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新作投稿。と、江戸時代のおサイフ事情を考えてみる

pixivに新作投稿しました。
#拷姦黙死録山狗 #山戌  其の拾五之序「泥濘み」 
  #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=13194723
「ほれっ、こないだの、字が逆の手紙。
あれを俺達の所に持ってきたのは、その松って女の幽霊だ。
つまり…どうやら、俺は幽霊の身篭った子を喰ったらしい」
・嵐に荒れる中川に落ちた男は、何処かへ流されていってしまった。
・中川の大橋で、男を待つイヌは、山狗と松の間に出来た子を喰った…その顛末を辰に語る。

 エロまんが連載だったら、ありえない全年齢向けパートの連続投稿であります(  ̄ω ̄ )
やってる事は、白黒映画の時代劇みたいだし。
イヌは鬼畜の本性を出してきたし( ̄▽ ̄;)イイ奴だな、こいつは!!
今まで、自分で作ったキャラの中で、一番好きかも。

 今回は、本来の目的である、山狗の創作ノートというか、メモね。
 そして、江戸時代のおサイフ事情も考えてみる。

 この物語、ほんとは、イヌによく似た「戌」という別のキャラが、主役になる筈だった。
 男(山狗)と戌が出会う前に、男と旅していたイヌは妊娠して(?)尼寺にあずけられた。
戌にとっては、男が愛おしく想う謎の女がイヌだった。

 それが、一個づつズレた( ̄▽ ̄;)
イヌが、男の昔の女房ヌイを謎に思う形になったし。
何より、イヌは怪しげな思いつきから、松の子を喰いやがった(⌒▽⌒;)ノシ
 初期のシリーズ構成案には、松竹梅の三人が出てこないで、あのへんでイヌは尼寺に行く…と書いてある。

 囚われていた三人に松竹梅と名前をつけて、雀のお宿という家を構える…初期の構想には全くなかった展開だった。
 おかげで、ぼんやり考えてた猪口親分や贋金の話も、前倒しにして書く事になった。
松竹梅編は、長ーく入り組んだ展開になるし。
幽霊の二人は出てくるし。
犬吉まで絡んでくるし。

 まぁ、イヌというキャラや、人間関係に厚みは増したけど。そもそも、そんなつもりで書いてなかったのになぁ( ̄▽ ̄;)
今まで、ちゃんと物語を最後まで書いた事の無い私が、物語を一つ完結させたかっただけなのに…。半年以上も書き続けていたら、とっくに完結してる筈だったのになぁ。
これで、うっかり、私が死んだら、元の木阿弥じゃん!
さっさと、イヌの旅を終わらせないと!(⌒▽⌒;)

 ちなみに、完結となるのは、イヌが尼寺に着く事。まずは、そこで一応の「終わり」になる。

 でも、その後続けて第二章となる戌の話を書く予定。こっちに「終わり」は無い。
山狗と戌の旅は、ずっと続く。
 noteにも投稿した「赤晶髑髏」は、いわば戌編の最終回。
「旨いもの喰いにいこうぜ」と言って、二人はいつまでも旅を続けるのです(  ̄ω ̄ )

 旅が続く事に、それなりの「意味」があると、書いてる私には見えてきた所です。
イヌに戌の初期キャラをゆずった後、新しい戌のキャラが脳内で生まれてきてる最中。

 まぁ…書きながら物語を考えてると、こんなもんですよ(  ̄ω ̄ )アニメのムック本で、メイキング記事にも、よく「書いてて/作っててて思わぬ展開になった」って書いてあるし。

 創作部分で思わぬ事があるけど。
なんちゃって時代劇とはいえ、細かい事が気になって、ちょっと調べだすと、ますます分からなくなる事も多い。
 これも、思わぬ「辻褄合わせ」を求められる事態である。

 例えば、江戸時代のおサイフ事情。
本編では「小判は不便だ」と言い続けている。これは、現代において1万円札だけ持ってても、自販機で缶コーヒーを買えないのと同じ。
何処かで、両替しないといけない。

 昔は両替も商売だったそうで、wikiにもあれこれ書いてあるが。交換レートの話題が主で。実際に幾らのお金/銭を持って暮らしていたか?が分からない( ̄▽ ̄;)そこで、落語とかでの描写から想像するわけだが…。

 まず、1両の小判を銀貨に分けると。最小は1朱銀になる。1朱銀が16個で1両。
イヌが言う「細かい銀にしてくれ」とは、この1朱銀の筈( ̄▽ ̄;)ただ、この銀貨、すごい小さい。
また、1朱銀が「お台場を作る時の人足の一日の労賃」の目安だったというwikiがあった。

 では、1朱銀が銭で幾らか?
「1両が16朱」と「1両が4000文」 とすると。(時代によって違ってくる)
1朱は250文。
1文銭なら250個、4文銭だと62.5個(あ、端数がw)

 時代劇で見かける、ヒモに通した銭は1000文で1貫文。あのヒモ4つで1両だけど。
10円玉が1000個の塊を想像すれば、バラして使うものじゃない、と想像がつく。

1文銭250個として、10円玉が50個の包み、あれを5つ持って歩くとしたら、どんなサイフにします??( ̄▽ ̄;)
1文銭だけでなく4文銭と天保銭(100文)も、普通に使わなてと、やってられないよね。
20円玉と80円玉と2000円札…とすると。500円玉や1000円札が欲しくなる( ̄▽ ̄;)

「江戸っ子は宵越しの銭を持たねぇ」
と、よく言いますが。言葉通りに受け取るなら、「日当/手間賃として、どの通貨でどれだけもらって。どこの店で幾ら払ったのか?お釣りはもらえたのか?」…気になる(  ̄ω ̄ )
落語での、大工や魚屋の様子、時そばで1文銭で払う様子などを想うと。
皆、けっこうジャラジャラと1文銭や4文銭や天保銭(100文)を持ち歩いてたんだろうなぁ…と。

 現在の物価では、1両は8から10万円だそうで。確かに、10万円札でお給料もらっても、早々に細かくなるネ( ̄▽ ̄;)でも、見た事ないような金額/通貨でもないわけだ。
1朱銀は5000円札程度と考えると。やっぱり、10万円札より使い易そう。


 なんで、こんな事をあれこれ考えているかというと。盗人目線では、庶民が幾ら持ち歩いているかは大問題なのですよ( ̄▽ ̄;)

 地域によっては、庶民は現金/通貨を持ち歩いていないだろうから。
狙うとしたら旅人や商人。
では、江戸時代の旅人は、幾ら持ち歩いていたのか?
お伊勢参りのような長旅では往復の費用も結構かかる筈。
途中で遊ぶ金も欲しいwww
 とはいえ、いろいろな仕組みがあって。旅費の全部を現金で持っていかなくいも、よかったらしい。この辺りは、紙幣や証文、手紙などの通信インフラの歴史がからんできて複雑になる。
ま、需要/必要があれば、それを満たすサービスが作られるのが世の常でして。昔の人だって、現代人と同じ性能の脳ミソ持ってるんだからね。いろいろなサービス業を思いつくもんだよ。

 さて、現代を舞台にしたドラマなら、「ブラックリスト」のように、あちこちに現金を隠したり、隠し銀行口座があったりするけど。
山狗の時代だと、イヌは全財産を自分で持ち歩かないといけない。

 山賊の根城で100
両(これも最初の案では3とか5両の話だったのに。贋金に気づく課程を設定してたら。通い包みごと贋金だ、という設定になってしまって。結局、100両持っていきやがった)Get!

 恐らく、雀のお宿にかかった金と、その間に何度か旅した金を足しても、50両使ったかどうか…。

 中宿の貸家に来た頃には、小判で50両。親分と楓から10両づつの銀貨をもらったとして。これらは手付かずの筈。
20両を1朱銀にしたら、320個。1朱銀は小さいので、これは問題にならないか?

 その後、小判は二人で半分づつ持っていたのに、川に落ちた男は、これをロストしたwww

 この先の展開になるが、イヌは体に巻いた晒し帯に12両を隠している。
それを辰が銀に両替してくれる。
この時点でも、まだイヌは他に10両くらいは小判を持っている筈。

 小判で10両、銀で30両を持っていて。道すがら追い剥ぎで現地調達も出来る。
RPGとかのゲームなら、持ち金がダブついてる進行終盤状態だな( ̄▽ ̄;)うむ。
まさに、最後の目的地に向かうに相応しいステータスだネ。

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