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新卒2年目の夏、 不動産会社を辞めてミシュラン一つ星シェフの下で働くことになりました。

初めまして。

矢野 仁穂(やの きみほ)と申します。
社会人になって2回目の夏、新卒で入った会社を辞め、
シズる株式会社に入社しました。

入社して、早1ヶ月。
なぜ私がシズるに入社したのか。
いま何を感じているのか。
この数か月の心の動きを書き留めておこうと思います。

シズる株式会社はミシュラン1つ星レストランsioの鳥羽シェフにより、2021.4.26に設立された会社です。


2020年4月 人生はそう上手くはいかない

新卒で入ったのは、建築不動産の会社です。
第一希望の会社でしたし、内定者インターンもしていたので、社内の雰囲気もある程度は分かっていました。
そのまま順調に社会人になるはずでした。

迎えた入社式当日。
配属予定だった事業部が事実上なくなることを知らされ、別の事業部への配属を命じられました。

私が入社した会社は、事業部ごとの採用のため、
自分で受ける事業部(つまり配属される事業部)を決めてから入社面接をスタートします。
やりたいことが明確にあったこともあり、
配属リスクがないというのも、この会社を選んだ理由の1つでした。
就活から考えると、約1年間。
希望を叶えるためにたくさん考えて内定をもらって、
やっとスタートすると思っていた矢先の出来事。

社会人生活1日目は、
いろんな社員さんに励まされ心配されたスタートでした。
(前職の皆さん、たくさん気を使わせてすみませんでした!)

2021年2月 信じているふりをしていた

入社して10か月。心がピークを迎えました。
2021年7月オープン予定の商業施設に携わることになり、目まぐるしい日々。

「この建物をどうしたいのか、これだとわからない」
「それで、この街をどうしたいの、そうなる根拠はなに?」
「それで数字はいくらあがるの?」

資料をあげるたびに、全身に矢を浴びているような気持ちでした。
会社で泣いて、帰り道で泣いて、家に帰ってお母さんに電話して泣く。そんな日もありました。
ここまでくると、ヤバいやつです(笑)
今振り返ると当たり前の質問しかされていませんし、
新卒に大きな部分を担わせていただいていたことは間違いなく、感謝しかありません。

「私のつくりたい建築って、あるのかな」

そんな日々のなか、ふと気づいてしまったこの事実に、
私の心はとどめを刺されました。

もともとは、
「家を作りたい人に並走して、その人らしい居場所を作りたい」
文系出身でも建築領域まで踏み込めるこの会社を選びました。
あくまでも、決定権はお客さんで、目の前の人の正解をどれだけ引き出して具体化していくかというところに興味をもっていたのだと思います。
当時の仕事は、ありがたいことにその真逆に位置していました。


(この10か月には嬉しい出来事ももちろんありましたし、不動産の基本の仲介や管理なども経験させてもらいました)

2021年4月 攻めか、守りか、それとも逃げか

それでも生活は続きますし、変わらずオープンに向けて日々を走っていたところ、Twitterで、こんなツイートが流れてきました。

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ただ、やりたいと思いました。
本当にそれだけです。

sioの系列店にも足を運んだことがなく、
鳥羽さんをなにで知ったのかも覚えていません。

ただ、やりたいと思って、
それを信じてみたかったんです。

やっぱり他に行く場所はないと自分を納得させたいだけなのか、とか
今の状況から逃げたいだけなんじゃないか、とか
そんなことが頭をめぐって怖くなったのは、採用担当と面談日程が確定したあとでした。

2021年5月 美味しいものは人を幸せにする

実は、1度断られているんです(笑)
「気持ちは分かったけど、育てる余裕はない。」
ごもっともです(笑)

ただ、このころには受かるしかないと思っていました。
それ以外の未来が見えなかった。

だから、もう1回電話しました。
気持ちと一緒に、覚悟を伝えました。
なんでもできるようになる。という覚悟。

小さい頃からずっと大好きでやめられない「お菓子づくり」も
鉄板の誘い文句が、「美味しいものたべにいこう」なのも
ついつい読み返してしまうのが小川糸さんの「食堂かたつむり」なのも。

全部がここに繋がっているとしか、思えなくなるくらい。
恋は盲目と言いますが、
まさに、シズるに恋をしていたんだと思います。
(ちょっとはずかしくなってきました)

でも、それほどシズるが魅力的だったんです。

何がそんなに魅力的だったのか

①言語化された、美味しいの正体
noteや取材に残されている言葉を読むたび、ハマっていきました。
私はあまり自分の感覚(センス)に自信がありません。
末っ子で上を見ながら育ったせいか優等生を演じる傾向があり、好き嫌いのまえに正しいか正しくないかが出てきてしまう。
だからこそ、美味しいという「感覚」を言葉にして整理している鳥羽さんに勝手に共感をしていたのかもしれません。

②最強の仲間がいる
面談の中で唯一条件として私が提示したのが、「仲間で一緒に戦うこと」です。呪文のように、「仲間がいるなら、頑張れます」と言っていた記憶があります(笑)

シズるの面談をしていく中で、
私はとてもさみしかったんだと気が付いたんです。
前職ではチームで仕事をしているはずなのに、なぜか個々で戦っていました。それは人間の相性や会社の方針など、しょうがないことだったとは思います。

でも私は1人では戦えなかった。

そこに対してひたすら、みんな優しいし、仕事できるし、1人でも戦える人たちが集まって一緒に戦っているよ、大変だけど、間違いなく楽しいと何回も、何回も、答えてくれました。
その人たちのすごさを、今まさに目の当たりにしています。

③今しかないお得感
設立直後の今だからこそ、入るべきだと思いました。
これからもっともっとスゴイ会社になることは確信していたし、入社した今でもそれは変わりません。
変わったのは、スゴイ会社にしてやる、という生意気な心意気でしょうか。
だからこそ、
会社の軸となる人たちのもとで働けるのは、
今しかないと思いました。

④店舗作りに関われる
空間を作ることには、未練がありました。
私の夢は、自分のお店を持つこと。
そして、そのお店が誰かの居場所になること。
前職では、家という居場所を通して。
シズるでは、店舗という居場所を通して。
道は違いますが、変わらず同じものを目指しています。

⑤絶対的に信じているものがある
美味しいものは、人を幸せにします。
当たり前に信じすぎていて、
その想いが人より強いことにやっと気が付きました。
泣きながらご飯を食べたことがある人は、生きていけるんです。
だから私は、泣きそうな人に美味しいものを届けられる人でありたい。
そして、シズるには美味しいのプロがいます。間違いありません。

最終面談。奇しくも、鳥羽さんに会って言われたのは、
「なんかセンス良さそうだから、俺、良いと思うよ」でした。
採用を担当してくれた岸田さん(私が何回も電話をした方)には、
「粘り勝ちやね」と言われました。

2021年9月 ここには、愛があります

正直、内定をもらった5月から、入社までの2か月半が1番不安でした。
あれだけ啖呵を切っておいて、果たして本当に自分は頑張れるのか。
またすぐメンタルやられるんじゃないかとか、
もうすでに頑張れない人になっているんじゃないかとか。

正直言うと、今も少し怖いです。
この前の岸田さんとの面談では、ちゃんとやれていますかと確認してしまいました。

でも、頑張れているかは分からないけど、
頑張れそうな自分がいることには気づいていて、
今はそれがとても嬉しいです。
鳥羽さんを初めとする最強の仲間がくれるたくさんの愛がそう思わせてくれています。

入社1ヶ月目の気づき。ここには、愛があります。

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