hisanao

文字を書く仕事をしています。日頃パッと浮かんでは消えていく考えを書き留めます。基本的に…

hisanao

文字を書く仕事をしています。日頃パッと浮かんでは消えていく考えを書き留めます。基本的に批判的です。

最近の記事

評価されるのが怖い

誰かに評価されるのが怖い。というより、「君はだめだね」「あの人のほうが上だね」と言われるのが怖い。マストが折れてどこへも行けなくなる船みたいに、心が折れて立しまうことが怖い。 だから、「みんな違ってみんな良い」世界を想像してみる。 競争原理は働かず、素晴らしいものが素晴らしいと評価されず、優れた人の意見がまだまだな人の意見にかき消される。 地獄だ。ツイッターの中みたい。 でも、正しい評価なんて誰にできるんだろう、と疑問に思う。神様だけが全てを考慮した正しい評価ができるので

    • 微熱の境界

      週末、君の家に泊まるのはいつぶりだろう。 早めに仕事を切り上げて、ワクワクしながら来たのに、 急に発熱、7度2分。 折角の休日が、控えめな休日 遠くへは出かけず、ご飯も体に優しいものだけ。 看病させてごめん、と言う。ちょっとの熱が憎い。 熱出てるときぐらい甘えなよ。 ずっと微熱出していようかな、とふざける。そしたらずっと甘えられる。 それは困るなあ。 布団にくるまれた重い体が、どこまでも続く布団の層に沈み込んでいく。 地下のマグマに熱せられて、体がどんどん暑くなる。汗がに

      • 資本の礼拝堂

        とある場所へ向かう途中、ぼくは高架の車窓から街を眺めていた。真っ赤に染まる時間、ずーっと奥の方、モヤで見えなくなるところまで、街は続いていた。同じ雰囲気を放つ小さなん住宅が延々と続く街。その中に一つだけ、巨大な建築物があった。きれいな砂浜に打ち上げられた、たった一つの流木のように、周りの細かな砂との差異が明瞭で、見つめずにはいられなかった。アピタだ。車窓からアピタが見えたのは、ほんの20秒程度だろう。でも、その間に、ニンゲンという動物の持つ本質のしっぽが、目の前をすっと通って

        • 5日連続で投稿していると

          5日連続で投稿していると、何を書こうか、アイデアが出てこない。 背筋がゾクッとする。このまま一生、何も語るべき言葉が出てこなかったらどうしよう。 とりあえず、昨日飲みすぎたビールのせいにしておく。二日酔いで頭が回らないから、考えがまとまらない、出てこない。 とりあえず、今日の用事のせいにしておく。これからすぐ出かけなきゃいけないから、焦ってしまって、何も書けない。 とりあえず、こんな感じの言い訳で、人生をやり過ごしてきたけれど そんな感じで、いいわけ?

        評価されるのが怖い

          荒れ狂う情報の海に流されないように

          インターネットは僕を情報の海に漂流させた。 荒れる海と空の境界で 僕は、転覆しないよう必死に小舟を操舵している。 右舷後方からの大きな波 北北西からの強い風 必死に対処し続けて、かれこれ どれくらいの時が経っただろう インターネットに接続される前、 自由な時間が確かにあった。 錨を下ろし、さざなみの中で青い空を見上げてほっとできる瞬間があった。 今は、嵐の中で 嵐が止まないよう祈りながら 嵐のもっと激しいところに向けて進もうとしている。 心が嵐を求めてるわけじゃないけ

          荒れ狂う情報の海に流されないように

          分かりあえるとか、分かりあえないとか

          こうすればきっと人々は分かりあえる、とか言う人がいる。 今こんなに分かりあえていないのは努力が足りないから、という人がいる。 そういう人たちは、昔だれかと分かりあえたことがあるのだろう。 その成功体験を大事にしたくて、 分かりあうことの快感を、みんなに伝えたいのだろう。 でも、その人は本当に分かり あ え た のか。 分かってもらっただけじゃないのか。 分かってあげただけじゃないのか。 相手を自分の思い通りに動かすことができて、嬉しかっただけじゃないのか。 相手のわがま

          分かりあえるとか、分かりあえないとか

          「メディア」との付き合い方についての考察

          メディア批判の定型文がある。 【批判1】「こんなどうでもいいこと報道して、もっと重大なニュースがあるだろう!」 【2】「なによ、中途半端な言い方して!ちゃんと批判しなさいよ!買収でもされてるの?」 【3】「こんなのがニュースになると思っているの!レベル低いわね!」 【4】「芸能人の不倫なんか取材してないで、アベを批判しなさいよ」 【5】「芸能人の結婚で、あんな失礼な質問して、マスゴミ!」 【6】「ご意見番?思いついたことべらべら喋って、楽な仕事ね」 【7】「ノーベル賞受賞者に

          「メディア」との付き合い方についての考察

          啓発本に繋がれた奴隷たち

          ビジネス書・自己啓発本は悪だ。理由を説明する。 出版社は官公庁ではない。資本主義の中に組み込まれた一企業だ。ビジネス書・自己啓発本を販売する意図には必ず「利益」が含まれる。読者が啓発本から受け取る情報と、企業が販売で受け取る「利益」が二者択一だった場合、読者の情報が優先されるかどうか危うい。啓発本の製作者には、多く売り上げる動機が必ず生まれる。そこに、害悪の根源がある。 啓発本を買う人間は、仕事でうまく行かなかったり、何かに悩んでいたりする。毎日楽しいパリピはそんな本なんか

          啓発本に繋がれた奴隷たち

          「パパ早く死んじゃえばいいのにねー」と幼児に語りかける女を見た。

          それはまるでパターン化された形で、今日の天気を称えるように、子供の特技を褒めるように、なんの感情も込められず女の口から出てきた言葉だった。母子2人、歩き疲れて一休みでもしているのだろうか。10歳にもならない我が子の手を握り目を見つめ、今までの雑談と同じ声色で、呪いの言葉を唱えていた。今まで笑っていた幼児の目の奥が、突然真っ黒になった。自分の精神を守るため、母が呪いを唱えるたびごとに、自動的に外界の情報を遮断しているかのよう。どこにでもあるスターバックスで切り取られた一場面が、

          「パパ早く死んじゃえばいいのにねー」と幼児に語りかける女を見た。

          幸せとは自己完結である

          物語は、苦しみから生まれる。不遇な時代・虐げられた過去。そんな負のエネルギーを物語に昇華させる。苦しみや悩みもなく、幸せな人生を送った人間に、物語は紡げない。「なにか言いたいことがある」「どうしても伝えなければならないことがある」。だからこそ人は物語る。 「本当に幸せな人は、リア充を匂わすインスタグラムの投稿などしない」というツイートを読んだ。何かを物語るエネルギーは、幸せの中にはない。現状に不満を持っていても、自分ひとりではどうしようもない人が、他者からの承認や自らの存在

          幸せとは自己完結である

          「暇かよwww」とツッコんでくる「忙しい」人たちへ。

          例えば私が何かを企画して、友人に声をかけたとき、20人に1人の割合で、「暇かよw」と言われる。そのたびに私の感情は乱される。以前マグロを1匹築地から仕入れて捌く会を開いたときも「暇かよw」と言われた。私はその時、「死ね」と思った。 私達の中には、与えられた仕事をこなすことこそ美徳だと思っている人がいる。あなたが与えられた仕事をする間、あなたの価値は担保され、全肯定される。あなたの仕事は誰かにとって必要で、素晴らしいあなたはその作業を一生懸命こなし、誰かの必要を満たす。そして

          「暇かよwww」とツッコんでくる「忙しい」人たちへ。

          人間味が求められる時代で

          現代の病理を一つ上げるとすれば、人間味の欠如ではないだろうか。会社では四六時中働かされ、インターネット上では敵を見つけ叩きあい、難民には目もくれず壁を築き、我々は正義だと繰り返す。善は善、悪は悪。0は0、1は1。小数点なんてものは存在しない。全ては分かりやすく、プログラムのように間違うことなく走って行くべきである。 分かりやすい二元論で物事を考えられれば、どれほど世の中はシンプルだろうか。だが、二元論への渇望からの振り戻しのような現象も起こっている。人間味が求められているの

          人間味が求められる時代で

          4/6

          初めてnoteに投稿する。少し緊張する。 社会に出て、新しい経験をして、思うことがいろいろある。今までノートに書き殴っていたもやもやを、批判に耐えうる論理的な文章に落とし込む。 3日坊主にならないように、ゆるく書いていこうと思う。