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【体験記】日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画を受験して(前編)

日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画という外務省の事業に応募しました。
ちょうど5/27に2次審査が終わったところで、結果はもうすぐ出る予定です。前編では、1次審査について書いていこうと思います。

またプログラムの体験記かよ…と思われるかもしれませんが、今回の応募書類は本当に負担が大きかったので是非お伝えしたいと思っています。
直前まで何もやらない性格も相まって、締め切り前はずっとパソコンに張り付いて書類を作っていました。

★志望動機書や研究計画書についてさらに詳しく見たい方は、noteのプロフィールに書いてあるメールアドレスまでご連絡いただけると幸いです。

1.プログラムについて

外務省が主催する、日本政府とメキシコ政府の間で行われている研修生の相互派遣・受け入れ事業です。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/la_c/m_ca_c/mx/pagew_000001_00514.html

コース内容の詳細はこちら(引用です)

(1)コース内容:
長期コース(約1年間)

メキシコ国内の大学、大学院等における専門科目またはスペイン語を受講する。なお、専門科目の受講にあたっては、両国の戦略的グローバル・パートナーシップの強化に資する専門分野を専攻することが推奨される。

短期コース(約2週間)(2010年度から新設)
政府・公的機関、研究機関等において、専門分野にかかる講義の受講、関係施設の視察等を行う。上記1(2)の共同声明に掲げられた各分野に関連するコースが設置される。(2019年実施の第48期コースは、メキシコの知的財産制度コース、メキシコの税関制度コース、メキシコの防災戦略コースを実施。)

(2)待遇:
往復旅費、派遣期間中の一定の滞在経費及び授業料・講義料等をメキシコ政府が支給。

(3)選考:
日本側で、選考試験(書類審査、筆記試験(コースによる)、面接等)により候補者を選定し、メキシコ側が受入を決定。((注)コースによっては中央省庁、公的機関、姉妹都市等からの推薦枠あり。)

1.1 長期コース(専門)の概要

長期コースはスペイン語学習を主に行う「スペイン語・メキシコ文化コース」と、現地の大学院に通う「専門コース」があります。応募人数はコースを合わせて20人くらいです。
私は専門コースに出願しており、以下その特色や準備について書きます。

まず、コースでどのようなことを行うのか簡単に示します。
必ずホームページで最終の情報を確認してください。

派遣予定期間:2024年8月中旬から2025年7月下旬

内容:メキシコ国家人文科学技術審議会(CONAHCYT)修士課程奨学金システム(SNP:Sistema Nacional de Posgrados)(スペイン語)に登録されているメキシコの大学、大学院等の研究機関において、文系、理系の専門分野の授業を履修する。(スペイン語の一定能力が必要)

スケジュール
メキシコ到着後:
①オリエンテーションに参加
②メキシコ国立自治大学(UNAM)の外国人のためのスペイン語コース(CEPE)にて実施されるスペイン語能力判定試験を受ける必要がある。同試験において中級レベルに達していないと判定される場合は、研修当初、同大学のスペイン語コースにて語学研修を行う。
③奨学制度の開始手続き、奨学金の申請、メキシコで開設する銀行口座の登録等を行う。

研修期間中:
①CONAHCYTに対し、3か月毎に研修活動報告書を提出する。スペイン語の成績を維持する。
②スペイン語の授業の他に履修したメキシコ文化の授業やその他の授業・ワークショップに出席する

待遇
①滞在費:毎月、月額14,852.39ペソを支給。
②授業料:対象コースに対して入学金、授業料を支給。上限額は学期あたり8,000 ペソ(オンラインコースは対象外)。追加費用は、自己負担。
③医療保険:メキシコ政府が原則として負担する公務員保険・社会サービス庁に加入。
④渡航費:東京-メキシコシティ間のエコノミークラス往復航空券を支給。
⑤住居費:家賃は支給される滞在費から支払う。住居の選定、契約は留学生自身が行う。

応募資格
①日本国籍を有する者
②心身ともに健康な者
③4年制大学又は大学院の在学者(渡航時に大学3年生以上であること)、卒業者、または学位取得者に準じた資格、十分な職務経験を有する者。
④メキシコに単身で渡航できる者
⑤応募の時点でメキシコ国外に居住する者が望ましい

つまり1年間(節約すれば)自己負担なしでスペイン語を学んでメキシコの大学院に行けるというお得なプログラムです。
さらに条件付きでインターンシップにも参加させてもらえるそう。

2.志望動機


昨年、ヴルカヌスプログラムから帰国後、スペイン語を腐らせたくないと思い、スペイン語を使う機会を探しているときに存在を知りました。当時はメキシコにあまり興味がわかずスルーしていました。
その後、内閣府のプログラムでドミニカ共和国に行ったり、JICAのインターンでボリビアに行ったりと中南米にご縁があり、中南米でキャリアを作るのも悪くないかもと感じ始めていました。
特にJICAのボリビア事務所でインターンをしていた時、メキシコに行った職員さんが皆「メキシコは良かった」と口をそろえて言っていたり、
ボリビアで畜産衛生分野の専門家として働いている西野さんが日墨のアラムナイで、当時の苦労話や同期の話を聞いたりして、メキシコに行きたい、プログラムに参加したいという思いが強くなりました。

そして、せっかくならスペイン語と(できればエンジニアリングの)専門分野の二刀流を極めたいと思い、専門コースで出願することにしました。

やっぱりヴルカヌスでスペインに行ったのが非常に大きかったですね…

専門コースということで、研修計画書では大学院で何をやりたいかも書かなければならないのですが、これは(メキシコの大学院じゃなくても)もともと決まっていました。

3.必要な書類

これが本当に大変だった。笑

出願書:住所や経歴など
CONAHCYT申込書:スペイン語で住所や経歴を書く
志望動機書:A4 2枚、日西(or英)
研修計画書:A4 2枚、日西(or英)
推薦状:3枚、日西(or英)
成績証明書、卒業証明書:日西(or英)
語学証明書:西or英
健康診断書:日英
戸籍謄本:日西(or英)
パスポートの写し
写真:2枚

これらの書類を1セットとして、日本語で4セット、西(or英)で2セット作る必要があります。最終的に外務省に送る書類の枚数でいうと100枚くらいになります。面接のときに4人の面接官がみんな紙を参照しながら話していて、この人たちのためなのか…と思いました。ペーパーレス化してほしい。

以下が日墨のサイトに載っている、必要書類の一覧です。

3.1 出願書、申込書

これは何も考えなくてもできます。
写真を張り付けて原本とし、それをコピーするとか、大学院のコースが変更になったら(後述)それに合わせて書き直すとか、意外と最後まで作業してしました。

3.2 志望動機書、研究計画書

志望動機書と研修計画書はそれぞれA42枚、文字数だと2000字くらいになり、なかなか労力がかかります。

志望動機書は、ただ「メキシコに興味がある」では文字数が足りないです。自分の今までの経歴を踏まえて、なぜ今メキシコに行きたいのか、なぜこのプログラムである必要があるのか、プログラムに参加した後どうしたいのかなど、「自分がこのプログラムに参加するに値する」ということを明確に示す必要があります。
私は、スペイン、(インド)、ドミニカ共和国、ボリビアでの経験や見てきた課題を踏まえて、「スペイン語と専門技術を磨きたい」「メキシコと日本をつなぐ第一人者になりたい」「メキシコをはじめとした中米文化に触れたい」の3本で書き上げました。

研究計画書についても、大学のプログラムやシラバスをよく調べて書く…といいたいところですが、メキシコの大学院の科目シラバスが見つけにくく面倒でした。Google検索では出てこなくて、大学院のサイトでリンクをかたっぱしからクリックしていました。
私はヨーロッパの大学院に出願していたのですが、やりたいことはメキシコでも変わらなかったので、まずは書類をそのまま流用して、少し文章を膨らませたり、メキシコの大学院の科目に合わせて書いたりなどして作成しました。しかし、大学院のコースを調べていくうちに、もともと決めていたコースを変更したくなったので、前日に慌てて一部書き直して(!)なんとか完成させました。それに合わせて、出願書、申込書も変更しました。

3.3 推薦状

推薦状を短期間で3人集めるのも大変です。
幸いなことに、ヴルカヌスでお世話になった上司と、JICAボリビア事務所の方と、研究室の先生からいただくことができました。
研究室の先生については、事前にどのようなことを書いてほしいのか、自分で下書きを書く必要がありました。
直筆のサインが必要だったのですが、執筆者が海外在住の場合はサイン済みのPDFでも構わないとのことでした。(外務省の担当者にメールで聞いた方がよいです)

3.4 成績証明書、卒業証明書、健康診断

成績証明書、卒業証明書、健康診断書も人によっては手続きに時間がかかるかもしれないです。健康診断は簡易なもので問題ないと思います。
英語版も必要になるので、どこで入手できるかあらかじめ調べておくことをおすすめします。

3.5 戸籍謄本

戸籍謄本はコンビニで印刷をした後、英訳をボールペンで記入しました。
「戸籍謄本 英訳」と調べると、自治体が英訳を載せてくれるページがいくつか見つかると思います。


4.スケジュール

タイムラインは以下のような感じでした。絶対に真似しないでください。

4月9日:X(Twitter)でプログラム応募が開始されているのを知る
→例年の募集は8月締切だったので、非常に焦った

4月9日:JICA、ヴルカヌスの上司に推薦状をお願いしOKをもらう
→メキシコに本当に行くべきかどうかよく考えずに脊髄反射で連絡

4月12日:健康診断に行き、診断書を日、英でもらう。

4月15日ごろ:上記の二人からサイン入りの日、西の推薦状をもらう。研究室の先生に推薦状をお願いする。

4月15日:出願書、申込書を記入する。志望理由書、研究計画書のドキュメントだけ作り、しばらく放置する。

4月19日:学校で日、英の成績証明書、卒業証明書をもらう。

4月25日ごろ:出願書や申込書を書き始める。

4月28日:戸籍謄本をコンビニで印刷する。

4月29日:書類を一気に書き上げる。戸籍謄本の英訳をする。できている書類のコピーを取る。

4月30日:研究室の先生から、推薦状のサインをいただく。

5月1日:当初考えていた大学院のコースを変更する。これにより、志望動機書と研究計画書を書き換えることになる。日本語と同時並行で英訳をする。

5月2日朝:英訳を完成させる。ほとんど見直す時間なし。

5月2日昼:郵便局からゆうパックで提出


5. 1次審査の結果

5月14日に1次審査の結果が届き、5月27日に筆記試験、面接をすることが決まりました。
次のnoteは面接編です!

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