ドキシサイクリンはCOPD長期マクロライドの代替もしくは補完薬剤となりえるのか?

長期マクロライド有効かどうかわからない症例も多い。代替薬を探したい衝動に駆られる。

Allinson, James P., Ben H. Vlies, Simon E. Brill, Martin Law, Girvan Burnside, Lydia J. Finney, Luana Alves-Moreira, et al. “A Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Trial of Long-Term Doxy Cycline Therapy on Exacerbation Rate in Patients with Stable Chronic O Bstructive Pulmonary Disease.” American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 208, no. 5 (September 1, 2023): 549–58. https://doi.org/10.1164/rccm.202212-2287oc .



Clinical trial registered with www.clinicaltrials.gov (NCT02305940).
Keywords: chronic obstructive pulmonary disease; exacerbations; long-term; antibiotic; clinical trial

【理由】 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪は罹患率と死亡率の主な原因であり、その予防は重要な治療目標である。マクロライドの長期投与は増悪の抑制に有効であるが、他の抗生物質クラスに関するエビデンスは乏しい: ドキシサイクリンの12ヵ月間の使用がCOPD患者の増悪率を減少させるかどうかを評価すること。
【方法】 中等症から超重症のCOPDで増悪歴のある患者を英国の3施設から募集し、ドキシサイクリン100mgを1日1回12ヵ月間投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた。主要アウトカムは1人年あたりの増悪率であった。
【結果】 合計222人が無作為に割り付けられた。ベースラインの平均FEV1は1.35L(SD、0.35L)、予測値52.5%(SD、15.9%)であった。試験前1年間に治療された増悪回数の中央値は2回(SD、1-4)であった。患者の71%が2回以上の増悪を報告し、81%がベースライン時にすでに吸入コルチコステロイドを処方されていた。COPD増悪率は両群間に差はなかった(ドキシサイクリン/プラセボ比[RR]、0.86;95%信頼区間[CI]、0.67-1.10;P = 0.23)。治療された増悪または入院のみを考慮した場合、差は認められなかった。事前に計画したサブグループ解析では、重症のCOPD患者(RR、0.36;95%CI、0.15-0.85;P = 0.019)および好酸球数が300個/μl未満の患者(RR、0.50;95%CI、0.29-0.84;P = 0.01)では、ドキシサイクリンの方が増悪率を低下させるようであった。St. George's Respiratory Questionnaireで測定した健康状態は、12ヵ月時点でドキシサイクリン群で5.2ポイント悪化した(P < 0.007)。
【結論】 結論:定期的に増悪するCOPD患者では、ドキシサイクリンは12ヵ月間の増悪率を有意に減少させなかったが、より重症のCOPD患者や血中好酸球数が300個/μl未満の患者には有益であった可能性がある。
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消化管副作用が問題になること、さらに、最重症より重症COPDで有効である可能性、そして、heterogeneityやendotypeによる評価が必要であること。

ドキシサイクリンはテトラサイクリン系の抗生物質で、細菌の増殖を阻害することで効果を発揮し、半減期は12〜25時間である(10)。プロテオバクテリアが増加し、マイクロバイオームの多様性が低下している患者は、重症度が高く、増悪の頻度が高く、FEV1が低下し、血中好酸球数が低下する傾向があるというデータがある(11)。このことは、この研究で血中好酸球数が少ない重症患者のサブグループにみられたドキシサイクリンの有益な効果を説明できるかもしれない。抗生物質の特性とは別に、ドキシサイクリンのいくつかの生物学的特性が、主に動物モデルでの研究に基づいて提案されている。これらには、炎症を刺激する細菌産物の阻害、細胞内カルシウムのキレート化による白血球の遊走阻止、ホスホリパーゼA2の阻害とそれに続く炎症性メディエーターの形成、炎症性サイトカインと一酸化窒素の合成抑制などが含まれる(12)。しかし、ヒトでは、安定したCOPD患者(N = 41)を対象とした3週間の臨床試験で、ドキシサイクリンはIL-6、IL-8、好中球由来のミエロペルオキシダーゼ、マトリックスメタロプロテアーゼのレベルに対する効果を示さなかったため、これらの示唆された機序は実証されなかった(13)。また、以前のランダム化比較試験では、COPDにおけるドキシサイクリン予防の有益性を示すことができなかった(14、15)ことも特筆に値する(表1)。

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