Nagahama Study:PRISmは喫煙歴や併存疾患とは独立した気流制限発症の危険因子

Kogo, Mariko, Susumu Sato, Shigeo Muro, Hisako Matsumoto, Natsuko Nomura, Tsuyoshi Oguma, Hironobu Sunadome, ほか. 「Longitudinal Changes and Association of Respiratory Symptoms with Pres erved Ratio Impaired Spirometry (PRISm): The Nagahama Study」. Annals of the American Thoracic Society 20, no. 11 (2023年11月): 1578–86. https://doi.org/10.1513/AnnalsATS.202301-050OC .

【理由】スパイロメトリー(PRISm)が保たれている患者では、呼吸器症状が増加するが、その特徴は様々である。しかし、これらの症状や呼吸機能の経時的変化についてはよくわかっていない。

【目的】 縦断的かつ大規模な一般集団研究において、呼吸器症状の観点からPRISmを調査すること。

【方法】 長浜研究では9,789人の住民を対象とし、5年後に追跡評価を行った。長引く咳、痰、呼吸困難などの呼吸器症状、併存疾患について、スパイロメトリーおよび自記式質問紙調査を行った。

【結果】 合計9,760例が解析され、438例がPRISmであった。PRISmを発症した被験者のうち、53%が呼吸器症状を呈し、呼吸困難はPRISmと独立して関連していた。
追跡調査の結果、呼吸器症状を呈したPRISm患者の73%は一貫して症状を呈したが、無症状のPRISm患者の39%は5年以内に呼吸器症状を発症した。
さらに、ベースライン時に気流制限を伴わない呼吸器症状を有する被験者において、PRISmは喫煙歴や併存疾患とは独立した気流制限発症の危険因子であった。

【結論】 本研究により、PRISm患者の53%が呼吸器症状を有していることが示された;呼吸困難はPRISmの明確な特徴であった。症状のあるPRISm患者の約4分の3は、5年以内に一貫して呼吸器症状を訴えた。PRISmそのものが、呼吸器症状を有する被験者の慢性閉塞性肺疾患発症の独立した危険因子であるという我々の結果と合わせて、症状を有するPRISm被験者の臨床経過には注意深い観察が必要である。

【キーワード:肺機能検査;気流制限;呼吸困難】


Keywords: pulmonary function test; airflow limitation; dyspnea

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