0 『孫子』を分解・再構成する
1 はじめに
孫子の13篇は各章によってその特性が異なり、通常は章ごと読むことが推奨される。
しかし、現代においてそのままで理解するにはわかりづらいのではないか。
現代の軍事学的視点から分解してみるとどうなるのか。
そのような視点から再構築を試みたい。
2 孫子を分解すると
孫子を軍事学的視点から分解すると以下のようになるだろうか。
1 戦争観
2 戦争の分析・計画
3 戦争の遂行ー戦略次元
4 戦争の遂行ー作戦次元
5 戦争の遂行ー戦術次元
6 軍隊の在り方
7 君主と将軍について
3 更に細分化すると
更に細分化した場合に対応する各番号は以下のとおりになる。
1 戦争観
(1)戦争の重要性 1
(2)戦争の経済的影響 5、61
(3)騙しあいとしての戦争 3
2 戦争の分析・計画
見積(廟算)の重視 1、4、16、27、60
3 戦争の遂行ー戦略次元
(1)戦争のエンドステイト 9
(2)方法としての「詭道」 3
(3)方法としての「謀攻」 10、37
(4)非軍事的手段としての「間(スパイ)」 61ー66
4 戦争の遂行ー作戦次元
(1)短期終結、兵站の確保 5、6
(2)不敗の態勢 14、15
(4)敵を動かす 22
(5)無形 26、28、29 11
(6)行進 30、31、32
(7)勝利 13
5 戦争の遂行ー戦術次元
(1)戦闘の様相 21
(2)敵情の解明 44ー46
(3)主動性の発揮 37
(4)勢いの重視 18、20、23
(5)弱点を突く、つくる 19、24、25、54
(7)地形の重視 39-43、47、52、
(8)戦闘 33、53、
(9)火攻 67ー69
6 軍隊の在り方 48、50、55、56、57、58、59
7 君主と将軍について
(1)君主 12、70
(2)将軍 1、6、8、12、13、38、48、49、59、70
2 孫子には何が書かれていないか
1 戦争の準備について書かれていない
2 防勢作戦、防御について書かれていない。