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100年前とそっくりな朝鮮半島情勢!? 暗殺される運命にある現代版閔妃は誰なのか?

いまの朝鮮半島情勢をみていると奇妙な既視感を覚えることがある。そこで繰り広げられている出来事が100年前の李氏朝鮮時代のそれとうりふたつにみえてくるのだ。

どこがうりふたつなのか?

ひとつはそれを取り巻く国際情勢である。

当時の李氏朝鮮は、南下政策をとるロシアとそれを防ごうとする日本との間で板挟みになっていた。いや板挟みというのは正確ではない。身の程知らずにも李氏朝鮮は両国を天秤にかけた二股外交を繰り広げていたのである。これはその時々の力関係であっちについたりこっちについたりする事大主義と呼ばれる朝鮮伝統の日和見政策である。

現代の韓国もアメリカと中国との間でコウモリ外交と揶揄される二股外交を繰り広げている。これは相手国が違うだけで、そこにある構図はまったく同じである。同様に北朝鮮も中国とアメリカを翻弄しているという点からみるとある意味、これも二股外交といえるだろう。

ふたつめは、指導者の悪政である。

李氏朝鮮時代の実権を握っていたのは高宗の妃であった閔妃である。その悪政によって李氏朝鮮を滅亡に追いやった元凶とされる彼女については当然ながらその人物像も否定的に描かれることが多い。それを象徴するものとして、よく持ち出されるのが怪しげな祈祷師に入れ込んだというエピソードである。ムーダンノリという呪術儀式に熱中し、国庫の6倍以上もの国費を布施として浪費したというのだ。

こう書けば誰もがピンと来るだろう。そう朴槿恵前大統領のことだ。最近、彼女は弾劾を受け、大統領職を追われたが、その理由のひとつに友人である崔順実氏との不透明な関係がある。そして、その崔氏は新興宗教団体の教祖の娘であり、彼女自身もいわゆる霊能力者であったという。しかも、朴槿恵前大統領は国政を左右する重要な政策を決める際、崔氏のアドバイスを受けていたとされている。これはまさに100年前の閔妃とそっくり同じふるまいではないか!

北朝鮮の悪政についてはもはやここであらためて言うまでもないだろう。

こうしてみるとわかるように朝鮮半島の歴史には、ある種のシンクロニシティ(偶然の一致というには難しい相似的な出来事)があるように思える。あるいはそこにあるのは歴史は繰り返すという使い古されたフレーズでは説明のつかない朝鮮半島特有の人知を超えた何らかの法則のようなものなのかもしれない。

しかし、仮にそのようなものがあるとすればの話だが、ここでひとつ気になることがある。閔妃暗殺のことだ。国政を専横した閔妃は結局、殺害されてしまうわけだが、もし今後同じことが発生すると仮定した場合、21世紀の閔妃として殺害される運命にあるのはいったいだれなのだろうか?

それを考えるにあたって、まずは閔妃が殺害された背景をおさらいしてみよう。

事件の背景にあったのは、閔妃のコウモリ外交である。それまで閔妃は、日本、清国、ロシアといった周辺大国の間をその時々の勢力バランスに応じて渡り歩いていた。それが日清戦争後、三国干渉によって勢力バランスが日本からロシアに傾いたとみるや、彼女はそれまでの親日路線から親ロシア路線へと変更したのである。

そうした叛服常ならぬ態度に堪忍袋の緒を切らした日本が裏にいて引き起こされたのがこの閔妃暗殺事件であった。

さて、ここから現代の閔妃となる条件が導きだされよう。次の三つである。

1、国の最高指導者であること
2、国政を混乱に導いた(導く)元凶であること
3、後見役となる外国から裏切り者とみなされること

ではこの条件に当てはまる人物とはいったいだれなのか?

現状、その候補となる人物は3人いる。

朴槿恵、文在寅(ムンジェイン)、金正恩である。

ちなみに先ごろ、金正恩氏の異母兄弟である金正男氏が暗殺されたが、彼は一番目の条件を満たしていない。したがって彼をここでの候補に入れるのは適切ではないだろう。もし強引にたとえるなら、閔妃に反旗を翻し、処刑された革命家・金玉均あたりが妥当なように思われる。

さて以下、一人ずつ検討してみよう。

まず朴槿恵前大統領である。

朴槿恵前大統領は、いうまでもなく韓国の最高指導者であった。また国政を混乱に導いた元凶でもあった。さらにアメリカの同盟国でありながら、中国べったりの政策を取り、アメリカから煙たがられていた‥。

普通に考えれば朴槿恵前大統領こそ現代の閔妃というべきだろう。同じ女性であり、しかも怪しげな呪術に入れ込んだところまで似ているとなれば、彼女ほど条件に合う人物はほかにいないからだ。

しかし、周知のように彼女はすでに失脚し、いまや本名ではなく番号で呼ばれる一介の囚人にすぎない。そんな彼女がいまさら暗殺される可能性はほとんどないだろう。仮にあったとしてもそれは国内の不満分子によるものであろうし、もしそうなったとしてもそれは外国によって殺害された閔妃とはまた別のケースというべきだろう。

次は次期大統領候補の文在寅氏だ。

彼は自他ともに認める左派であり、大統領になった暁には北朝鮮、中国寄りの政策を打ち出すものと予想されている。これは、これまで同盟国だったアメリカを韓国が裏切り、北朝鮮もしくは中国側に寝返ってしまうことを意味する。当然ながら、そんな文氏はアメリカからみれば都合の悪い指導者であり、もし可能であれば抹殺してでも排除したい人物ということになるだろう。ということは文在寅氏こそ現代の閔妃の役回りを果たすにもっともふさわしい人物といえるかもしれない。

しかしだからといってアメリカが彼を暗殺するとは考えられない。アメリカは民主主義の本家本元である。そのアメリカがまがりなりとも民主的に選ばれた一国の大統領を殺害することは自殺行為に等しいからだ。

となると、残る候補は金正恩である。

アメリカにとっていまもっとも目障りなのは再三にわたる制止勧告も聞かず核開発を続ける金正恩率いる北朝鮮である。そうであれば、この朝鮮半島問題を解決させる上で一番てっとり早いのは北朝鮮自体を壊滅させることだろう。しかも、これは文在寅氏の動きも牽制できるという意味で一石二鳥の効果を持つ。大統領となった文在寅氏が北朝鮮よりの政策を取ろうとしたとしても、北朝鮮そのものが崩壊してしまえば、その政策は意味をなさなくなるからだ。

しかし、金正恩を暗殺するということは、その事実上の宗主国である中国を刺激するばかりでなく、下手すれば第三次世界大戦すら招きかねない。そのようなリスクを冒してまでアメリカが危険な賭けに出る可能性はあるのだろうか?

それについては現状では判断しがたい。しかし、アメリカはかつてイラクを直接攻撃し、フセイン大統領を捕え、処刑したことがある。またリビアに内戦を仕掛け、カダフィ大統領を殺害したこともある。

そうした前例がある以上、金正恩暗殺というシナリオがまったくありえないとはいいきれないはずだ。

そのうえ、ここへきてアメリカは金正恩の殺害を目的とした斬首作戦などという物騒な計画をあたりはばからず公言している。しかも最近のシリアへの空爆が示すように、トランプ政権の場合、たんなる脅しではなく実際に行動に移す傾向がある。ということは、金正恩暗殺についても同じことがいえるだろう。すなわち脅しではなく本気である可能性が高いということだ。

あるいは番狂わせのシナリオとして中国による北朝鮮侵攻、そして(中国を裏切った)金正恩暗殺という可能性も考えられないことはない。中国にしてみれば言うことを聞かない金正恩はかつての日本にとっての閔妃のような存在でもあるはずだからだ。

いずれにせよ日本としては、最悪の事態に備えておくべきだろう。

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