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ドバトの生態

鳩の被害で一番多いのが、ドバトによるものです。
ドバトは、日本全国で野生化して通年生息しています。特に市街地に多く見られます。もともとカワラバトが原種で、河原、崖などの岩場に巣を作る習性を受け継いでいるためで、ビルやマンションのある都会は生活しやすい場所になっています。
鳩は食欲が旺盛で1日に体重の10分の1もの餌を食べるため、糞の量も大変多いのが特徴です。

【生態】
繁殖期は、3月から11月にかけて年間5回ほどで、1回に2個の卵を産みます。近年は、真冬でも卵を産むことが多くなっており、卵を産む回数も増える傾向にあります。なかには1年に7回くらいも卵を産む鳩もいます。さらに非常に仲間意識が強く、群れを作って行動し、縄張り意識も強い鳥です。
帰巣本能がかなり強く、500〜1000Kmの距離を飛んで戻ってくることができます。その習性を利用して、レース鳩や伝書鳩として使われていることでも有名です。


【エサ】
・鳩類は、一旦素嚢(そのう)(食道の1部が袋状になったもの)に蓄えたエサを筋胃(砂のう)に少しずつ送ってすりつぶします。エサはほとんどが植物質です。農耕地に生息するドバトとキジバトは主として穀類(麦類、稲類)や豆類(大豆、小豆)をエサとして、その他雑草種子などを食べています。場所によって、ドバトとキジバトでは食べ物が違うようです。鳩類は、特定の植物を選んでいるというよりも、その場所でその時期にとりやすいエサを食べているようです。とうもろこし、稲などの種を食べます。出芽前の種子を食べます。その他、野菜も食べます。雛は親鳥の出す「ビジョンミルク」で育ちます。成長すると豆などの穀類や雑草の種子が好きですが、ミミズやカタツムリ、バッタなども食べる雑食性です。

【繁殖】
・繁殖期は、北日本では4月から10月ぐらいですが、西日本や都心部では年中繁殖します。この間に繁殖を繰り返し試みますが、1回に2卵しか産みません。ドバトの抱卵期間は15〜16日、育雛期間は14〜19日で、キジバトもほぼ同様です。鳥は普通虫などエサを食べて育ちますが、鳩類は雛に「ビジョンミルク」という特別なエサを与えます。これは、元来植物を一時貯蔵する機関である、巣嚢の内壁が剥離したものです。乳白色をしていて、タンパク質や脂肪に富んだミルク状の物質です。ミルクといえば、メスが出すものと考えがちですが、オスもメスも分泌します。餌を親鳥がわざわざ取りに行かなくても雛はこれにより育つことができます。また、鳩類は消化吸収効率の悪い植物質のエサだけで繁殖することができます。鳩は繁殖能力が非常に高い鳥なのです。

【寿命】
10〜20年といわれていますが、実際は病気や事故で死ぬことが多く、長生きすることは難しいようです。2、3歳が活動期といわれています。

【営巣場所】
・本来は崖や岩棚、洞窟に巣を作ります。最近では都市での生活に建造物を崖や岩棚の替わりにします。なぜ鳩はマンションのベランダに巣を作るのでしょうか?鳩の夫婦は非常に仲が良いのです。一度つがいになったら一生浮気しないといわれています。仲の良い夫婦の卵ですから「安全な場所」に産むのは当然、カラスに食べられたり、猫に持っていかれないように普段人が行かないような高い場所に(3階以上)室外機置き場及び屋上の建造物、橋脚下、倉庫、ショッピングモールなどは「外敵から安全」ですし、「餌場への移動も便利」格好の営巣場所に選ばれてしまいます。室外機の排水ドレンや雨樋など近くにあって水が流れているような場所だと「水飲み場」まで完備な超快適、営巣空間になります。ベランダや室外機置き場は、鳩の営巣にぴったりな環境であることが多いのです。巣の周囲わずか数センチだけで、狭い場所でも多くの仲間と一緒に生活します。

【なわばり】
・通常数羽から数十羽が群れを作って生活し、時には、数百羽の大きな群れを作ることもあります。また、なわばりに対する闘争心も強く、他の家族の侵入に対しては徹底的に闘います

【帰巣性】
・長距離を帰巣する伝書鳩の能力については、太陽コンパス説、磁力説、視力説、嗅覚説の多くの説がありますが、まだ十分にどうして飛べるのかの解明はされていません。現実には500〜1000Kmの距離を帰巣することができます。


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