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鳩が減らない理由

①繁殖能力が強い
まず、繁殖能力が非常に高いことが挙げられます。
また、集団で活動するため繁殖しやすいことも挙げられます。
ドバトは3月〜11月頃にかけて5回ほど繁殖しますが、最近では年7回も卵を産むようになりました。1つのつがいが2個ずつ卵を産めば、年間14個も卵を産むことになります。
そのうちの半分ほどが卵のまま孵らなかったり、カラスに食べられたりしますが、それでも確実に個体数は増えています。

②天敵も少なく鳩を食べる文化もない
ドバトは天敵が非常に少なく、捕食されにくいことが挙げられます。天敵のほとんどがカラスですが、カラスの個体数と比べると群れで行動する鳩の数は圧倒的に多くなります。
また、日本では鳩を食べる文化がありません。フランスや中国などでは、鳩は高級食材として食べますが、日本ではドバトは非狩猟獣であり、もともと農耕民族なので食べる文化がありません。
ちなみに、日本で昔からいるキジバトは狩猟鳥獣ですので、今でも狩猟鳥獣としてごく一部でたべられています。

③エサが豊富にあり安全な寝ぐらがある
鳩の被害問題でたびたび話題になるのは、公園などで鳩にエサを与える人の存在です。鳩はもともと、河原などにある穀物などをエサにしていますが、可愛いからという理由で、パンやお菓子など大量のエサを与える人が多くいます。鳩にとっては、栄養価の高い食べ物を毎日食べるので、これらも繁殖率が増えている、大きな原因の一つと考えられます。
また、鳩は他の野鳥のようにエサをとってきて雛に与えるわけではありません。鳩の雛は、親鳥の体内で作られるミルクで育てられます。
また、すみかも自然環境ではなく、マンションやビルなど三方囲まれた場所に作られます。鳩はもともと岩場に生息していた習性上、こういったところに住み着きますが、当然、外敵から身を守る絶好の場所といえます。
人が集中している都会は、鳩にとってまさにオアシスと言える場所だといえます。

④鳥獣保護法で守られている
ドバトは鳥獣保護法で守られています。そのため、殺傷はもちろん、捕獲も禁止されています。
また、よく勘違いされるのが、卵を捨てたり移動することも出来ません。
よく聞く話として、マンションのベランダで雛が生まれたので、これを近くの公園に移動させても良いかというものがあります。
答えはNOです。
卵、雛とも、一度生まれると移動や処分は法律違反になってしまいます。
鳥獣保護法では、捕獲や移動・殺傷した場合、一年以下の懲役または100万以下の罰金が科されますので、注意してください。
ただし、特例として、都道府県知事の許可を受けた狩猟免許所持者などが適切な処置をした場合のみ、捕獲処分が可能とされています。
参考までに、狩猟鳥獣であるキジバトは、定められた狩猟期間内に狩猟免許所持者が定められた方法で、特定数の数だけ捕獲してもよいとなっています。一般の人の場合、狩猟鳥獣であっても法律違反ということになります。