スピリチュアル再入門 第11章 スピリチュアリズムの意義2

スピリチュアリズムの意義

ここでいうスピリチュアリズムは、1848年にヨーロッパ、アメリカを中心に拡がった近代スピリチュアリズムのことを指します。

ステイントン・モーゼスの霊信期間は1873年から1883年。
アラン・カルデックは、1857年から1868年にかけて、慎重で厳格な姿勢で霊との交信に望み、スピリチュアリズムに関する主要な本を著述しています。
シルバーバーチの交信期間は、1921年から1981年。

「私たちは自分本位、物質主義、無知、暗黒など、人生から幸せ、明るさ、平和を奪う勢力のすべてを一掃するために奮闘しています。
 私たちの望みは、奉仕することそれだけです。
 善以外の何も持ち合わせず、悪意もなく、低級なこと品位を下げることを訴えることなど一切ないのに、なぜ人々は反対するのでしょう?
 私たちは、より次元の高い真理、より深い理解に向かわせようと努力しています。
 
 人生の基盤となる霊的な原理を理解してもらおうと努力しています。
 私たちは、人々に自分自身と自身の内に宿る神の力を発見させ、本来備わっている可能性に気づかせようと努力しています。
 
 私たちは人間の内にある最高のもの、理性に訴えかけています。
 私たちは、人々により高い階層の生命を支配する摂理を教えようと努力しています。
 この摂理によって、宇宙の物的な面だけでなく、もっと大きな永遠不滅の霊的なものまでも理解することが可能になるのです。

 私たちの仕事は、幻や蜃気楼を追い求め影を崇めてしまうことのないように、生命の根本である人間性に関する教えに向けたものです。
 私たちは、誤りの上にではなく確実なものの上に、人々が真の宗教を築くことができるように、霊的真実の実在を正しく理解させようと努力しているのです。

 霊的な事実を基礎とする宗教、自然の法則に基づいた真の宗教、それは、いかなる逆境の風に吹かれても、厳しい環境下でどこを向いてよいのか分からないときでも、いかなる試練にでも耐えうるものです。

 私たちの使命は、人間が内に大霊の生命を宿していることを教え、人間は動物ではなく、神聖なる存在であることを悟らせ、そして、その神聖さを宇宙のすべての生命と分かち合うことを理解させるという霊的な使命です。
 
 その認識が行き渡れば地上は一変します。

 理解が広まるにつれて新しい光が射し込み、永遠の大機構の中での人間の位置を悟ることになります。
 私たちが訴えかける対象は複雑な神学ではありません。
 時代遅れの教説でもありません。
 あらゆる真理、あらゆる知識、あらゆる叡知を判断する手段、理性に訴えかけています。
 
 もしも私の述べることにあなた方の知性を侮辱し理性を反発させるようなことがあれば、その受け入れを求めはしません。
 私たちの訴えは、人間が自分自身を見出し、自分自身を見出すことによって神を見出すように、低いものにではなく最も高いものに向けています。

 真理は決して傷つけられません、決して損なわれません。
 ときに後退すること、停滞させられることはあります。
 しかし永久に埋もれることはありえません。
 真理が損なわれることはありえないのです。
 真理は、その上に、嘘がいかに厚く固く積み重ねられたとしても、必ず現れるものなのです。
 真理を永遠に抑えつけることはできません。
 私たちが主張している真理は、地上世界にとって重大な役割を担っています。
 
 不安な時代においては、人々は長年しがみついてきた教えを吟味し、それが苦難と困難のときに、慰めや力となるだろうかと思いめぐらすものです。
 霊的実在についての真理を片隅に押しやることはできません。
 
 あなた方すべてがなすべき霊的な宿命をもった大霊の子であるという事実は、根本的なことです。
 これによって、あなたは、宇宙におけるあなたの真の住処を発見し、無限で永遠の創造の偉大な計画を手助けするのです。
 私たちの存在を疑う人がいます。
 私たちの力を疑う人もいます。
 
 私たちは決して全能を主張はしません。
 私たちが、常に限界と制約に直面していることは、これまでに述べてきた通りです。
 しかし、私たちがあなた方を援助できることは、疑う余地のないことです。

 私たちには、力があります。
 霊的な力です。
 全生命を創り出し形成したものに由来する力です。

 あなたが正しい環境と状態を私たちに提供したならば、この力は、あなたへの導き、保護、援助として用いることができます。

 そこには全く利己的な意図はありません。

 あなたを通して顕現した力が、他の人たちに触れ、その人たちも私たちの影響を感得できるようになるからです。
 前途に横たわる道は決して容易ではありません。
 しかし、協調し平和的解決を望み、親切心と調和した公正を求め、憎しみと復讐の考えすべてを破棄して臨めば、偉大な明るい未来が、あなたのすぐ側にもたらされるはずです。(注:以上は、第二次大戦が勃発して間もない頃、1939年9月の交霊会での霊言)

 物質の世界に生きているあなた方は実在から切り離されています。
 このことを、あなた方には理解し難いことを私は分かっています。
 なぜなら、あなた方に見えるものすべて、確実で堅固で永続性があるようにみえるからです。
 あなたを表現しているその身体、あなたが生活している世界、あなたが住んでいる家、あなたが口にする食べ物─―これらは、あなたには、これこそが実在であるように見えます。
 しかし、それは影であり永遠の光でないと、あえて私は主張せねばなりません。
 あなた方は感覚に感応しない世界を理解することができません。
 従って、その理解を超えた世界における活動と生活を理解することができません」
『シルバーバーチの霊訓5』A・W・オーステン編 近藤千雄訳(P66~70)『More Teachings of Silver Birch』Edited by A.W.Austen(P61~63)


「スピリチュアリズムの真理の基礎は、つまるところ、あなたを物的に豊かにするのではなく、霊的に豊かにします。
 それは、あなたに知識を与えます。
 あなた自身について、あなたの住む宇宙について、神聖な設計者である大霊についての完全な理解をするための基礎を提供する摂理と実在についての知識を与えてくれます。

 もちろん物的生活と霊的生活とは、互いに融合し調和しています。
 物的なものと霊的なものとの間にはっきりとした境界線を引くことは不可能です。
 常時、生命の二つの側面が反応し合っています。
 霊的なものが物的世界に顕現し、物的なものが霊的なものを制限し条件づけています」
『古代霊シルバーバーチ不滅の真理』トニー・オーツセン編 近藤千雄訳(P240)『Silver Birch Companion』Edited by Tony Ortzen(P155、156)

スピリチュアリズムの意義について(ステイントン・モーゼスのメモより)

「スピリチュアリズムは、霊界の存在と、霊との交信の可能性という二つの事実以外にも実に多くのことを教えている。
 間違いなく言えることとして私が付け加えたいのは、人間の運命の決定者は自分自身であり、自分の性格も自分が形成し、将来の住処(死後に落ち着く環境)を地上で築きつつあるということである。
 道徳的向上心を鼓舞するものとして、これほど素晴らしいものはないし、それをスピリチュアリズムほど強烈に所有している宗教思想を私は他に知らない。
 
 人間は、地上生活で築いた人間性そのままをたずさえて死後の生活を開始すること、他界した肉親・友人・知人は、今なお自分を愛し、見守ってくれていること、罪悪も過ちも必ず自分で償わなければならないこと、いかに都合のよい教義をでっち上げても無罪放免とはならないこと――以上のことを立証し、さらにまた多くのことを立証していけば、スピリチュアリズムは現代に対して計り知れない宗教的影響力の根源を秘めていることになる」
『インペレーターの霊訓』W・S・モーゼス著 近藤千雄訳(P222、223)











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