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【P+Bインタビュー】女子小中学生から絶大な人気を誇るYouTubeチャンネル「めるぷち」の舞台裏(前編)(株式会社VAZ)

Z世代の次にはα(アルファ)世代の時代が来る―。そう聞いたことがある人もいるのではないでしょうか? α世代とは2010年以降に生まれた、現在ローティーンの年齢にあたる世代を指す言葉で、Z世代ともまた異なる行動や考え方などがあるとして近年世界的に注目されつつあります。

現在30万人超えの登録者数を誇るYouTubeチャンネル「めるぷち」は、出演メンバーもターゲットもまさにα世代。これからのトレンドを左右するであろうα世代の心を動かすメディア運営について、めるぷちを運営する株式会社VAZの制作チームの方々にお話を伺いました。

めるぷちのメンバー

前編の今回は、「めるぷち」立ち上げと運営についてお聞きします。


ターゲットを小中学生に絞ったチャンネル運営

―まず、「めるぷち」を立ち上げたきっかけについて教えてください。
めるぷちは2019年の2月ごろ立ち上げたYouTubeチャンネルです。弊社VAZではほかに「MelTV(メルティービー)」と「CulTV」というチャンネルがあるのですが、めるぷちは小中学生のメンバーが出演するチャンネルとしてスタートしました。当時はTikTokが日本に上陸して間もない時期で、いま『仮面ライダーギーツ』のヒロインとして出演中の星乃夢奈やPopteen専属モデルのさくらがTikTokでとても人気のある中学生として注目を集めていました。

そこで、ローティーンのパワーをより最大化するために中学生以下で組んだメディアを作ろうという話になったのが、めるぷちを立ち上げたきっかけです。星乃夢奈やさくらもそうですが、TikTokを個人でもう既にやっていて、これから伸びそうという子たちに声かけたのです。

―現在めるぷちのメンバーは高校生もいますが、それまではずっと中学生以下だったのですよね。
はい。MelTVはハイティーン向けのチャンネルなので、めるぷちはローティーン向けのチャンネルとしてスタートしました。たとえばPopteenやSeventeenがあってその下の年代にニコラがあるというように、年代によるセグメント分けは雑誌でもやられていることなので、MelTVと切り分けたというのが大きな理由になります。

―当時はまだYouTubeで小中学生向けのこうしたチャンネルはあまりなかったのではと思いますが、どのようなことを意識して運営していますか?

リアルに小中学生たちが使っているものや興味関心のあるところにフォーカスして企画を考えるようにしています。

小学6年生から中学1年生にターゲットを絞って、基本的には学校と同じスケジュールで1年間を構成しています。たとえば春休みになったら春休みらしい企画とか、4月だとやはり入学式や新学期なので、筆箱紹介をしたりとかですね。あとは文化祭や体育祭など学校のイベント行事も取り入れます。実際にどういうことをやっているのかメンバーにも聞きながらリサーチをして、スケジュールを合わせていくことを一番意識しています。流行っているものなどについてはメンバー本人たちに聞くのが一番リアルですが、TikTokで流行っているものも取り入れています。

https://youtu.be/S0lPFscWEvs

―2019年にチャンネルをスタートした際、認知度を高めたり登録者数を増やしたりするためにどのような工夫をされましたか?

すでにTikTokで100万フォロワーくらいいたり個人のYouTubeチャンネルで40万登録があったりして知名度の高い子たちを初期メンバーにアサインしたので、最初から絶対に伸びるだろうという算段がありました。企画面での細やかな工夫はもちろんありますが、特にプロモーションなどをしなくても、めるぷちは1本目の動画から何十万再生と伸びました。

―メンバーのファンやフォロワーがそのままめるぷちも視聴してくれたのですね。それもある意味戦略ですね。しかし、それをずっと持続させるのも大変かと思うのですが。

たしかに、人気のあるメンバーが卒業して入れ替わると、どうしても再生回数が落ちます。なのでガラっとメンバーが変わることがないよう、スライドして卒業させるなど入れ替えの仕方を工夫しています。いきなり新しいメンバーだけでやると、完全に1からになってしまうので。

加えて、メディアのコンテンツ自体にファンをつけることは常に意識しています。研究生からレギュラーへの昇格やオーディションなどをコンテンツ化し、定期的に実施していますが、既存視聴者の熱量や反応率が高いコンテンツは新しい視聴者にブラウジングされやすいので、新規視聴者の獲得にも繋がります。同時に、オーディションなどは特に出演者の成長ストーリーが可視化されやすいので、出演メンバーのファン自体も増やしていくことになり、新たな人気メンバーを作ることができます。今春から選抜生、レギュラー生、研究生と階層を分けるのですが、それもその取り組みの一環です。

―視聴者やチャンネルのファンはやはり小中学生が多いのですか。

はい。ちょっと年上のおしゃれなお姉さんたちを見るというような感覚なのだと思います。ほとんどが女の子で、イベントをすると親御さんも同伴されていることが多いです。

―なるほど。そうすると、お母さんたちにも安心して見てもらえるように、ということも考えますか?

たとえば夜遅い時間に配信すると睡眠時間を妨げてよくないので、めるぷちは17時に配信するようにしています。

小中学生のリアルがわかる企画が人気

―では、どのようなコンテンツの再生回数が多いのかも教えてください。

かつては、他の有名なYouTuberのやっているゲームなどをメンバーにやってもらう動画などが流行りましたが、今はもうウケないですね(笑)。最近は、さきほども少しお話ししましたが、本当に小中学生のリアルに近づいたもののほうが伸びることが多いです。コンテンツでいうとメンバーの日常がわかるルーティン系は確実に伸びます。多分家でちょっと撮影して何か喋っていたり、小中学生がワチャワチャしているっていうだけでかわいいし楽しいですし(笑)。あとはTikTokに関する動画や、小中学生向けのアプリやプチプラ商品の紹介も人気が出ます。

―トレンドの入れ替わりがものすごく早いのですね。ルーティン系は出ているメンバーにそれぞれ人気があればこそ、ですね。

視聴しているファンの子たちはおそらく、「推しと同じものを持ちたい」というのがあるのだと思います。なのでルーティン系も、メンバーが紹介しているものを知りたいから見るという子が多いです。どうしたらこのメンバーに近づけるんだろう、みたいな。そういう考えがあるから、ルーティン系やプチプラが人気なのだと思います。

https://youtu.be/vW0j8IVsEPQ

―ではめるぷちを今後どのようなチャンネルにしていきたいですか?

雑誌の『ニコラ』が女優やモデルの登竜門といわれているように、めるぷちも将来の芸能のスターの登竜門になるチャンネルにしたいという野望はあります。自社でタレントを抱えているというのは大きな強みなので、めるぷちの卒業後は女優や雑誌のモデルになったり、Amebaの恋愛リアリティーショーに出たりなど、最近の若い人たちに人気のコンテンツにそのままつながっていくルートを構築していけたらと思います。

大きく夢を持つとしたら日本で一番の、日本の女子小中高校生のチャンネルにしたいです。メンバーを高校生までに引き上げたばかりなので、めるぷちの課題としては高校生になったら何が流行るか、どういうことをするのが楽しいか、そういうところも新しく見つけていく必要があります。そのうえで小学生から高校生までもが憧れる存在になれればと思います。

「めるぷち」が小中学生に支持されるポイント

① 初期メンバーにTikTokなどのSNSですでに人気の中学生をスカウトすることで、当初から安定して再生回数を伸ばせた
② 取り上げる企画が学校と同じ年間スケジュールに沿っていて、自分事に感じられる
③ 同世代の出演メンバーのルーティン動画やプチプラの紹介など、リアルに迫る企画が好評
④ 将来の芸能スターの登竜門的存在として、憧れや応援の対象に

後編では、α世代を身近で見ていて感じることや、接し方などについてお話を伺います。


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