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なぜ税務調査で重加算税を課されたらダメなのか?

税務調査でもっとも問題になりやすい項目の1つが、重加算税です。

実際のところ、国税庁が公表している統計によると、法人に対する税務調査のうち、約20%に重加算税が課されているのが実態なのです。

目次
1. 仮装と隠ぺい
2. 3つのデメリット
2.1. ①35%の重加算税
2.2. ②延滞税
2.3. ③以後の税務調査に影響する

1.仮装と隠ぺい

重加算税の法的要件は簡単にいうと、「仮装」または「隠ぺい」と認定される行為をしたこと。

「仮装」とは、請求書の数字を書き換えるなど、何かをねつ造したり偽造したりすること。

また「隠ぺい」とは、本来ある請求書を隠したりすることです。

ただし、これらはあくまでも例示であって、1つの行為を「仮装または隠ぺい」に該当するのかどうかを判断・判別するのは殊のほか難しいのもまた事実です。

例えば、毎月払っている外注先に対する支払い。

これがたまたま、ある月だけ帳簿に2重に計上されていたとしましょう。

つまり、一部の経費が2倍になっていたわけです。

この事実を調査官が見つけた場合はこう言うでしょう。

「経費の2重計上ですね。これは仮装行為になりますので重加算税ですよ!」

しかし、実際のところはどうなのでしょうか?

経費を増やして税金を減らしたければ、そんなバレバレのことを本当にするものでしょうか?

おそらく、真相はこうでしょう。

「取引先からの請求書を誤って2回入力してしまった。

そして、決算のときに気付かずにそのまま申告してしまった。」

これが真実なんだとすれば、ただのミスなわけです。

ミスに重加算税という罰則が課されるのはおかしいとは思いませんか。

確かに法律上は「仮装または隠ぺいの場合は重加算税」と規定されているのですが、何が「仮装」で、何が「隠ぺい」ではないのかの線引きは、もはや言葉の定義によるわけです。

ここでわかりやすい線引きは、「わざとやったかどうか」だと覚えておいてください(あくまでもわかりやすく説明しています)。

言葉の意味合いを考えてみてください。

「わざとじゃない仮装」というのはあり得ませんよね。

「うっかり隠ぺい」もないわけです。

「仮装」や「隠ぺい」と認定するためには、「わざとやったこと=故意」が要件となるわけです。

上記の例でいうと、調査官が重加算税だと主張してきた場合、こう反論することです。

「ちょっと待ってください。これはどう考えても、ただのミスでしょう。

本当に脱税したければ、同じ日に同じ金額で同じ取引先に対して支払った入力しないですよ!」

つまり、ミスであることを主張すれば重加算税は課されないのです。

2.3つのデメリット

税務調査において重要なのは「駆け引き=交渉」です。

税務署とモメることがいいわけではありません。

税務調査が長引くのは誰でも嫌ですし、モメて得することがないのもまた事実ですから。

しかし、税務調査において譲れないポイントがあるとすれば、それは重加算税です。

なぜなら、重加算税には3つの大きなデメリットがあるからです。

2.1.①35%の重加算税

税務調査の結果として誤りが見つかり、修正申告になったとすれば、

通常10%の加算税が課されます。

これを過少申告加算税といいます。

つまり、誤っていたのだから、罰則的な10%を追加的に払わなければならない、というわけです。

しかし、重加算税となると、10%ではなく「35%」の税率に上がります。

つまり、重加算税だと追徴税額が25%増しになるのです。

2.2.②延滞税

ここは気付いていない人が多いのですが、重加算税になると実は延滞税が一気に高くなります。

延滞税は税金の納付が遅れたという意味合いで、利子と同じ効力をもつものなのですが、実際は計算上1年分のみ課される(特例)ことになっています。

しかし、重加算税の場合はこの特例計算ができないため、延滞税が非常に高くなるのです。

2.3.③以後の税務調査に影響する

支払う追徴税額は①②を合わせた分だけ多くなるのですが、さらに、重加算税を課されると、それ以降税務調査に入られやすくなります。

これは税務署が、過去に重加算税を課した会社や個人事業主をマークしているからに他なりません。

重加算税を課されたということは、過去に税金を「わざと誤魔化していた」という事実の認定なのですから、当然といえば当然の顛末かもしれません。

税務調査が早く終わるからといって、安易に重加算税を受け入れるべきではない理由がおわかりいただけたかと思います。

このようなデメリットをきちんと知ったうえで、税務調査に臨む必要があるというわけです。


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