「採集」のちょっとした考察

昆虫の標本「500種類つがい」から、人間の剥製もオスメス両方揃えたがっていた可能性が考えられる。
解剖日記に既に「人間」と書き込まれていたことからも、プリマより先に人間の女性を手にかけていたとの考察が可能だ。その女性とはおそらく、クラスのマドンナだった「あいつ」。
ジャックは彼女についてこう語っている。
綺麗な人だなーとは思ってたけど、俺の興味は生物と卓球にしかなかったから」「昔から綺麗だったけど、離婚してますますって感じだな」
そして、豚肉の大半を廃棄したことを勿体ないとプリマに指摘された際には、「俺別に中身に興味ねぇから」とも。
これらの発言から、より見た目の美しい個体を「採集」し、手元に置きたいという願望が見て取れる。「中身」というのはもちろん豚の肉のことなのだが、普通だったら豚肉に全く興味がわかないということはないだろうから、ジャックは真に「標本としての見栄え」にしか興味が無いと捉えられるだろう。
人間の男性の剥製を作るにあたってプリマを選んだのには、「東京にいることになってる」からという念入りな理由があった。彼女も、離婚したから「独り身」。「周りに何にもない」学校で剥製にされたとしても、プリマと同じように見つけてはもらえないだろう。恐るべし、ジャック。

こう考えると、「彼女に会わせてやる」の意味も違ってくる。新たな恐怖がここに生まれる……

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