嘆をもって注視し学んできました。無限の知性が考案した摂理の働きを阻止できるものは何一つ存在しません。

 知識のある者、生命のすべてを支配している永遠の霊的原理を一瞥する特権を得た者は、未来に恐れを抱く必要はありません。科学技術の驚異、科学的成果は善にも悪にも使用できますが、それがあなた方の世界に引き起こせる破壊には限界があります。地球全体、及びそこに住む人々の肉体を破滅させてしまうほどの無制限、無束縛の自由があるわけではありません。

 愛は憎しみより偉大です。霊は物質に勝ります。宇宙最大の力は、すべての生命の大霊から発されています。無限の知性によって考案され、神聖な叡智によって支配されている自然の摂理は、ゆっくりと必然的に今住んでいる世界をより良い世界にしていくことを保証しています」
『シルバーバーチの霊訓10』パム・リーバ編 近藤千雄訳(P195~198)『Light from Silver Birch』Compiled by Pam Riva(P179、180)

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