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帰ってきた介護セミナリオ!<009>「ケアマネジメントの質の向上」と「利用者負担」に相関関係はあるのかを考察

次期報酬改定では、居宅介護支援費の1割負担(または定額負担)は避けられない様相です。
ここで、ちょっと考えてみます。

平成30年5月23日付で財務省から公表された
「新たな財政健全化計画等に関する建議(財政制度等審議会)」
では
ケアマネジメントの質の向上と利用者負担について
と題された資料が提示されています。財務省サイトにリンクを貼ります。

論点として
1.介護保険サービスの利用にあたっては一定の利用者負担を求めているが、居宅介護支援については、ケアマネジメントの利用機会を確保する観点などから利用者負担が設定されていない。

2.ケアマネジメントの主な業務は、初回のケアプラン作成の後、毎月のモニタリング(要支援は3か月ごと)と数か月ごとの評価やケアプランの変更等となる。こうした業務については利用者負担がないことで利用者側からケアマネジャーの業務の質についてのチェックが働きにくい構造になっていると考えられる。

3.また特養などの施設サービス計画の策定等に係る費用は基本サービス費の一部として利用者負担が存在。既に一定の利用者負担の下に介護サービスが利用されていることを踏まえれば、居宅介護支援への利用者負担は、サービスの利用の大きな障害にはならないと考えられる一方、利用者が、より一層ケアマネジャーの質のチェックを行っていくことに資すると考えられる。

論点をざっくり翻訳すると
1.ケアマネジメント費用は利用者負担が設定されていない
2.ケアマネジメント業務に利用者負担がないので利用者が業務の質のチェックが難しい
3.ケアマネジメントの利用者負担については、各種介護サービスに利用者負担が設定されているので、自己負担設定してもケアマネジメント利用を控えることはない、と同時に、利用者がケアマネジャーの質のチェックをすることを助ける

こういうことと理解しました。
まとめると
「もうすでに他の介護サービスで利用者負担導入されているから、ケアマネジメントに導入しても支障ない、利用者が負担をすることで、ケアマネジャーの質のチェックをしてもらおうじゃねぇか。保険者はケアプランチェックして、ケアマネジャーの質の向上をするからさ」

利用者は、自腹を切れば、質のチェックをする、のでしょうか(自腹であろうがなかろうが、行っているはず)。
その結果、ケアマネジメントを行うケアマネジャーの質の向上が行われるのでしょうか(自己負担とは無関係と思える)。
そもそも、質の良いケアプラン・ケアマネジメント・ケアマネジャーとはどういう像を示すのでしょうか。

これは、ケアマネジャーひとりひとりに突きつけられていると思います。
皆様は今後、何を学ぶことで、同時に、どのようなことが「質の向上」とお考えになるでしょうか。

平成33年は、もう、そこまで来ています。

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