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十日町教会の牧師コラム

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十日町教会・牧師としてのコラムを掲載いたします。聖書研究祈祷会でしたお話などもこちらにアップして行きます。フォロー&いいねを押していただけると励みになります。よろしくお願いいたし…
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記事一覧

新潟県中越地震20年を覚えて

新潟県中越地震とボランティア活動  20年前の2004年10月23日午後5時56分、新潟県川口町(現長岡市)を震源とする新潟県中越地震が発生しました。当時の十日町教会は新井純牧師が牧会されておりましたが、震災から2日後に教会にボランティアセンターを設置して地域に根差した被災支援活動を展開されました。  その年の冬は大雪に見舞われ、雪掘りボランティア活動が開始され、現在に至るまで雪掘りキャンプという形で続けられています。多くの青年が雪国での生活を学び、また各地で発生した災

説教って難しい 牧師も頭を抱えています

日曜日の午後につらつらと こんにちは。この記事は15日日曜日の午後、すなわち教会で毎日曜日に行われる礼拝後に書いています。 牧師になって約10年が経過した最近になってよく感じる困難さを隠すことなくさらけ出したいと思います。 それは説教(メッセージ)を作るのって難しいなってことです。 説教を作るのは難しい 特に手紙から作るときはなおさら 今日は聖書の中でも新約聖書の書簡と呼ばれる手紙から説教(メッセージ)をしました。新約聖書に収められた手紙には個人宛、教会宛など様々

原水爆禁止十日町市民大会に参加しました

8月6日の午前8時から十日町市において原水爆禁止十日町市民大会が開催され、原水爆禁止十日町市協議会の一員として参列してきました。 この式典は第75回目を迎えます。詳細は以下にリンクした十日町市のホームページに譲りますが、式典参加を通して改めて平和の尊さを考える時を持つことができました。 原爆投下から79年が経過したいま、被爆者のほとんどは亡くなられてしまいましたが、広島、長崎には当時子どもだった方、またお母さんのお腹の中にいて体内被曝した方がまだご存命です。戦争と原爆の傷

天秤の話

はかりの話 こんにちは。先日の聖書研究祈祷会では『信徒の友6月号』に掲載されている「考古学が照らし出す聖書 第3回はかり」を参加者とともに読みました。 重さ 皆さん普段の生活で重さを測ることはありますか。私はコーヒーが好きでして毎朝スケール(電子はかり)でコーヒー豆の重さを測ってコーヒーを淹れています。さらにコーヒーを美味しく淹れるためにお湯の量を測るのにもスケールを使います。 天秤 古代世界ではスケールなんてありませんから、重さを測るために天秤と分銅を用いたそう

牧師だより 2024年5月号

牧師の困りごと  牧師という働きをしていると本が増えていきます。気が付けば本棚いっぱいになり処分する本をまとめるのですが、もっとも困るのは引越しの時です。段ボールに詰めるのも大変ですが荷解きも大変。今回の引っ越しで引越し社が持ってきた4トントラックは荷物でいっぱいになりました。(表紙の画像がそうです) ブックレビュー&寒河江文庫の紹介 たくさんの本の中にはぜひ皆さんにも読んで欲しいと思うものがたくさんあります。牧師だよりでは不定期に本の紹介を行いたいと思います。また教会

聖書の分かち合い:サムエル記上26〜27章

この記事では毎週水曜日に行われている聖書研究祈祷会から、聖書通読の際に用いたレジュメを公開します。 聖書通読: サムエル記上26章〜27章 聖書本文は以下の日本聖書協会のページから読むことができます。 https://www.bible.or.jp/read/vers_search.html サムエル記の前提  ダビデ王朝下で書かれた書物である。つまりどういうことかといえばダビデ物語であり、ダビデ王朝礼賛の要素を持っている。一方で私たちは聖書が単純に著者の手による

マルコによる福音書と新島襄の手紙のはなし

今週の聖書研究祈祷会  こんにちは。4月24日(水)10時30分から教会の集会室で聖書研究祈祷会が行われました。当日は増田琴『マルコ福音書を読もう』の「はじめに」を読み、マルコ福音書の特徴などを参加した皆さんと分かち合いました。 聖書を翻訳する難しさ  本を読みながら、以前『聖書 聖書協会共同訳』の翻訳に携わった聖書学者の1人の講演会で聞いたことを思い出しました。どんな内容かというと、「ギリシア語聖書を書いた人たちの中にはギリシア語を第一言語としていない人もいるから、

渡辺亀吉を知っていますか?

 渡辺亀吉は神戸教会の信徒だった人物です。1857(安政4)年生まれ。父親には酒と博打癖があったため、亀吉が6歳の時に母親は亀吉を残して郷里に帰ってしまいました。さらに彼が8歳の時に父親が蒸発したためおばのところに引き取られましたが、10歳になると家から追い出されてしまい、彼は生きるために盗児(子どもたちの犯罪者)グループに入って盗みを繰り返しました。  彼は監獄に入っては出、また入っては出ということを繰り返します。当然ですよね。出所したって生きるためには盗むしかないのです

李 仁夏「旧植民地出身者から見た戦後50年の日本」

※サムネイルは日本基督教団の公式サイトを借用しました。ぜひ日本基督教団の公式サイトも閲覧ください。  日本基督教団の教会ではこの時期に戦争責任告白をなさることが多いのではないでしょうか。ここでは日本基督教団が戦争責任告白を発表するに至る歴史小話を紹介いたします。  ご登場いただくのは故・李 仁夏さんです。以下に略歴を掲載します。 李 仁夏(イ・インハ)略歴 1925年韓国生まれ。41年3月勉学を続けるため来日。52年日本基督教神学専門学校卒業。57年トロント大学、ノック

¥100

日本基督教団の戦争責任告白といま-日本そして日本の教会の加害性-

日本基督教団の戦争責任告白-日本そして日本の教会の加害性- 「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」は激しい議論、賛否両論の中で教団常議員会の決議により鈴木正久教団議長名で公表された。以下にその詳細とその意義について先人の言葉を紹介しつつ簡単にまとめたい。 教団新報(1967年3月18日)によると、教団は第3回常議員会の決議により「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」を3月26日付で公表することになった。この「告白」は第14回教団総会に提

長島聖書学舎について

この記事は有料設定にしていますが最後まで無料で読めます。 記事を読んだあと、私の歴史研究のためカンパしても良いという方がいましたら300円のカンパをよろしくお願いいたします。 以下本文 長島聖書学舎について 『ある群像 好善社100年の歩み』(201〜243ページ)を参考に  長島聖書学舎とは岡山県瀬戸内市邑久町虫明に位置するハンセン病の療養所・国立療養所長島愛生園内に1961年から1971年まで存在した聖書学校である。これを設立したのは牧師の原田季夫であり、好善社が

¥300

「悔い改め」って言葉、もうやめませんか。

「悔い改め」という言葉  言葉って大切です。キリスト教が正典としている聖書って元々は数千年前に使用されていた古代言語であるヘブライ語やギリシア語で書かれているので翻訳が大変なのはよく分かります。日本語だって平安時代とかの日本語を現代語に訳す際にはワードチョイスが難しいわけですから。  日本聖書協会が1987年に出版した新共同訳聖書以来、数十年ぶりに聖書協会共同訳聖書を出版しました。それがもう約3年前の2018年12月です。いろいろと課題はあるものの私自身は新共同訳よりも