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【「地域をつなげる力研究会」Vol.6 イベントレポート】 一般社団法人つなげる30人 が立ち上がって何が変わったのか?

「地域をつなげる力 研究会」とは?

一般社団法人つなげる30人が主催し、全国の「つなげる30人」や、これから「つなげる30人」を立ち上げたい方、研究対象等として関心がある方を主な対象として、全国の「つなげる30人」メンバーの中でも特に群を抜く「つなげる力」を持つ「トップツナガリスト」をお招きし、様々なノウハウ・リソースを共有し、相互に学び合い、助け合いながら切磋琢磨することを目的にしたオンライン定例研究会です(毎月第一水曜夕方に開催します)

この全国のつながりを通じ、このコミュニティが面になり、地域間が連携したコレクティブインパクトを創出するキッカケとなることを期待しています。

今回は、2024年4月10日(水)に開催された第6回目の内容をレポートします。

ゲスト

Thunderbird School of Global Management大学院生
Excel House, LLC 代表
一般社団法人つなげる30人カタリスト
ササオルーフ 侑希

福岡県のいなかまち出身。県立高校卒業後、単身渡米。
ニューヨーク州立大学を卒業後、PwC世界本社のニューヨークシティで会計監査に従事。
西海岸での勤務もトライすべく、Deloitteのオレゴン州ポートランドオフィスに転職。
2019年、自身のホームレス体験をもとに、Deloitte勤務中に留学生・移民支援のためのアパートExcel Houseを設立。
2020年のBlack Lives Matter運動をきっかけに、日本でもD&Iについて対話をすべく、組織開発・人事コンサルティングのHRインスティテュートに入社すべく日本へ帰国。
2023年、より大きなインパクトを生むため、仲間探しをするために現在全米No.1のグローバルマネジメントスクールにて大学院生として在籍中。
学業活動の一環として、発案者の野村恭彦さんと共著で「つなげる30人」に関する研究論文を作成中。
「渋谷をつなげる30人」の6期生であり、現在カタリストとして社団法人つなげる30人の運営のお手伝いも。
関心領域は、地方の機会ギャップ、移民難民、D&I、ソーシャルサステナビリティ、キャンプ、愛犬との生活。

ゴルフをつなげる30人 プロデューサー
SPORTS WAVE株式会社 代表取締役
廣兼 祐介

運命の転機は、高校3年生の時に、米国現地で観戦したメジャーリーグベースボール。
スタジアムの一体感、ファンが心の底から楽しんでいる姿に感銘を受け、スポーツカルチャー、スポーツビジネスの領域に関心を抱き、早稲田大学スポーツ科学部へ入学。
在学時には、主にスポーツマーケティング、スポーツ経営学(木村和彦ゼミ)を研究。
また、所属していた体育会ゴルフ部では、4年間を通じてたった一度だけレギュラー入りを果たす。主に芝生と宴会の席を温めた。
大学卒業後はCATV大手運営会社に入社し、ゴルフ専門テレビ局に8年間勤務。放送事業、イベント事業、マーケティング事業に従事。
日本のスポーツ文化価値向上につなげる事業を推進すべく、2016年4月にSPORTS WAVE株式会社を設立、同社代表を務め、ゴルフを中心としたメディア企画、イベント企画、選手マネジメント、プロトーナメントなどのオペレーション/プロデュース/全体オーガナイズを生業に活動中。

(株)三河の山里コミュニティパワー
(一社)おいでん・さんそん理事
鈴木雄也

愛知県豊田市出身。
大学在学中は、事務局次長としてNPO法人の運営に、取締役として大学発ベンチャーの創業に関わり、主に営業活動や組織開発に従事。
大学卒業後は、B2B SaaSの事業会社にて経営企画、アカウントセールス、プロダクトマネジャーを経験。
2021年より地方移住やまちづくりに興味を持ち始め、2022年地元である豊田市にUターン。
地域課題解決型の地域新電力、(株)三河の山里コミュニティパワーにジョインし、地域集落向け小売事業、共助交通輸送事業、高校魅力化事業等々、複数の地域事業を、豊田市内に特化して立ち上げ中。
豊田市内で農山村交流や移住定住センターの運営を行う(一社)おいでん・さんそん理事を兼任。
個人でも市内複数のまちづくり事業や地域活動に関わっており、豊田市役所・とよた市民活動センターとは、市民協働の裾野拡大を目指したイベントを定期的に運営。その派生で豊田市内での「つなげる30人」の企画立ち上げを模索中。

「つなげる30人」の意義と進化

イベントの最初に、サンダーバード大学院に在籍するササオルーフ氏が登壇し、「つなげる30人」プロジェクトの研究について発表しました。彼は、「つなげる30人」は既存の「社会課題アイデアソン」に分類されるが、従来のものとは異なる独自の特徴を持っていると指摘しました。

ササオルーフ氏は、「このプロジェクトのユニークさは、主催者が目的を設定せず、参加者が自発的にアイデアを持ち寄ることで、新たなコミュニティを形成できる点にあります」と語り、従来のプロジェクトでは見られない自由度と創造性を強調しました。また、彼女が提唱する「Weaving Nest」というコンセプトは、参加者が個々の興味を持ち寄り、共に巣を編むように新しい価値を創り出すことを目指しています。

彼はさらに、「アメリカでは、まだこのようなモデルが普及していないため、研究を通じてこのプロジェクトを広め、社会的な権威性を持たせたい」と述べ、論文の完成に向けて取り組んでいることを明らかにしました。

ゴルフ業界での「つなげる30人」:業界課題解決の挑戦

次に、廣兼氏がゴルフ業界での「つなげる30人」の取り組みについて詳しく紹介しました。彼は、「渋谷をつなげる30人」に参加したことで、ゴルフ業界における課題解決の手段としてこのフォーマットが有効であると感じ、2024年1月に「ゴルフをつなげる30人」を立ち上げました。

廣兼氏は、「ゴルフ業界は長年の慣習や年齢層の違いから、対話が不足していると感じていました。これが業界全体の停滞を招いていると考え、『つなげる30人』の手法を導入しました」と語り、プロジェクトへの意欲を示しました。さらに、「新型コロナウイルスの影響でゴルフ人気が急上昇した一方、パンデミック後に再び衰退する傾向が見られました。これを打開するために、新しいアイデアと対話の場を提供することが必要だと感じました」との背景を説明しました。

彼は、プロジェクト開始当初の課題についても率直に語り、「人を集めることが最も難しかった」と振り返りました。しかし、石川遼選手や日本ゴルフ協会との連携が功を奏し、ゴルフ業界全体に対話と協力の文化を浸透させる一歩を踏み出すことができました。

地域での展開:「つなげる30人」の豊田市への導入

続いて、鈴木氏が豊田市における「つなげる30人」の導入計画について報告しました。彼は、地元にUターンして以来、地域活性化に取り組んでおり、豊田市でも「つなげる30人」を導入することで、地域課題の解決に貢献したいと考えています。

鈴木氏は、「豊田市はビジネスが活発で、協働の重要性が増しています。特に、サラリーマンやエネルギーのある主婦が、仕事以外の活動にも関心を持ち始めています」と、豊田市の現状を説明しました。彼はさらに、「2025年の第1期実施を目指して準備を進めており、2月にはプレプレイベントを開催しました。参加者からは、協働への期待が高まっているとのフィードバックを得ています」と述べ、今後の展開に期待を寄せました。

結論:つなげる30人の広がりと今後の展望

今回のオンライン対話イベントを通じて、「つなげる30人」が多様な分野や地域でどのように適用されているかが浮き彫りになりました。それぞれのプロジェクトは、共通のフレームワークを持ちながらも、その地域や業界に応じた独自の発展を遂げています。

ササオルーフ氏の研究が示すように、このプロジェクトの成功要因は、参加者が自由にアイデアを持ち寄り、共に新しい価値を創造することにあります。また、廣兼氏のゴルフ業界での取り組みや、鈴木氏の豊田市での活動は、それぞれの分野や地域での課題解決に向けた新たなアプローチとして注目されます。

今後も「つなげる30人」は、その柔軟性と多様性を活かし、さまざまな場所で新たな挑戦を続けることでしょう。そして、そのプロセスを通じて、多くの人々が繋がり合い、新たな価値を生み出すことが期待されます。


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