文紋についての考察

 私は本好きです。なので結構な数を読みまくっているわけで、あるとき自分も書いてみようとWeb作家もどきを始めたわけですが、そのおかげで他の作家の方々と交流をする機会などが増えました。
 そのご縁などで下読みとかをさせてもらったりしていくうちに、気づいた事があります。

 それは、文紋。

 指紋とか声紋とかありますよね、それの文章版。(すみません、私の勝手な造語です)
 文体よりももっと作者固有の、文章の雰囲気というか文章から発するオーラというもの。
 文紋で作者を識別するというわけではないのでちょっと意味合いが異なりますが、固有パターンという意味で「文紋」と名付けてみました。もっといい名称があれば変えるかも。

 今までのように単に読むだけじゃ気づかなかったと思うんですが、やりとりを通してより作者の方々の性格なりを感じられるようになったせいで、よりこの文章から感じられるオーラがわかるようになりました。

 この「文紋」が感じられる作家の方の小説は面白い。

 (あ、この「面白い」は私の主観なので、言い換えるならば、この文紋が自分に合う作家の方の小説は面白い、と言うべきかも知れません)

 いや、面白いというのは正確じゃないですね……。
 
 この「文紋」が感じられる作家の方の小説は心に響くものがある。

 ですかね?
 

 じゃあ、この文紋は何から来るのだろうかと考えました。

 言葉の選び、句読点による文章のリズム、間の取り方。
 一文の長さや、切り方。
 設定から垣間見れる作者の思想。
 文章から感じられる、作者の雰囲気。
 作者自身の優しさや強さ、弱さ、知性、感情……。
 
 たぶん、文章って思いの外「作者自身」が滲み出てくるのだと思います。

 昨今は、SNSで作者自身の他作へのコメントやブログやツイートの言葉も目にすることも増えました。
 そういうものも含めた総合的な作者の言葉が、読者に伝わるのでしょう。

 日本には「言霊」という概念があります。
 書いた文章はその背景となる作者の思考とともに読者の心に伝わる。

 で、何が言いたいかというと、この文紋がはっきりしていると、作家デビューしやすいのではないかと。それこそ文紋が言霊の如く機能する。

 なぜかというと、そういう小説は、読者なり編集部なりの心に響き残りやすいからだと思うんですよね。

 もちろんコンテストや公募で最終選考に残るかどうかは商業的な理由が大きくなるのでそんな単純な問題ではないでしょうが。

 でも、すくなくとも、文紋が感じられる文章が書けるようになると良いと思うんです。


 うーん、もう少し考察したいけど、一旦ここまで。


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