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電気製品をはじめて扱うときの悩みごと  2

「電気用品安全法(PSE)対応のこと」 その2

 前回の記事では、電気用品安全法(PSE)について、その概要をご説明しました。今回は、電気製品を輸入したり製造したりする企業(それぞれ輸入事業者、製造事業者といいます)が、法対応としてなにをしなければならないか、概要をご説明していきます。

【PSE対象の製品を扱う事業者は何をしたら良いのでしょう?】

 PSEの対象となる電気製品を扱う企業は、前回ご説明した通り「輸入事業者」「製造事業者」「販売事業者」ごとに法律で定められたこと(義務になります)をきっちり行う必要があります。ですので、まずはPSEのことを勉強してください。正しい知識を得て、正しく義務を果たすこと、これが大変重要なことになります。
 電気製品は大変便利なもの。電気製品を使う人が、楽しく豊かな生活を送ることができること。そのためには、安全で安心して使える電気製品を提供することが企業の責任ということになりますよね。
 PSEは法律ですので、最初はとっつきにくいと思います。しかし実務を行って慣れてくれば、あとは同じ流れを同じように行うだけ。がんばって勉強していきましょう!

■PSEの大きな流れ
 PSEには、◇の中にPSEと表示するもの、○の中にPSEと表示するものがあります。それぞれを「特定電気用品」「特定電気用品以外の電気用品(特定以外の電気用品)」といいます。JETやJQAといった専門機関と付き合う場合、このような言葉がでてきますので、覚えておいてくださいね。とはいえ、◇(ひし形)PSEとか○(まる)PSEという言葉でも通じますので、ご安心を。
 PSE対象の製品を扱う場合、それが◇PSEなのか○PSEなのかで、フローが少し異なりますので、以下に大きな流れをまずご紹介します。


①    PSE対象かどうかの確認
 これはすでにご説明した通りです。取り扱う電気製品がPSE対象かどうかを、経済産業局やJETなどの機関に相談します。その際、対象ということでしたら「電気用品の区分」「電気用品名」を教えてもらいます。

②    輸入・製造事業届出
 対象かどうかを確認した経済産業局(自社の所在地の管轄の局)に、電気用品を輸入または製造することを届出します。届出は、事業の開始から30日以内に。事業の開始というのは、その電気用品を輸入または製造することを決めたときとされています(例えば企画会議で決めたとか)が、これは企業により状況は様々かもしれませんね。なお届出のフォームは、経済産業省の「電気用品安全法のページ」から入手できます。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/format.html
届出は「電気用品の区分」ごと。「電気用品名」を記載する必要がありますので、①で聞いてきたことを書き、「型式の区分」を添えて提出します。

③    PSEの技術基準に適合していることの確認
 法律では、「技術基準適合確認」といいますが、ここが一番の肝になると思います。PSEの対象製品(電気用品といいます)は、法律で定めている安全基準に合格した安全な製品であることが求められます。これを証明するのが、この「技術基準適合確認」になります。
 海外製品を輸入する場合は、メーカからその試験成績書を取得します。メーカが試験成績書を持っていない場合、メーカに依頼して試験成績書を作成してもらうか、輸入事業者が自らJETなどの専門機関に依頼して試験成績書を作成してもらうことになります。試験のための費用は、製品によっても異なりますが20万円から100万円ぐらいの幅があるそうです。なお試験を行っても合格できない場合は、輸入できないことになりますので、あらかじめ合格できるものかどうか、しっかりメーカに確認しておくことが大切です。
 製造事業の場合は、自らJETなどの機関に試験を依頼しますが、こちらも合格できないと販売できません。製品を設計する際には、技術基準を意識しておくことが大切になります。
 技術基準は、「電気用品安全法のページ」の「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について」で確認することができます。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/act.html

④    適合性検査
 特定電気用品(◇PSE)の場合は、適合性検査というものが必要になります。こちらは、JETなど国に登録された検査機関に依頼して実施するものです。製品のサンプルを提出して安全性を評価してもらうことと、製造工場に法律で定められた検査設備があることを確認に来てもらいます。
 輸入の場合は、メーカに適合性検査が合格していることをしっかり確認し、その証明として検査機関が発行した「適合同等証明書の副本」をメーカから取得しておくことが必要になります。
 検査機関の一覧は、「電気用品安全法のページ」で確認できます。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/cab_list.html
なお、特定以外の電気用品(○PSE)の場合は、適合性検査というものはありません。

⑤    全数検査
 法律では自主検査といわれていますが、自らが行う製品の全数検査になります。輸入する場合は、メーカに依頼して、輸入するロットごとに対象ロットの製品の検査データを同梱してもらいましょう。これは全数検査が必要ですので、ロットの抜き取り検査データではだめですよ。
 自社製造の場合は、製造工程の最終検査で行われることが一般的だと思います。
 検査データは3年間の保管が義務付けられています。検査項目は、「電気用品安全法のページ」の「電気用品安全法施行規則」にある「別表第三」で確認することができます。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337M50000400084#436

⑥    PSEマークの表示
 ここまでできたら、特定電気用品には◇PSEマークを、特定以外の電気用品には○PSEマークを製品に表示することができます。なお製品への表示は、届出事業者名も必要になりますので、輸入する場合はメーカにそのことを伝えておくことが必要ですよ。
 表示方法については、「電気用品安全法のページ」の「届出・手続の流れ」を見てみてください。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/procedure_08.html

⑦    販売
 やっとこれで製品を販売できるようになりました。
 逆に言うと、ここまでできなければPSE対象の電気製品は販売ができないのです。海外メーカのものを輸入する場合は、特にメーカの協力が重要になってきます。PSEマークが付いている製品だとしても、メーカに技術基準適合確認の試験成績書や全数検査データの提出が可能か、さらに特定電気用品の場合は「適合同等証明書の副本」が提出可能かについてもしっかり確認してから、契約するようにしてください。
 ちなみに経済産業省では、市場に流通している電気用品が法律で定めた基準に合致した安全なものであるかどうか、届出事業者がしっかりその義務を果たしているかどうかを、確認するそうです。違反していると罰則が課せられ、最悪の場合は製品の回収や罰金刑、懲役刑などにもなるそうですよ。
 なお国内からPSE対象の電気製品を仕入れて販売する「販売事業者」の場合ですが、輸入事業者や製造事業者が安全性を確認してPSEマークを表示していますので、表示が正しくされていることを確認することで、販売できるようになります。

ここまでが、電気用品安全法の対応についての概要になります。
専門用語や法律用語も出てきますので、最初はとっつきにくいと思いますが、対応できなければ製品を取り扱うことができませんので、がんばりましょう。
 

【「PSe accompany」は】


 私ども「PSe accompany」では、PSE対応の経験が少なく不安に思っている方々に寄り添う形で、お手伝いをしたいと考えています。PSE対応は、あくまでも事業者の方の責任。自社でその責任を果たせるようにするために、どのように対応したらよいか悩むときもあるでしょう。そんな時、貴社と一緒に解決方法を考えたいと思います。ぜひ一度、私ども「PSe accompany」にご相談ください。

 ご希望の方には、電気用品安全法の対応の実務についてご説明した資料をお送りします。輸入事業者、製造事業者ごとに分けてありますので、どちらが必要かメールでご請求ください。なおご請求の際には、
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