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LikeとLoveと、好きと恋と愛の、ソフトウェア開発者的考察

 とあるフォロワーさんの「LikeとLove」質問ツイートとそのノートのまとめを見て、それらの違いについての私なりの考えをまとめてみました。
 元ノートはこちら。

 なお、質問の本当の意図は、「愛とはなんぞや? 好きと何が違うの」だと思うんですよね。ここではその観点からの私の考察です。

 この概念については私も前から気になっていたのです。心理学的にも生物学的にも。私も長く生きていろいろ経験しましたが、それを元にした自分なりの定義です。なお、私はソフトウェア技術者としてAI(人工知能)にも興味があるので、AI的に実装するにはという視点も入ってます。

英語と日本語

 英語の「Like, Love」と、日本語の「好き」「恋」「愛」は基本的には一致しているのではないでしょうか。対応としては:

好き=Like:何にでも気軽に使える
 恋=Fall in love:まさに、恋におちる
 愛=Love:家族や恋人に対して使う

 だと思います。
 なお、私的には「I love you.」はあくまで「愛してる」だと思います。日本語の「大好き」という意味で使うのは誤解があるかと。その微妙な違いについては以下を読んでいただければ意味が分かるかと。

「好き」

 「好き」とは、何らかの対象に対しての普遍的な好意の感情の基本単位じゃないでしょうか?
 人に限らず、どんなものに対しても「好き」と「嫌い」という感情が湧く。分かりやすいのは、食べ物の好き嫌いでしょうか。それは生物的にそう作られているといってもよいかと。
 つまりは、好きという要素の前提:

0.本能そして性格に基づいた感情の発動の好き

 そして、この「好き」も程度の差があることに気づきます。
「まあいいかも?」程度の好きから、「メッチャ好き!」まで、いろいろ。

変数で表現すると: 例: 好き度合い[対象]=好き具合
(対象ごとに、好き具合を保存するという事です)

 この「好き」の感情を、人間(や動物)を対象として発動すると、「人を好き」の感情となります。人を好きになる場合、大きく二つ重要な種類が考えられます。
 一つめは、単純に1つの観点で好きとなるのではなくて、色んな要素に対する「好き」の総計が、その人に対する総合的な「好き」になるのというもの。
 例えば、顔が好き、性格が好き、声が好き、等々の合計。
変数で表現すると: 例: 好き度合い[対象][声]=好き具合

 二つめは、本来の動物としての本能=性的な要素です。性的嗜好(性的興奮を覚える点)の点で好きと感じるというものです。

 この二つの種類を考慮すると、好きの種類が二段階になるのかと思います。

 1.物体・人として好き
 2.物体・人としてかなり好き
 3.自分の好みの要素が増加
 4.対象の性的要素が自分の好みと一致し、好き 

 一般的な生物学的の好きは、この最後の第4段階に至った場合だと思われます。ここまでくると、ドキドキとか身体的に影響するのでしょう。

 ちなみに「親しい友人」「気の合う友人」は、この第3段階のどこかの状態じゃないでしょうか。

「恋」

 自分の好みの要素が増加し、第4段階である「性的に好き」へ変化し、ある重要な要素が得られた瞬間が「恋におちる」だと思います。
 その重要な要素とは、
「相手の悪い点を受け入れられる」
です。
 恋すると、相手の欠点も良いように見える。あばたもえくぼ。恋は盲目。この状態ですね。段階5としましょう。

 5.相手の悪い点を受け入れられる程の好き

 なお、性的な要素が絡まない段階5の状態は「親友」と呼べるかなと思います。

「愛」

 さて、お互いに相手に恋する状態の二人、つまり段階5どうしの二人が晴れて付き合ったとします。恋人関係ですね。

 付き合っている間に色々あるでしょう。
 人間ですから、価値観が違ったり、ものに対する好みが違ったり、いろいろと違うことが沢山あります。そういう違いに気づきます。
 それが元で喧嘩したり、怒ったり。
 でも同じ感受性や価値観のおかげで、笑ったり、癒やしあったり。
 こういう色んな試練を乗り越えて、それでもなお「恋する」状態が維持できると、ある時点でブレークスルーが起こります。

 それは「お互いの全てを受け入れることができることを確認し、ずっと一緒にいたい」という感情の芽生え。
 それが「愛」だと思うんですよね。

 6.対象を完全受容し共存したいと願う状態

 この状態になると、一緒にいるだけで安心感が得られます。自分らしく自然な状態でいられるのです。なぜなら、相手は自分の全てを受け入れてくれるわけですから。「ただ一緒にいるだけで幸せ」とはこの状態です。
 さらに段階が進むと、愛するもののために自分を犠牲に出来るという精神状態が発生します。これは段階7とも言えるかも知れません。

 7.対象を完全に受容し、自己犠牲をもってでも守りたいと思う

 好きが進んで、ここまで愛し愛されれば幸せですね!


大好きと愛してる

 ここまで述べれば、なぜ大好きと愛してるが安易に同じだと言えないか分かるかと思います。
 英語の I love you. は、基本的には家族や恋人にしか使わないと思います。
なぜなら、愛には好きとはレベルの違う感情が含まれているからです。
 いくら「好き」が大きくなっても、「愛」とは次元が異なるのです。

親の、子に対する愛

 これはよく「子に対する無条件の愛」と言われますが、親というものは子の全てを無条件に受け入れる仕組みが本能としてあるのだと思います。
 本能として、段階7の好きが備わっているのです。(なお、当然ですが性的な要素は一切無しです)
 親って、子供の全てを受け入れられるんですよね。
 もちろんいろいろと苦労はしますし、限界もあるでしょうけど、基本的に子供への愛とは、無条件の、その子供の完全なる受け入れなんです。
 その子が失敗しようが、成功しようが、苦労かけようが、受け入れられる。それが親から子への愛情なんですよね。

 そしてこれは親から子への一方通行です。そんなもんです。「親の心子知らず」ということわざが示すとおりですね。
 そこを勘違いして、子にも自分に対する愛を求めると大惨事になります。

推しへの愛

 推しがいる人には分かる感情ですね。段階6くらいありそう。ただし、これも親から子への愛と一緒で、一方通行です。
 私にも推し作家様が何人かいますが、これくらいの愛があると思います。
 女神様たちにいろいろ貢いでます(笑)

愛を維持するには

 愛を維持するとは段階7を維持するという事。これには、お互いがそうできることが大事です。
 その段階へ至った二人の歴史を振り返ることが大事かなと思います。
 愛を維持して進み続けるには、機械と同じで潤滑油が大事です。
 思いやりや感謝の言葉、常にコミュニケーションを取ることを心がけるのが大事かと思います。
 上記のように定義した愛は、共同作業・相互受容が前提です。その観点から方法を考えると良いかもですね。
 ただし、それが難しいと、愛を維持するのも途端に難しくなるかも知れません。

おまけ

 前述のフォロワーさんへの回答として、じつは私は以下のようなリプをしたんですが、これはこれで面白いんじゃないかと思ったり(笑)
 上記のことを念頭に、好きの度合いを物質の分子運動に例えてみたわけです。
 平常状態を液体とし、「好き」の度合いを、温度変化による沸騰までの過程とする。沸騰するとLoveと定義。
 なお、直鎖アルカンとは、一般式 CnH2n+2 で表される鎖式飽和炭化水素のことです。

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化学者的回答を。
物質の状態変化と同じ。
Likeは液体。
対象へのLikeの度合い(温度)が上がると態変化(沸騰)を起こしLoveになる。
対象(物質)によって沸点が異なる。
沸騰するほど熱が持てないとLoveへは至らない。

子への愛情は水素。通常時で既に気体。気をつけないと爆発する。
推しへの愛はアルコール。気化しやすいが、気をつけないと燃え(萌え)すぎる。
恋愛は直鎖アルカン。人によって炭素数が異なる。気化しやすい人いれば、しない人もいる。

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 なお、燃えたり爆発したりというのは、行き過ぎると危険な愛を表現しています。
 ただ、さすがにこれは意味がわかんない人も多かったかも。
 なぜそういう風に例えたのかのは私も分かりません。すみません。

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