アヘン戦争エピソード 上海租界の覇者サッスーン

アヘン戦争によって上海に租界がつくられると、そこは一山あてようとする冒険好きで山師的な外国商人の巣窟となった。そうした外国商人のなかで、のちに「上海の覇者」として世界中にその名をとどろかせたのが、第一次世界大戦後にインドのボンベイから渡ってきた貿易商サッスーンである。

上海にやってきたサッスーンはインド時代、アヘンで荒稼ぎした資金を元手に不動産、 ガス、電気などさまざまな分野に手を伸ばし、そのほとんどの分野で大成功をおさめた。とくに力を入れたのが不動産で、本拠地としたサッスーン・ハウス(現在の和平飯店北楼 )をはじめ、メトロポールホテル(現在の新城飯店)、ハミルトンハウス、錦江飯店など現在の上海を代表する建物のほとんどは彼によって建てられたものである。

一説によれば、サッスーン財閥の最盛期には一族の資産だけで上海全体の二十分の一を占めたという。だが、第二次上海事変が始まると、サッスーンは安全な資本の移動先を求めて南米バハマへと移っていった。

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