映画『関心領域』<予習編> 2024/06/23更新

映画『関心領域』を観る前に、予習をしよう。予習に役立ちそうな映画をいかにピックアップした。

ヒトラーのための虐殺会議 3.6(98件) 注目作品ランキング248位

『ヒトラーのための虐殺会議』は、名作映画『十二人の怒れる男』の系譜を継ぐヴァンゼー(ヴァン湖)という自然あふれる湖のほとりの館の会議室を舞台にした会話劇・密室劇。ちなみに、三谷幸喜が『十二人の優しい日本人』でパロディ作品を作っていますね。

この映画は、ドイツの主要省庁の高級官僚、ナチス党の幹部、ナチス党内の警察組織である親衛隊の幹部が集まってユダヤ人についての「最終解決策」を議論し合う、ただそれだけの映画です。ええ、本当です。観る人によっては大変つまらない映画なんです、はい。

でも、私は興味深く観れてしまいました。

アイヒマン裁判で有名なアイヒマンが登場していて、なぜアイヒマンの裁判が殊更に注目され、ドイツ系ユダヤ人の女性政治哲学者ハンナアーレントがこの裁判を本にしたのかが少し分かった気がしました。

ハンナアーレントは、本の中で「悪の凡庸さ」という概念を示しています。悪は極悪人によってではなく、平凡な一般人によって引き起こされる、というもの。それを実感できる映画でした。

昨晩(2024/06/22)は、82年前の会議に想いを馳せながら、ホロコーストの効率化にIBMのパンチカードが使われていたこと、映画『サウルの息子』(こちらも名作。映画『関心領域』の予習のためにこちらの方が良いかも)のことも思い出した満月の夜でした。

ソフィーの選択 3.6(24件)

ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言 3.3(15件)

サウルの息子 3.4(116件)


2024/06/19開始、2024/06/21更新【ネタバレなし】

以上


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