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<弁太陽病暍湿痙温脈証併治法第八>2.中湿_④湿邪半入裏者治法(第一條)
【本文】(第一條)
<京都大学貴重資料デジタルアーカイブ>https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/
『傷寒雑病論類編 13巻』(京都大学附属図書館所蔵)Image214
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風湿相搏ち、骨節疼煩し掣痛して、屈伸するを得ず、これに近づけばすなわち痛みはげしく、汗出で短気し小便利せず、悪風して衣を去るを欲せず、或は身微に腫れるものは、甘草附子湯これを主る。
希哲解説
「風湿相搏」とは、中湿発熱する者を以ていう。
「骨節疼煩し、掣痛し、屈伸するを得ず、これに近づけばすなわち痛む」は、湿邪関節に流れるの致すところなり。
「汗出」とは、表虚なり。
「短気」とは、裏の陽虚なり。
「小便利せざる」とは、湿邪裏に着くなり。
「悪風して、衣を去るを欲せず」とは、裏の陽虚の候なり。
「或は身微に腫れる」とは、表陽運ばれずして、湿邪重ねて着するなり。
「或は」とは、いまだ定まらざる辞なり。「微腫」の証、或は有り、或は無きなり。
「甘草附子湯」を用い、以て表裏の湿邪を去り、表裏の虚を救うなり。
「希哲解説」解文
「風湿相搏つ」とは、湿に中り、発熱している者を指していう。
「骨節疼煩し、掣痛し、屈伸するを得ず、これに近づけばすなわち痛む」とは、湿邪が関節におよぶためである。
「汗出」とは、表虚である。
「短気」とは、裏の陽虚である。
「小便利せざる」とは、湿邪が裏に定着したためである。
「悪風して、衣を去るを欲せず」とは、裏の陽虚のためである。
「或は身微に腫れる」とは、表の陽気が巡らず、湿邪が定着するからである。
この「或は」とは、まだ定まっていないときに使うので、「微腫」の証は、あったりなかったりする。
「甘草附子湯」を服薬させて、表裏の湿邪を追い出し、表裏の虚を補う。
<大上解説>
この証は、表裏とも陽虚で湿邪に犯されています。
節々が疼き痛み、引き攣り、伸ばしたり曲げたりしにくく、軽く響いただけでも痛むといった症状は、表部の関節に湿邪が滞っています。そして小便不利は、裏にも湿邪が滞っていることが分かります。
これらは、表裏ともの陽虚からきており、汗がだらだら出たり、寒気がして服が脱げないなどの症状から分かります。
表の陽気を補う「桂枝」、裏の陽気を補う「附子」、水を捌く「白朮」の組み合わせで治癒に導きます。
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<目次>
*「京都大学貴重資料デジタルアーカイブ」にて原本の閲覧が可能です。
『傷寒雑病論類編 13巻』(京都大学附属図書館所蔵)Image214
解説/大上勝行
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