機械学習による評価:平均イベント持続時間により閉塞型無呼吸nCPAP治療の有益性に違い
眠気無しの閉塞型無呼吸:OSAで、あくまでも急性冠症候群の進行における睡眠時無呼吸症候群の影響(ISAACC)であることに注意!
平均イベント持続時間閾値(19.5秒)が鍵
BaHammam, Ahmed S. 「Personalizing Obstructive Sleep Apnea Therapy Using Machine Learning: Insights from the ISAACC Trial」. Annals of the American Thoracic Society 21, no. 7 (2024年7月): 1005–6. https://doi.org/10.1513/AnnalsATS.202403-308ED.
OSAとCVDの関連: 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は心血管疾患(CVD)の要因とされ、反復する低酸素症と再酸素化によって酸化ストレスと全身性炎症を引き起こし、冠動脈アテローム硬化を促進し急性心筋梗塞のリスクを高める。
CPAP治療の効果の一貫性: CPAP(持続的気道陽圧療法)はOSAの主な治療法であるが、CVDイベントの予防における効果はランダム化比較試験(RCT)で一貫して示されていない。この一貫性の欠如はOSAの異質性に起因する可能性がある。
異質性の考慮不足: CPAP療法のCVDイベント減少効果の不明確さは、OSA患者の異質性、特に病気特有のフェノタイプやエンドタイプの違いを考慮していないことに部分的に起因する。
ISAACC試験と機械学習の活用: Cohenらの研究では、ISAACC試験のデータを用い、非眠気のOSA患者におけるCPAP療法の効果を後解析し、機械学習技術を用いて異なる反応を示すサブグループを特定した。
重要な特徴とサブグループ: 平均OSAイベント持続時間と高コレステロール血症の状態がサブグループを定義する重要な特徴として特定された。特に、平均OSAイベント持続時間が短い(19.5秒以下)参加者は、CPAP療法によりCVDイベントの発生率が低下することが示された。
高リスクグループの特定: イベント持続時間が長く高コレステロール血症を有する参加者は、CPAP療法によりCVDイベントのリスクが2倍以上増加することが発見された。
仮説と臨床的意義: 長いイベント持続時間は高い低酸素負荷を示し、既存の心臓リスクを持つ患者においてCPAP療法が虚血前処置の保護効果を打ち消す可能性があると仮説付けられた。
参考文献:
Cohen, Oren, Manuel Sánchez-de-la-Torre, Zainab Al-Taie, Samira Khan, Vaishnavi Kundel, Jason C. Kovacic, Esther Gracia-Lavedan, ほか. 「Heterogeneous Effects of Continuous Positive Airway Pressure in Non-Sleepy Obstructive Sleep Apnea on Cardiovascular Disease Outcomes: Post Hoc Machine Learning Analysis of the ISAACC Trial (ECSACT Study)」. Annals of the American Thoracic Society 21, no. 7 (2024年7月): 1074–84. https://doi.org/10.1513/AnnalsATS.202309-799OC.
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