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架空のプレ稽古リターンズ

まだ「架空のプレ稽古」という名前を覚えてくれている人は、今どのくらいいらっしゃるのでしょう。
オンラインでも何度か開催しましたが、実際の稽古場で最後に集まれたのは4年も前でした。
2023年、晩夏、ひさしぶりにやります。

架空のプレ稽古 リターンズ2023
日時:9月17日(日)
昼の部13:00~16:30/夜の部17:30~21:00
場所:新宿区(詳細は参加者にのみお知らせします)
定員:各回5~6名程度+3人程度までなら見学枠も可

どんなことするの?

台本はありません。エチュード(即興)をやります。が、いわゆる「即興劇のワークショップ」みたいなものとは趣が異なります。

記憶にある限りは2014年から(もしかしたらもっと以前から)始まって、これまで何度となく開催してきたにもかかわらず、僕はこの「架空のプレ稽古」を正確に言語化することができずにいました。

面白いものが見たい。
自分がスタッフとして訪れる稽古場は例外なく面白かった。
だから、稽古をすれば面白いものが立ち現れるはず。

……というような、実に短絡的な三段論法から始まっていたような気がします。「稽古場に集まればなんとかなる」それはあまりに無謀で無計画な甘い考えで、だけど同時に実証済みの事実でもあるのでした。
そして今、「面白いものが見たい」から始めたはずの集まりで僕は、参加者の方々に「面白くしようとしなくていいです」と念を押してから開始のベルを鳴らしている。奇妙なことです。どこでこんなねじれ方をしたんだ? しかも、能動的に「面白くする」ことを封じられたはずの役者たちが集まって動いたり話したりしている空間は、放っておいても勝手に「ちゃんと面白く」なっていく。不思議なものです。いったい何が起こっているんだ?(でも、面白いからいっか……)

と、できるだけ率直な言葉で説明しようとすると毎度こうなってしまうので、その都度「演技の自習室」だとか「演技力を求めない演技ワークショップ」だとか「"興行"から離れた閑静な物語のシェルター」だとか「登場人物と共に暮らす場所」といった短いキャッチフレーズに複雑なニュアンスを無理やり凝縮させて表現してきたわけですが、約4年のブランクを経て、改めてこの架空の稽古場を言い表すとするなら、

《役者の身体を使っておこなう二次創作》

なんじゃないかなと思っています。今は。

もうちょっと具体的に

二次創作というからには一次作品があることになると思いますが、前述のとおり架空のプレ稽古には脚本がありません。あるのは簡単なイントロダクションと設定のみ。僕はこれを「イメージプロット」とか「初期設定」と呼んでおり、これが一次作品に相当する部分となります。

こちらがその初期設定。まあ、これは過去のストックから持ってきた一例であり、当日配布する予定のものとは違いますが(今回も同様に過去作から選ぶか、新作を書き下ろすか、いまだ考え中です)。
一番上がタイトル、その下の太字部分が演劇のフライヤーに掲載されているような大まかな筋書きとイメージです。この作品を…「架空のフィクション」を、皆で作っていきます。
中段に箇条書きで並んでいるのが、その作品の舞台となる場所や世界観、登場人物の関係性といった情報。そして下段は各登場人物(配役)の簡単な説明となっています。

僕からお渡しする情報はこれが全部です。A~Fの各人物に割り当てられた役者は、この設定をもとにエチュードを通して「役の記憶」を掘り起こし、「役の経験」を積み上げていきます。ときには自分の記憶や経験を交えながら、しかし確実に自分と完全なイコールでは結ばれえない他人キャラクターの姿を、演技を通じて徐々に発見していくこととなります。

……といった経緯を経て作られたのが、たとえばこちらの作品です。

これは僕が最初に用意していった上記プロットに基づいていながらも、そこには書かれていなかった精細な人物描写で満たされており、その意味で「二次創作」だといえます。それぞれ独立した人格を持つ登場人物が、それぞれの思惑に従って勝手に動いた結果、だれか一人の作為によってディレクションされたものではないナチュラルな人間の営みが(でも確実に演技/演劇ではあるものの姿が)浮かび上がってくるのです。

やくそくとおことわり

・参加者が規定人数を上回った場合、見学枠に回っていただく可能性もあることを予めご了承ください。昼夜通してご参加希望の方も同様です。
・参加者が4人未満だった場合、内容を変更もしくは中止にする場合がございます。
・参加費にかえまして、施設利用料を割り勘という形にさせてください。ただし、お1人あたりの負担額が500円を超えることはありません。
・施設規約により、室内での食事は不可となっています(飲み物はOK)ので、お食事はご来場前に済ませるなどしてください。
・マスク着用に関して一般的には多少緩和されてきていますが、この会においては原則"マスクあり"でお願いします。
・参加表明後にキャンセルされる場合、こちらから事情をお尋ねすることはありません。いかなる理由でのキャンセルも可能です。ただし、参加できないことが判明した時点で速やかにご連絡ください。なぜなら架空のプレ稽古は参加者のラインナップに合わせたプログラムを組んでいるため、人数の増減や演者の変更が初期設定に大きく影響を及ぼすからです。
・今後の継続に向けたフィードバックの目的で稽古場の様子を撮影する場合があります。あらかじめご了承ください。

お申し込みは

以下に申し込みフォームをご用意しました。
9月13日まで、もしくは各回定員に達するまで受け付けております。
定員に達しましたので今回の受付は終了となります。次の機会をお待ちください。

初参加で、かつ辻本と面識がない方は、備考欄に簡単なプロフィールをお書き添えください。配役の参考にさせていただきます。
架空のプレ稽古はオーディションの類ではないので、あなたの輝かしい経歴や出演作よりも、あなた自身の人となり(演劇をやっていない時も含めて)を中心に書いていただくほうが良いと思われます。


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