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急性呼吸不全:ROX指数

ROX指数の要素は$${S_pO_2}$$と呼吸回数ということで連続モニタリング可能で、心電図電極にてインピーダンス特性解析で呼吸回数同時測定できるわけだからさほど困難な指標ではないはず。


序文一部  日本語訳 with Claude

ROX指数は酸素飽和度と吸入酸素濃度の比(SpO2/FiO2)と呼吸数(RR)の比率として定義されています。この指数で評価される特性は非侵襲的であり、いつでも測定可能で、医療従事者以外の人でも測定できます。
現在、ROX指数はARHF患者に対する高流量鼻カヌラ(HFNC)療法の失敗可能性を評価する手段として広く利用されています[9, 10]。また、便利かつリアルタイムのモニタリング指標として、ARHFにかかった患者にさらに多くの情報を提供できるかどうかを知りたいと思っていました。そこで、ROX指数の死亡予測精度を検証するために、後ろ向きコホート解析が行われました。

Liu, Kai, Xin-Yi Ma, Hua Xiao, Wan-Jie Gu, Jun LyuとHai-Yan Yin. 「Association between the ROX index and mortality in patients with acute hypoxemic respiratory failure: a retrospective cohort study」. Respiratory research 25, no. 1 (2024年3月29日): 143. https://doi.org/10.1186/s12931-024-02771-9 .

日本語訳 with Claude
【背景】 ROX指数は急性低酸素性呼吸不全(AHRF)患者に対する高流量鼻カヌラ治療の有効性を評価するのに頻繁に使用されていますが、ROX指数と死亡率との関係はまだ明らかになっていません。したがって、ARHFにかかった患者におけるROX指数の死亡リスク予測能力を評価するため、後ろ向きコホート研究が実施されました。
【方法】 ARHRと診断された患者がMIMIC-IV データベースから抽出され、ROX指数の四分位数に基づいて4つのグループに分けられました。主要評価項目は28日死亡率で、入院中死亡率とフォローアップ死亡率が副次的評価項目でした。ARHR患者におけるROX指数と死亡率の関連を調べるため、制限付き立方体スプラインカーブとCOX比例ハザード回帰が使用されました。
【結果】 ROX指数と死亡率の間に非線形の関係(L字型)が観察されました。
ROX指数が8.28未満の場合、ROX指数が上がるにつれて患者の28日死亡リスクが顕著に低下しました(SDあたりのHR、0.858 [95%CI 0.794–0.928] P<0.001)。
一方、ROX指数が8.28を超えると、ROX指数と28日死亡率の間に有意な関連は認められませんでした。Q1グループと比較して、Q2、Q3、Q4グループの死亡率は大幅に減少しました(Q1 vs Q2: HR、0.749 [0.590–0.950] P=0.017; Q3: HR、0.711 [0.558–0.906] P=0.006; Q4: HR、0.641 [0.495–0.830] P<0.001)。
【結論】 ROX指数は成人ARHFにおける死亡リスクの有用な予測因子であり、ROX指数が低いほど死亡率が大幅に上がることが示されました。


はい、日本語訳します。 急性低酸素性呼吸不全患者におけるROX指数と HRの制限付き立方体スプラインカーブ。 (A) 28日死亡率のRCS曲線 (B) 3か月死亡率のRCS曲線 (C) 6か月死亡率のRCS曲線 (D) 1年死亡率のRCS曲線 (E) ICU内死亡率のRCS曲線 (F) 入院中死亡率のRCS曲線


Discussion要約 with Claude

以下が箇条書きの要約になります。

  • 本研究により、ROX指数の低下とARHF患者の死亡リスクの上昇との間に注目すべき関連性が示された

  • ROX指数はARHF患者の死亡リスクを評価する有効な指標であることが明らかになった

  • ROX指数はSpO2/FiO2(酸素化能力)とRRを組み合わせた指標で、重症患者を予測する上で信頼できる

  • PaO2/FiO2比は小児のARHFの予後予測に有用だが、成人では予測精度が低い

  • 動脈血採血が必要なPaO2測定に比べ、ROX指数は非侵襲的で連続モニタリングが可能

  • 入院24時間以内のROX指数平均値を使うことで、予測精度が向上する

  • ROX指数が一定の閾値を超えると、予測能力が低下する

  • ROX指数は安価でベッドサイドで使用でき、医療リソースが限られた環境でも活用できる

  • 本研究の限界として、後ろ向き研究であること、ROX指数の変動と転帰の関係が不明であること、閾値設定が適切でない可能性があることが挙げられる

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