改めて問う、Tezepelumab:T2低値喘息に有効なのか?


Corren, Jonathan, Andrew Menzies-Gow, Geoffrey Chupp, Elliot Israel, Stephanie Korn, Bill Cook, Christopher S Ambrose, ほか. 「Efficacy of Tezepelumab in Severe, Uncontrolled Asthma: Pooled Analysi s of the PATHWAY and NAVIGATOR Clinical Trials」. American journal of respiratory and critical care medicine 208, no. 1 (2023年7月1日): 13–24. https://doi.org/10.1164/rccm.202210-2005OC .




上記PATHWAY、NAVIGATORのプール解析についてのto the Editorの話



Lipworth, Brian, とRory Chan. 「Disconnect for Tezepelumab on Exacerbations, Symptoms, and Quality of Life in Type 2 Low Asthma」. American journal of respiratory and critical care medicine 208, no. 2 (2023年7月15日): 211. https://doi.org/10.1164/rccm.202304-0746LE .

2型(T2)低悪性度コントロール不能喘息患者は、利用可能な治療選択肢の点で、アンメット・クリニカル・ニーズを代表している。この点で、血中好酸球数<150cells/μl、呼気一酸化窒素分画<25ppbで定義されるT2低値喘息患者のサブグループにおいて、増悪が平均37%(95%信頼区間、0〜60%)減少したというエビデンスを示したテゼペルマブの第II/III相試験における主要評価項目のプールされたpost hoc解析には、いくらか勇気づけられた(1、2)。しかし、このようなT2低値喘息患者においては、症状コントロールやQOLなどの副次的アウトカムに対するテゼペルマブの有効性の欠如に関して断絶があるように思われ、この重要な点は添付の論説で見落とされていた(2)。
ここで、好酸球数が150cells/μl未満の患者において、テゼペルマブとプラセボの平均(95%信頼区間)差は、喘息コントロール質問票で-0.11(-0.34~0.11)、喘息QOLで-0.13(-0.30~0.05)であり、
呼気一酸化窒素の分画が25ppb未満の群では、それぞれの差は0.13(-0.12~0.37)および0.08(-0.11~0.27)であり、
いずれも統計学的に有意または臨床的に重要ではなかった。
さらに、同じバイオマーカーサブグループにおいても、気管支拡張前FEV1の平均差も有意ではなく、それぞれ0.00(-0.09~0.08)と0.06(-0.01~0.12)であった。
したがって、T2低値喘息患者におけるテゼペルマブの効果を、おそらく気道過敏性と小気道機能を含めて検討し、症状ではなく増悪の改善を説明する一助となるかどうか、前向きなメカニズム研究が必要であると考えている。

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