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[50.0mm]研ぎ澄まされた聴覚のおかげ!


標本DATA

【種類】  コクワガタ Dorcus rectus 

【サイズ】 50.0㎜

【採集場所】福島県福島市松川町

【採集日時】2022年7月10日 18:30

【採集方法】木を蹴って採集(ヤナギ類)

【採集者】 Cassiopeia


コクワガタは、これは大きい!と思っても、48~49ミリ…なかなか50ミリを超えません。

私が生まれ育った奈良県のクワガタで話をさせていただくと、ミヤマクワガタは75ミリ、ノコギリクワガタやヒラタクワガタは70ミリを超える個体は滅多に採集できません。コクワガタは50ミリの壁があるように思います。

このコクワガタは、標本を見ていただくとわかるように、前胸背板、上翅の隙間もギチギチに詰めて、50ミリに開いたノギスにカチッとアゴ先が当たります。

間違いなく50.0ミリの特大コクワガタです。

大あごに幅があり、特大個体が持つ迫力がありますね。

そして、美しいと思います。

小さいクワガタだからコクワガタと名付けられたのでしょう。でも、50ミリクラスの立派な個体に、この名前は相応しくないですね(笑)

この個体は、上翅が少し赤みを帯びていて、見れば見るほどエレガントに感じます。

種類にもよりますが木を蹴ると落ちてくる個体が沢山います。

この特大コクワガタも落ちてきたのです。

気温30℃越え、蒸し暑い初夏の夕暮れ時にヤナギの大木から…「パサッ」とそれほど大きくない音です。薄暗くなってから、草が茂った林床に落下した甲虫を探し出すのは難しい。彼(カシオペア君)だから見つけられたんだと思います。

木を蹴ると色んなものが落ちてきます。木の枝、葉っぱ、他の昆虫、etc….

この中から甲虫(クワガタ)の音を聞き分けるわけです。少し大きめの音が鳴った場所に突撃して草に潜る前に探し出す。ある意味、すごい技術(職人技)だと思います。

Good JOB!

【執筆者:川原 洋】


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