スピリチュアル再入門第12章 宗教、生きる心構えー2

「あなたも他のすべての人間と同様に、為すべき何らかの仕事があってこの物質界に誕生してきたのです。ときには内省の時をもって、果たしてこれが自分にとっての本当の仕事なのだろうか、世の中を啓発する上で少しでも役に立っているのだろうか、知識の蓄積を怠ってはいないだろうか、獲得した霊的真理を人に分け与える努力をしているのだろうか、これで最善を尽くしていると言えるのだろうか─―正直に自分にそう問いかけてみることです。そうすれば自然に答えが出てきます。 

それだけでいいのです。自分に正直になり、最善を尽くす──それだけでいいのです。宗教的信条や教義などは必要ありません。自分はいま何をなすべきかを素直に認めるだけでいいのです。その心がけを日常生活で徹底させれば、決して道を誤ることはありません。この物質界に誕生してきた目的を成就させていることになります。
霊界に住む私たちに見えるのは、荒れ果てたみじめな家屋で飢えと渇きに苦しみ、生得の権利であり大霊からの遺産である自由を奪われ、存在すべきでない暗闇の中で生活をしている何百万、何千万という大霊の子たちの姿です。

その一方、己の貪欲で自分本位な欲望を満たすためだけに、そうした何百万もの同胞に対する支配の維持を望んでいる者もいます。私は同胞への奉仕を望む人々すべてに言います。頑張って闘いなさい。あらゆる不正と闘いなさい。暗闇すべてと闘いなさい。暴虐すべてと闘いなさい。あらゆる不公平と闘いなさい。すると、あなたの背後には、あなたを励ますために、あなたを支えるために、私たち霊界にいる自由になった霊たちが大軍をなして立っていることでしょう。霊たちは、あなたを決して見捨てることはありません。

これが、知識を伝達する手段を持つ人々に私から求めることのすべてです。私の言うことが分りますね。為さねばならないことが沢山あります。霊的知識に巡りあい、さらにこうした知識の証拠を得たいと望んでいる人々が、理解しなければならないことは、この知識に辿りつく道に足をまだ踏み入れてもいない人々が、たくさんいるということです。   

あなたも、私たちと同じ視野に立って地上世界を眺めてみなさい。数多くの人々が、どこへ向かうべきか分らず、疑念と不安を抱え自信なさげに、悩み困惑し疲れて地上を放浪しています。彼らは、道を見失っています。長年、権威とみなされていたどんな権威をも、もはや彼らは信じてはいません。彼らは、手探りでよろめきながら歩いています。そこで私たちは悟りました。よい道具(注:道具とは、霊界と地上界の通路となる霊媒、霊能者のことを指す)さえあれば、安心と確信と自信をもたらすような知識の光を地上へと流すことができるだろう、そして彼らは、大霊が彼らに意図した生き方、即ち平和と協調と愛の中で生活し、大霊の一部としての霊的な本性が要求するものを追求して生きていくだろう、と」
『シルバーバーチの霊訓7』シルビア・バーバネル編 近藤千雄訳(P90~92)『More Wisdom of Silver Birch』Edited by Sylvia Barbanell(P39、40)


「私たちの教えの要旨全体は“奉仕(Service)”という言葉に含まれています。
 あなた方の世界の害悪である利己主義に対して、私たちは永遠の宣戦を布告します。
 戦争、流血、混乱、破壊へと導く物質主義(materialism)を破壊することに、私たちは没頭しています。
 
 私たちの信条は、互いに助け合うこと、協調、寛容、思いやりです。
 たくさん持つ者が、その豊かさを、持たない者、足りていない者に分け与える。
 精神的に恵まれて豊かな者が、その恵みをいまなお暗闇の中にいる者を啓発するために用いる。
 このようにして、すべての人々が互いに奉仕し合うことを学ぶのを、私たちは望んでいます。    

 あなた方の世界は、奉仕を必要としています。
 人間の一人ひとりがお互いの一部分であること。
 神聖な霊が、すべての人間に流れていること。
 そのため、大霊の観点では、霊的本性に関してすべては平等であること。
 これらの認識を広める必要があります。
 偉大さとは、徳性、成長、進化、理解の面でより進歩している者が、その所有しているものを、それらを欠いている者たちに、分かち与えようと努力することにあるのです。

 霊の世界のために働く者、与えられた恵みを適切に用いる者は、彼が奉仕しただけ、奉仕されることに気がつくはずです。
 なぜなら彼らは、必ず成就する摂理に則っているからです。
 それは、取引や報酬というものではなく、最も多く与えた者は最も多く授かるという原因と結果の法則の成就にすぎません。

 こうして今あなた方と共に遂行している仕事においても、お互い一人一人が欠かせない役割を担っています。
 私たちは、霊の軍隊の兵籍に入り、あらゆる進歩の敵──改革、改善、改良、人道主義、善意、奉仕、これらの普及を妨げようとする勢力との闘いに、派遣されています。
 
 私たちの仕事は、数世紀にわたって無視されてきた霊的真理を人類に知らせることです。
 私たちは、比較的少数の人に霊の力を注がせるだけでは満足できません。
 一人でも多くの人が、その豊かな宝、驚異的な力を利用できるようになることを望みます。
 私たちの願いは、多くの人々でこの恵みを共有し、その人生を不変のお供である真理、知識、叡知と共に生きることです。

 神聖な相続財産の一部として、その人が享受すべき人生の幸せ、豊かさを否定されている人の数の多さに、私たちは愕然としています。
 数百万の人々が餓死すれすれで生きていること、また、ある人々は地上生活の最低限の必需品すら持てずにいること、これらのことに、私たちが満足することはできません。地球の富の分配の不公平さを、私たちは平然と見てはいられません」
『シルバーバーチの霊訓2』シルビア・バーバネル編 近藤千雄訳(P24、25)『Silver Birch Speaks』Edited by Sylvia Barbanell(P20、21)


「私たちの任務の一つは、地上へ霊的真理をもたらすことです。託された大きな使命です。霊界から見る地上は、無知がひどすぎます。その無知の結果は、悲しいことに明白です。それが地上の苦悩に反映し、また霊界の苦悩にも反映しています。

 死の関門をくぐった者は、直ちに、言葉では表現できないくらいの喜悦に満ちた輝ける存在となり、一切の悩み、心配と不安から解放される絵を、教会は描いています。しかし、そうではありません。実情とはかけ離れています。

 死んだ者は、初期の段階では生きていた時とまったく同じです。
 肉体を棄てた、ただそれだけのことです。彼らの個性(individuality)は変わりません。
 彼らの性格にも変化はありません。
 彼らの霊的な目覚めが生じるまでは、自分本位な者は自分本位、強欲な者は強欲、無知な者は無知、惑わされていた者は惑わされたまま、習性、特性、性癖、特徴などは、依然として地上時代のままです。

 こうしたことがあまりに多すぎるため、ある霊的な事実についての知識を地上に普及させるべしという決断がされたのです。
 そこで、私のような者たちが、長年にわたり霊的生命についての真理を説く任務に就いているのです。
 霊的生命という言葉は、神秘的な印象を与えがちですが、まったくそういう意味ではなく、実際に存在するものとしての霊的生命を私たちは説きます。
 そのためには、何世代にもわたり受け継がれてきた誤解、無知、偏見、虚偽、欺瞞、迷信─―多くの人々を暗闇の中に閉じ込めてきた力すべてと闘わねばなりませんでした。
 
 私たちは、そうした囚われた状態にある人々に、霊的な解放をもたらすという目的で一大軍団を組織しました。
 伝えなければならないことは、いたって単純です。まずは、証拠のあることからです。
 偏見を棄て真摯な目的、真実を知ろうとする欲求で臨む者になら誰でも得心がいくことです。
 それは、あなた方が、然るべき通路(注:霊媒のこと)と機会さえ用意できれば、あなた方の愛する人々は、死という出来事を経ても存在していることが示されるということです。

 これは空想の産物ではなく、何千回、何万回と繰り返し示されてきた冷厳で冷徹な事実です。見ようとしない盲者、事実を目の前にしても、なお認めることができない歪んだ心の者を除いて、もはや議論や論争の領域を超えた問題です。

 以上が第一の目的です。“証明してみてくれ。われわれは、あまりに長い間、空想的で不合理な教義を信じることを求められ、もはや信じることなどできない。不合理なものには、背を向けたのだ。求めるものは、われわれ自身で評価し、判断し、測定し、考察し、分析し、調査できるものだ”─―そういう物質界からの挑戦に応えて霊的真実の証拠を提供しているのです。

 それは、もう十分に提供されています。すでに、そこにあります。一人ひとりが、自分自身で入手できるものです。これまでのあらゆる猛攻撃に耐え、これからも耐え得るスピリチュアリズムの基礎、それは、確信の岩盤の上に建てられたものです。もはや、“私は信じます、私には信仰があります、私には希望があります”という問題ではありません。今や非常に多くの人々が、“私は知っている、この事実が立証されたことを”と言えるのです。

 人類史上初めて、宗教が確信に基づくものとなりました。誰も証明できない神学的ドグマについては、論争があるかもしれません。
 しかし、死後の存続については、理性的な者を満足させるだけの豊富な証拠があるのです。

 証明されて終わり、というものではありません。それは単なる出発点にすぎません。
 未だ、この事実を知らない人たちに、その証拠を持たせる必要があります。
 死後の存続が本当であることを納得させる必要があります。

 墓場の向こうにも生活があります。
 あなた方が“死んだ”と思っている人たちは、生きています。彼らは、地上へ戻ってくることも可能です。
 まだあります。死後も存続するということは、どういうことを意味するのか? どういう風に存続するのか?
 死後の生活は、地上生活によってどのような影響を受けるのか、二つの世界の間にはいかなる因果関係があるのか? 
 死の関門を通過したあと、どんな体験をするのか? 地上時代の言動、行為、思いが役に立つのか、それとも障害となるのか?
 死後、地上に伝えるべき教訓としていかなることを学んでいるのか? 所有していたものすべてを残していった後に何が残るのか? 
 これらのことを考えなくてはいけません。

 死後も存続するという事実は、宗教に、科学に、政治に、経済に、芸術に、国際関係に、人種問題に、いかなる影響を及ぼすのか?
  そうです。そうした分野すべてに影響を及ぼすものです。
 なぜなら、新しい知識は、長い間人類を悩ませてきた古い問題に新たな照明を当てるからです」
『シルバーバーチの霊訓7』シルビア・バーバネル編 近藤千雄訳(P24~28)『More Wisdom of Silver Birch』Edited by Sylvia Barbanell(P5~7)

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