次男から「へんてこな話をしてくれ」と寝るときに言われたんで作った話(5)

公園からの帰り道、はるとくんはみんなが何かを飲んでいる店を通りました。

よく見ると、みんなへんてこなものを飲んでいます。だって、こげ茶色で変な匂いがするんです。いつもはるとくんが飲んでいるお茶やときどき飲むジュースとも全然違うんです。

(これはへんてこだ。みんなへんてこなものを飲んでいる)

はるとくんは近くにいたおばさんに話しかけました

「おばさん、へんてこなもの飲んでるね」

話しかけられた"おばさん"はびっくりしました。なにしろ、知らない子どもからいきなり話しかけられただけでも驚くのに、おばさんにへんてこなんて言われてしまったのですから。でも、"おばさん"は驚きを隠して答えてくれました。

「ぼうや、これはコーヒーっていうんだよ。ちょっと試してみる?」

はるとくんは、思いがけず"コーヒー"を少し飲ませてもらうことができました。

「ありがとう。うわっ、苦い。こりゃ味もへんてこだ」

おばさんは、笑っていいました。

「コーヒーは大人の飲み物だからね。ぼうやには早かったかな」

大人はこのへんてこな飲みものを好きなのか。はるとくんはますますへんてこだと思いました。

おとなだけのへんてこな匂いと味の飲み物、コーヒー。はるとくんのへんてこ飲み物第一号に認定しました。